
今シーズンのラストを飾る秘蔵の穴場。
「アイアンマン70.3フーコック」観光ガイド
2025年11月に開催されたアイアンマン70.3フーコック(ベトナム)に参戦した、作家でトライアスリートの旅烏こと、謝孝浩さん。今後参加を考えている方に向けて、レースからホテル、交通、グルメ、観光まで、ガイドしてくれました。レースレポート編はこちらから。レースで疲れた身体でも楽しみたい、グルメや観光、また交通手段やホテル・治安情報まで、一気にご紹介します。
文=謝 孝浩(旅烏)
写真=大会オフィシャル、謝さん提供
2026年11月15日 アイアンマン70.3フーコック
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謝 孝浩 Takahiro Sha
1962年長野県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。 在学中には探検部に所属しパキスタン、スリランカ、 ネパールなどに遠征する。卒業後は秘境専門の旅行会社に就職し、添乗員としてアジア、アフリカ、南米など世界各地を巡る。2年で退職し、5カ月間ヒマラヤ 周辺を放浪。帰国後はPR誌、旅行雑誌、自然派雑誌などに寄稿するようになる。その後、トライアスロン雑誌での大会実走ルポなどを通じて日本にも目を向けるようになり、各地を行脚している。「トライアスロン旅烏」シリーズは、Lumina創刊以前から続く、長寿&人気連載。今回はWEBマガジン特別編。著書にルポ『スピティの谷へ』(新潮社)、小説『藍の空、雪の島』(スイッチ・パブリッシング)など。

フーコックへの行き方
現在、日本からフーコック島への直行便はありません。そのため、ベトナム国内(ハノイ、ホーチミン)やアジアの主要都市(韓国仁川、香港、バンコクなど)での乗り継ぎが必要です。
JALやANAなどの日本の航空会社をはじめフルサービスの各航空会社からLCCまで予算にあわせて飛行機を選ぶことができます。

しかし大会参加を兼ねたトライアスリートにとって、自転車(輪行袋・ハードケース)を伴うフーコック島への旅では、「乗り継ぎ地で巨大な自転車を回収・移動する手間をいかに減らすか」が最も重要なポイントになります。
旅烏は、ベトナム航空のハノイ経由でフーコック入りしました。

乗り換え時間があったため、空港内のトランジットホテルに宿泊し、ハノイ観光もしました。
それはそれで貴重な旅の体験になったのですが、休みの限られた日本人トライアスリートにとっては短い日程での移動が優先順位の上にくると思います。
おまけにバイクケースを運びながらの国際線ターミナルから国内線ターミナルまでの移動もあります。より現実的に考えて、おすすめの方法を今回新たに探したところ……。

一番楽なおすすめ便は「韓国(仁川)経由」
最終的にはご自分で確認はして欲しいのですが、自転車輸送がある場合、ベトナム国内経由(ハノイ、ホーチミンなど)よりも、韓国・仁川(インチョン)経由の国際線乗り継ぎが圧倒的に楽でおすすめです。
大韓航空(Korean Air)の仁川経由便
●理由(手荷物のスルーバゲージ): 日本で預けた自転車が直接フーコック島まで運ばれます。乗り継ぎの仁川空港で自転車を一度引き取って自力で運ぶ必要が一切ありません。
●自転車預け入れの対応: フルサービスキャリアのため、受託手荷物の規定(サイズ・重量)がLCCより寛容で、スポーツ用品の取り扱い実績も豊富です。出発48時間前までの事前予約を推奨。23kg以下、3辺の和292cmまで無料(最終的に航空会社にご確認下さい)。
●仁川での乗り継ぎ時間:負担にならない時間で効率的です。
●予算(概算):往復85,000円〜130,000円

大会会場は、洗練された「リゾートのオアシス」
アイアンマン70.3フーコックのメイン会場となる「フーコック・マリーナ(Phu Quoc Marina)」エリアは、単なる地名ではなく、大規模に開発された「統合型リゾート・エンターテインメントエリア」です。
一歩エリア内に入ると、東南アジアのローカルな喧騒から切り離されたような、洗練された南国リゾートの空気が漂います。歩道やヤシの木が美しく整備されており、ゴミ一つ落ちていません。

