
アイアンマン70.3トルコフィニッシュシーン
>>From Readers
ロンドン在住、トライアスロン歴3年目の尾関孝洋さん。トライアスロンとの出会いが人生を大きく動かしたという彼のリアルな日常を、これから少しずつ紹介してもらいます。
ルーシー・チャールズ・バークレーとスイム練習? T100で世界選手権出場? スーツ姿にIRONMANバッグが名刺代わり? トライアスリートなら気になるエピソードが満載。今回はアイアンマン70.3トルコ出場についてお書きいただきました。今後も、ロンドンでトライアスロンとともに生きるライフスタイルを、さらに深掘りしていきます。
写真=尾関さん提供

アイアンマン70.3トルコのアスリートビレッジ
生活の延長線上にあるレース
GBP(ポンド)/TRY(トルコリラ)を眺めながら
行き先はトルコに決まる
私が働いているロンドンは金融の中心。
このレース(IRONMAN70.3Türkiye)を決めてから、僕のBloombergではGBP(ポンド)/TRY(トルコリラ)を常に表示している(笑)。トルコリラは通貨安が止まらない。
仕事を金曜に締めてそのまま空港へ、日曜にレースして、また火曜朝には出社している。ヨーロッパでトライアスロンをやるということは、「旅」ではなく“生活の延長で世界とぶつかる”という意味をもつ。

参加賞の防水バッグ。選手しか手に入らない参加賞もアイアンマンの証
金融市場では見えなかった“肌感覚のトルコ”
今回の舞台はアイアンマン70.3 トルコ/Antalya。結果は4時間3分。4時間切りには届かなかったが総合10位、来年ニースへのスロットは確保できた。
トルコという国に対して、金融業界で働く身としてはインフレ、高金利の印象が先に来る。しかし現地の空気は、アジアとヨーロッパが混ざる“不思議な湿度感”。

今回の補給食
ロシア人250名超:数字では推測できても「空気」は読めない
今回特に驚いたのはロシア人の多さだ。
ロシア人に対して入国制限がある今、“抜け道的に”彼らが来ているのは頭では知っていたが、実際のレースで見ると説得力が全く違う。Antalyaはゴルフリゾート+ロシア富裕層で構成された街だろう。
トルコリラ安など微塵も感じない“別の価格体系”の市場がそこにあった。金融の世界では数字で国を理解するが、レースでその国を走ると、また別の理解の回路が起動する。

バンケットパーティーはハロウィンの時季とも重なって大盛り上がり!
レース当日:30度の中でも落ちなかったラン
そんな思考を抱えたまま迎えたレース当日。
スタートは朝8時。教科書通り5時に起床して、アイアンマンオーガナイズのバスで会場へ向かう。
トルコの海は地中海らしく塩が強く、23度前後の水温は寒がりの自分にはちょうど良かった。
バイクは獲得100m程度のほぼフラット。パック形成とマーシャルを意識しながら2時間7分。
そしてラン。バイク補給ミスで序盤から脚は重いものの、30度近い気温の中でも1時間14分で押し切る。
総合4時間3分。4時間切りには届かなかった。

アワードパーティー。ニースへの出場権を獲得
“生活の延長”としてレースできる距離感こそ、ヨーロッパの贅沢
帰りの空港で気づいた。
ヨーロッパで70.3を走るということは、「非日常の冒険」ではなく“金曜夜に飛んで、月曜にはもう帰るという生活圏の半径にレースがある”ということ。
ロンドンで働きながら、週末に地中海の国で泳いで走って戻ってくる。
これこそが、ヨーロッパでトライアスロンをやる魅力だ。距離が贅沢を決める。
その贅沢は、生活に溶け込む。
そして、ここからがまた現実的。
Antalyaの翌日、ビーチでのんびり日光浴していたら朝食で食べたエッグトーストに当たり、39度近い発熱と嘔吐。“数字より身体のほうが先に反応する” とはこのことだと思った。
さすがにトルコの卵は、もう二度と食べたくない。

前日のカーボロードwith今回一緒に旅をした友人たち
次の挑戦は 12月中旬、カタールで行われるT100世界選手権。
ロンドンからのフライトは約5時間。 Sovereign Fund、ヘッジファンド、Family Office が集まり、“資本” がもっとも速い速度で行き来する都市――。
その街で、いま世界が最も速い距離“100km”で走るということ。数字を追い、身体で理解し、また数字に帰る。
この循環を、カタールという “資本の交差点” で試せることが今は楽しみだ。

尾関孝洋 Takahiro Ozeki
外資系投資銀行勤務、ロンドン在住。大学までは体育会サッカー部に所属。仏移住をきっかけにトライアスロンを始め、今年は3年目のシーズン。ロンドンT100でエイジ7位となり、12月の世界選手権(カタール)出場予定。今シーズンはアイアンマンポルトガルに挑戦し9時間21分でエイジ11位。大の苦手なスイムをLucy Charles-Barclayが通うスイミングクラブで特訓中。
《2025年レース予定》
2025年11月2日 IRONMAN 70.3 Türkiye
2025年12月13日T100 Age/Group World Championship
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