「史上最速」のトライアスロンバイク
SHIV S-WORKS DISC、ついに登場。
奇しくもルミナ創刊年の2011年以来、実に7年にわたる開発を経て、スペシャライズドのトライアスロンバイク「Shiv」が、ついにフルモデルチェンジを果たした。
今週末に世界選手権が開催される米・ハワイ島コナでは、現地時間10月8日(日本時間10月9日午後1時)に世界同時発表のイベントが開催され、ハビエル・ゴメスらサポートアスリートたちが、待望のニューモデル登場に花を添えた。
「史上最速」を標ぼうする、新しいS-Works Shiv Discは、まずシートチューブ後方に設えられた大ぶりなハイドレーション(給水)ボックスが目を引くが、前モデルよりも細身でシンプルになったように見えるフレームには、先にリリースされた最速エアロロードVengeにも通ずる最先端のエアロ形状が落とし込まれている。
また、その名の通り、スペシャライズドが先駆的に取り組んでいるディスクブレーキを採用、この時代の進化により、ヘッドまわりなどで、より大胆なエアロ形状をとることを可能にしている。
トップチューブやダウンチューブなどには十分な容量のストレージ(収納)スペースを備え、より緻密なフィッティングが可能な調整幅の広さや、遠征時の扱いやすさなどユーザビリティの高さも押さえた、「超・実戦的なトライアスロンバイク」として、世界のトライアスロンシーンを席巻しそうだ。
初回生産分は世界限定500台で予約受付
初回生産分は、特別に遠征用ケースが付属する世界限定500台。世界共通の特設サイトから先行予約を受け付けており、購入の場合、S-Worksリテーラー店頭で予約を成立させることが必要(※注文の流れは記事末尾を参照)。注文締め切りは10月31日(水)とされているが、全世界500台限定で、先着順、数量に達し次第終了となるため、早々に売り切れることも想定される。
スペシャライズドは、全世界で限定販売される500台に先がけて6台を、今週末のコナ(IM世界選手権)に実戦投入。
昨年女子2位のルーシー・チャールズや、初挑戦にして優勝候補の一角をなすハビエル・ゴメス(ロンドン五輪・銀メダリスト)、ベン・ホフマン、ティム・ドンら、実力・注目度ともに他を圧倒するサポート選手たちが、世界最高峰の舞台で新しいShivをお披露目する。
【注文の流れ】 ※以下、スペシャライズド公式発表より
1. Specialized.com特設ページで、申し込みフォームに連絡先情報を登録。
・申込みフォーム登録ページ
https://www.specialized.com/us/en/reserve
2. 今すぐS-Worksリテーラーへご来店ください。予約を成立させるためにはご来店の必要がございます。(ご来店がない場合、スペシャライズド・ジャパンより電話で連絡をする場合がございます)
3. ご来店いただきますと、店頭にてリテーラーがオンラインで在庫を確認します。在庫が確認できた場合、前金として10万円(税込)をお支払い頂きますと注文の確定となります。
ご注文の締め切りは10月31日(水)ですが、全世界500台限定、先着順のため数量に達し次第終了となりますこと予めご承知おきください。
また、サイズ選びでお困りの際や、お店選びでお悩みの際は「SHIVサポートセンター」までお知らせください。
スペシャライズド・ジャパン「SHIVサポートセンター」
メールアドレス: info.japan@specialized.com
TEL: 046-297-4373
営業時間:10:00~17:00(月~金)
「AERO」「FUEL」「FIT」 + Usability?