朝夕のジョギングや、バイクの最終チェック(試走)をするアスリートにとって、非常に走りやすく快適な環境です。西海岸(ロングビーチ)に面しているため、夕暮れ時には真っ赤に染まる極上のサンセットをビーチから眺めることができます。
ホテル・アコモデーション
このエリアの最大の特徴は、インターコンチネンタルやリージェントなど、世界トップクラスのラグジュアリーホテルから、リゾート気分を充分に満喫できる中級ホテルがビーチ沿いに連なっています。
またビーチから一歩奥に入ると、カラフルな洋風の建物が並ぶ区画があって、1階が店舗、上階が清潔で手頃なブティックホテルになっています。値段も1泊3,000円から6,000円とリーズナブル!
日本の綺麗なビジネスホテルのような感覚で泊まれて、レース会場までも歩いて行ける距離にあるため、宿泊費を抑えたいアスリートにとってまさに「穴場中の穴場」です。ベトナム在住の日本人トライアスリートも多く利用していました。

店・レストラン
エリア内には、ローカルな屋台はありませんが、ミネラルウォーター、スポーツドリンク、ベトナムビール、スナック菓子、カップ麺、ちょっとした日用品(シャンプーや日焼け止めなど)が揃っているミニマート(コンビニ的なお店)、マッサージ店などが点在していて、清潔でオシャレなレストランやカフェが揃っています。敷地内でほぼ完結する利便性があります。

治安
治安は「極めて良好(安全)」です。最低限の注意は必要ですが、エリアの入り口にはゲートや警備員が配置されており、各ホテルにも24時間体制のセキュリティがいるため、不審者やスリなどの心配はほぼありません。
街灯も明るく整備されているため、夜間にエリア内のレストランやミニマートに歩いて行くこともできます。

アフターレースにおすすめの
フーコック島の観光スポット
●世界最長の海上ロープウェイ(ホントム・ケーブルカー)
ギネス世界記録にも認定されている、全長約8kmの海上ロープウェイです。フーコック島本島から南部のホントム島までを結び、眼下にはエメラルドグリーンの海、色鮮やかなサンゴ礁、そして無数の小さな漁船が浮かぶパノラマの絶景が広がります。
約15分間の空中散歩は、まるで空を飛んでいるかのようなスリルと感動を味わえます。
●アイランドホッピングで透明な海を満喫
島の周辺に点在する手つかずの美しい離島をボートで巡る人気のアクティビティです。透明度が抜群に高いスポットでのシュノーケリングでは、色鮮やかな熱帯魚やサンゴ礁の世界を覗くことができます。
SUPを楽しんだり、白い砂浜の無人島でのんびり寝転んだりと、南国リゾートならではの贅沢な時間を過ごせます。

●ロマンチックなサンセットタウン(Sunset Town)と毎晩の打ち上げ花火
島の南西部に位置する、イタリアなどの地中海の街並みを再現した新興リゾートエリアです。「キスブリッジ(Kiss Bridge)」などのフォトスポットが点在し、夕暮れ時には街全体がオレンジ色に染まります。
さらに見逃せないのが、毎晩海上で開催される大迫力の花火ショー(「キス・オブ・ザ・シー」や「シンフォニー・オブ・ザ・シー」など)です。

音楽やレーザー光線、噴水、さらにはジェットスキーなどの水上スタントと融合したエンターテインメントショーのフィナーレとして、夜空と海面を色鮮やかに染め上げる花火が打ち上がります。
海岸沿いのレストランやカフェの窓際、あるいはキスブリッジから、ディナーやカクテルを片手に優雅に鑑賞するのもおすすめです。
●熱気とローカルグルメを味わうナイトマーケット
日が沈んだ後に絶対に訪れたいのが、活気あふれるナイトマーケット(ズォンドン・ナイトマーケットやVUI-Festなど)です。メインストリートには、その日に獲れたばかりの新鮮なシーフードが並び、指差しで選んでその場で炭火焼きにしてもらうことができます。

他にもベトナムのローカルフードの食べ歩きや南国フルーツのフレッシュジュース、特産品の真珠やコショウなどのお土産探しも楽しめ、島の熱気を肌で感じられるスポットです。
旅烏はレース後、中部にある大会エリアから島の南部にあるサンセットタウンに移動し、コンドミニアムに2泊延泊して、上記の観光スポットを楽しみました。しかし現実的には、時間的余裕がないトライアスリートがほとんどだと思います。

その場合、アイランドホッピングを楽しんだ後、ロープウェイの最終地点の島からロープウェイに乗ってサンセットタウンまで戻ることができるサンセットタウン発のツアーが数多く出ているので、それを利用するのが効率的。
最後にサンセットタウンの街並みや花火ショーを堪能して、夜、中部エリアに戻る。このスケジュールならば、タイトですが1日でフーコック島の魅力を思う存分楽しむことができるはず。
絶品・おすすめグルメ
ベトナム料理はたっぷりの新鮮なハーブや野菜を使い、辛すぎずマイルドで奥深い味付けが多いため、日本人の口にとてもよく合います。アスリートの胃腸にも優しく、レース前後のエネルギー補給にもぴったりな「絶対に外せない定番ベトナム料理」を厳選しました!

