COLUMN

【2026 KONA女子】ニブが劇的展開制して悲願のコナ初V

投稿日:


ルミナ編集部

text by:

あまりにもコナらしい、波乱含みのタフなレースを制して初優勝を果たしたテイラー・ニブ

コロナ禍以前から7年ぶりにハワイ・コナでの男女同日開催となった2026年のアイアンマン世界選手権(2026年10月10日)、世界各国の強豪プロトライアスリートによる世界王座争いは、男女ともにコナらしい劇的なレースとなった。

ランコース折り返し、かの有名なエナジーラボを過ぎ、カイルア・コナの町が見えてくる最後の最後まで勝負の行方がわからない、波乱含みの優勝争いを制して、コナの王座に就いたのはテイラー・ニブ(女子)と、バンサン・ルイ(男子)。

男女ともに新たな世界チャンピオンが、アイアンマンの歴史に名を刻んだ――。

写真=小野口健太

《プロ女子》
前回大会から続くストーリー
衝撃の逆転劇

プロカテゴリー女子のレース、衝撃の逆転劇への前振りは序盤スイムから始まっていた。例年どおりルーシー・チャールズ・バークレーがトップで抜け出すと、後続に約1分半の差をつけバイクレグへ。そこにテイラー・ニブが食らいつき、今年は早々にルーシー・チャールズをかわして先頭に。

2025年のコナに続き、ふたたびふたりのスター選手が激しいつばぜり合いを見せた。

スイムからバイク序盤、先行するまではいつもの闘い方だったルーシー・チャールズ・バークレー。しかし、この日はこの後、レースの主導権を握ることはできなかった

ランに入ってからも引き続き先行するニブ、追うルーシー・チャールズ。ふたりの優勝候補の激闘の後ろで虎視眈々と大逆転を狙う前回王者ソールバイ・ロブセット、キャット・マシューズ、ローラ・フィリップら実力者たち。

――というところまでは、おおむね昨年と同じ勝負の構造のように見えたが、バイクで昨年以上のパフォーマンスを発揮し、リードを奪い続けたニブが後続との差を広げ、コナでの初勝利に着々と近づいていく。

前回同様、淡々と、しかし力強い足取りで順位を上げていくロブセットの脅威はあるものの、ライバル、ルーシー・チャールズがふたたび先頭に立つことはなく、自分のペースでレースを運んでいくニブ。

ランの折り返しを過ぎても単独走は続き、コナアスリートでもある母の影響もあって子どものころから夢見ていたという「悲願のコナ」初勝利は、すぐ目の前にあるかに見えた。

しかし、そこはアイアンマンの聖地コナ。ただでは女王の座を差し出してくれない。

ラン残り8kmの終盤、レースウエアの上半身をはだけ、インナーウエアのみのような姿でやや苦しげにペースダウンし始めたニブをロブセットが抜き去る。ノルウェーの新しい女王による逆転劇ふたたび。

昨年同様、淡々と力強い走りで一時トップに立ったロブセットだが、この日は彼女のレースではなかった

ニブのコナ初勝利はまたしてもおあずけになるのか、と、誰もが諦めかけた最終盤。コナ連覇という金星を手中に収めたかに見えたロブセットが、大きくペースダウン。大きくよろめき、コース上に座り込む姿は前回大会のニブの再現のように。

その横を駆け抜け、フィニッシュラインに最初にたどり着いたサバイバーは、一度、ロブセットに先頭を譲った後、ペース&補給戦略を再起動、「ふたたび自分のレースだけに集中し直した」ニブ。

9月の70.3世界選に続き、悲願のコナ・タイトルを奪取。同じ年に両方の世界選手権を制した3人目の女子アスリートとなった。

「昨年、とにかくフィニッシュすることが大事だと学んだ」
テイラー・ニブ

「昨年の経験(※ルーシー・チャールズとランで争った後、最終盤でリタイア)は大きな役割を果たしました。エナジーラボを折り返した後、大きな決断を下したんです。それは、とにかく自分の身体を大切にすることでした。本当に辛くなっていたからです。

ソールバイが迫ってきたときも、そのまま戦ったら負けてしまうと思ったので、争わず前を譲った。昨年の経験から、とにかくフィニッシュラインまでたどり着くことが大事だと学んだんです」

コナアスリートである母の応援でコナを訪れ、子どものころから夢見ていたという、コナでのアイアンマン世界イチ。

来季2027年以降は、もうひとつの大きな目標であるオリンピックでの金メダル獲得に向け、アイアンマンでの戦いは休戦になることが決まっていたというニブが、前回コナでの大いなる学びを活かし、価値ある栄冠を手にした。

女子プロ上位リザルト

2位に入ったローラ・フィリップ。スイムでは波酔いで出遅れるも、バイク・ランで着実にレースを再構築して、表彰台へ

コナデビュー戦のジュリー・デロンは、ラン途中、歩きが入るほどペースを落としたが、立て直して走り始め、残り1kmでロブセットをかわして3位に。「正直、信じられないくらい、このコナはワイルドなレースでした」

一度、コース上に座り込んで、レースを去るかに見えたロブセットは、最後の2㎞を歩いて8位でフィニッシュ。笑顔で歓声にこたえた

-COLUMN

0 interest


コメント

メールアドレスが公開されることはありません。


スパム対策のため、 日本語が含まれない欧文のみのコメントは投稿できません。


【記事】サイドバー上

記事用jQuery

cloud flash記事バナー