3つの開発キーワードをさらに突き詰め、トレンドのユーザビリティ(レース・遠征時の扱いやすさ)を押さえた新しいShiv、スペシャライズドの公式リリースをもとに、その概要をもう少しだけ詳しく紹介しよう。
Aero
さらに進んだストレージ&ハイドレーションの一体・内蔵化
どれだけエアロ形状を究めたフレームでも、エネルギージェルやパンク修理キットをテープでくくりつけ、ダウンチューブにボトルケージを付けるようでは台無し。空気抵抗が大幅に増えてしまう。
Shivの前モデルでは、初めてフレームに大容量ストレージを一体化させることで、この問題に対応したが、今回のShiv Discではこの方向性をさらに進めた。
さらに多くのドリンクを入れられるハイドレーションボックスをシートチューブ後方に設え(※前作Shivのダウンチューブから、この位置に変わった理由は「Fuel」の項で後述)、より多くの補給食や関連アイテムを収納できるストレージをダウンチューブに内蔵している。
横風も含め、強い風の影響を最小限に抑えるヘッドまわりとフレーム形状
コナウインドが吹き荒れるアイアンマン世界選手権で最速ラップをたたき出せる「最速トライアスロンバイク」となるために、横風を受けた状況で、ノーズコーン(ヘッドチューブカバー)フォーク、シートチューブを最適化し、空気抵抗を最小限に抑制。
さらにハンドリングが安定する位置に重心を定めた。これにより、どんなに強い風の影響も最小限に抑えられるという。
Fuel
容量1.5リットル、エアロ効果もスポイルしないハイドレーション
新しいFuelcellには最大50oz(約1.5L)のドリンクが入り、コックピットに内蔵されたホースからすばやく飲める。
セットされた位置が前作のダウンチューブから、シートチューブ後ろに変わったことにも、もちろん理由がある。
空気抵抗テストの結果、シートチューブの最適化がとても重要であることが判明、シートチューブのエアロ性能を優先させてから、エアフォイル(翼断面形状)の内側に十分な量のドリンクが入るハイドレーションボックス(Hydration Fuelcell)が作られた。
ダウンチューブに補給食ストレージを内蔵
新しい補給食用のストレージ(Nutrition Fuelcell)をダウンチューブと一体化させた。
このストレージには、4〜5個のエナジーバー、5〜6個のグミ状補給食、または10〜12個のジェルを収納可能。
また、Fuelcell自体を取り外せばダウンチューブ内にパンク修理キットなどを収納することもできる。
Fit
フィッティングのスペシャライズドならではのサイズ設定
新しいShivに用意された4種類のサイズは、スペシャライズドが誇るフィッティングシステム「Retül」の数千ものデータポイントに基づいて設計されているため、現在のサイズをもとに一人ひとりに最適なサイズが見つかるという。フィッティングについては、「Retül」を取り込むなど、他ブランドに先がけ進めている自負があるスペシャライズドだけに、このあたりは抜かりのないところ。
Usability
アグレッシブなエアロポジションを究めるための「調整幅の広さ」
ベースバーポジションを3種類選べる新しいコックピットは、フィットや操作性を損なうことなく、エアロ性能を最大限高める。
パッドは115mm分のスタックと十分な長さのリーチを調整できるため、体格を問わず、よりアグレッシブなポジションを追求できる。
輪行も六角レンチ1本、5分でできる
ただ派手なギミックに満ちているだけで、実際に使うとなると・・・というスーパーカー、コンセプトカーの類ではなく、トライアスロンにはつきものの遠征での使い勝手もしっかり押さえているあたりも、新しいShivの特徴。
わずか5本のボルト(ベースバーの2本、タワーの2本、シートポストの1本)を緩めるだけで、「輪行モード」に。
コックピットやブレーキの取り外しは不要で、5mmの六角レンチを使って5分で作業を完了できるという。
また、緩めた5本のボルトをレース会場で締め直せば、分解する前とまったく同じポジションの「レースモード」に戻せる。これなら、輪行のたびにいちいち各部の寸法を測り直す必要もなさそうだ。
コナ現地での発表の模様や、デビューレースとなるアイアンマン世界選手権でのトッププロらのライドシーンなどは、このWEBマガジンや、紙のLuminaでもカバーしていく予定なので、乞うご期待。
SHIV S-WORKS DISC DI2
価格:1,350,000円(税抜)
カラー:GLOSSSUNSETFIVE-O/GLOSSWHITE
サイズ:XS,S,M,L
★Shivプロダクトストーリーページ
https://www.specialized.com/new-shiv