海鮮料理 (Món hải sản)
フーコック島は海老、ワタリガニ、大型の貝、ニシンなどタイランド湾の豊かな漁場からとれる新鮮な魚介と、特産の「ヌックマム(魚醤)」「黒胡椒」が合わさった極上の海鮮料理が味わえます。
レース前は、生物は避け、よく火の通ったものを選びましょう。フーコック常連の日本人トライアスリートやベトナムのトライアスリートと一緒に食べた海鮮料理は絶品で、フーコックのイチオシグルメとなりました。

フォー(Phở)
米粉から作られた平打ち麺を、出汁の効いたスープでいただくベトナムの国民食です。牛骨をじっくり煮込んだコクのあるスープのフォー・ボー(牛肉)や鶏ダシのあっさりとしたスープのフォー・ガー(鶏肉)など、その日の気分にあわせて。長旅やレース前後のデリケートな胃腸に優しく染み渡ります。
バインミー(Bánh Mì)
フランス統治時代の名残である、ベトナム風のバゲットサンドイッチ。まさに絶品ストリートフード。米粉がブレンドされたフランスパンは、外はサクッと、中はフワッと軽い食感です。
レバーパテ、甘酸っぱい大根と人参のなます、チャーシュー、パクチーなどが絶妙なハーモニーを生み出し、手軽で美味しいエネルギー補給に最適です。

ゴイクオン(Gỏi Cuốn)
日本でもお馴染みの生春巻き。エビ、豚肉、たっぷりのハーブ、そして少しの米粉麺をモチモチのライスペーパーで巻いたヘルシーな一品。旅烏のベトナム料理の中で、一番好きです。
本場の味はやはり格別。濃厚な甘味噌ピーナッツソースや、甘酸っぱいヌクチャム(魚醤ベースのタレ)につけていただきます。ビタミン補給にもぴったり。
バインセオ(Bánh Xèo)
米粉とココナッツミルクの生地をターメリックで黄色く色付けし、薄く大きく焼き上げる、パリパリとした食感が楽しいベトナム風お好み焼き。中には豚肉やエビ、もやしがたっぷり。
これをちぎって、さらにたっぷりのレタスやハーブなどの生野菜で巻いてタレにつけて食べるため、見た目以上にさっぱりと食べられます。
フーコック島特産のお土産

フーコック産 胡椒(胡椒・塩コショウ)
フーコック島は東南アジアでも有数の高品質な胡椒の産地です。小分けで軽いため、自転車の荷物やスーツケースの隙間にも入れやすく持ち帰りに最適です。
● 黒胡椒・赤胡椒(レッドペッパー): 香り高く、ピリッとした旨味と爽やかさが特徴。
● 塩ライム胡椒(Muối Tiêu Tắc): フーコック名物。塩コショウにライム(ライムの果汁・葉)がミックスされた調味料で、肉料理やシーフード、フルーツにつけると絶品です。
シム酒・シムワイン(Rượu Sim):フーコック島に自生する野生の果実「シム(Sim)」から作られる、島限定の果実酒です。
● 味わい: 甘酸っぱくフルーティーで、ポートワインやベリー系リキュールのような飲みやすい味わいです。
● その他: お酒が飲めない方向けに、シムのシロップやジャム、キャンディなども販売されています。
ベトナムのお土産
フーコック特産のお土産に加えて、定番のベトナム土産もご紹介します。スーパーや空港で手軽に買えるものが多いので、帰国前の買い足しにもぴったりです。

ベトナムコーヒー
練乳を入れて飲む、濃厚で甘いベトナムコーヒー。お土産にするなら、ベトナム最大手「チュングエン(Trung Nguyen)」のレギュラーコーヒーや、手軽なインスタントの「G7」シリーズが鉄板です。専用のアルミ製フィルター(フィン)をセットにしてプレゼントすると喜ばれます。
ハス茶(蓮茶 / Trà Sen)
緑茶に蓮の花の香りを移したベトナムの伝統的なお茶。ジャスミン茶よりも少し甘く上品な香りが特徴で、リラックス効果や美容効果があると言われ、女性へのお土産に大人気です。

MAROU(マルゥ)のチョコレート
ベトナム産のカカオ豆とサトウキビだけを使ったチョコレート。産地ごとにカカオの風味が異なり、旅烏はハノイの専門ショップで買ったのですが、フーコックのスーパーにも売っていました。雰囲気のあるパッケージがいろいろあるので、お土産にぴったり。
2026年11月15日 アイアンマン70.3フーコック
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