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選手の動向がリアルタイムで分かる! 準天頂衛星「みちびき」を活用したレース支援の実証実験<琵琶湖トライアスロン>

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ルミナ編集部

text by:

©Jero Honda

「みちびき」でリアルタイムに選手の位置を把握

トライアスロン大会などの計測システムでもおなじみのネオシステムとN-Sports Tracking Lab合同会社は、7月2日(土)に琵琶湖で開催される「Lake BIWA Triathlon in Moriyama」で、準天頂衛星「みちびき」の高精度測位技術を活用して、with コロナ時代に即したトライアスロンの新たな競技運営を支援するための実証実験を行う。

具体的には、大会当日、トライアスロン用に開発された全天候型のGNSSデバイスを参加選手が装着することで、スイム、バイク、ランの全種目を通じてリアルタイムに選手の位置情報を正確に把握することができる。

このGNSSデバイスは、みちびきが提供するサブメートル級の測位技術(SLAS ※注1)を実装しており、誤差数十cmという高精度の位置情報を秒単位でトレースできるため、

パブリックビューイングを設置して選手の位置情報を映写することで、どこからでもレースのリアルタイム観戦が可能になる。

▶ネット環境さえあればリアルタイム観戦できる
「パブリックビューイング」サイトはこちら

また、安全で効率的な競技運営を実現するために、選手のみならずサポートカーや医療スタッフ等の支援者にもGNSSデバイス装着。トラブル発生時には迅速なサポート等の安全管理もできる。

より効率良く、安全・安心な競技運営が求められるwitthコロナ時代の地域スポーツイベントにとって、今回の取り組みは大きな意味をもつチャレンジとなりそうだ。

今回の実証実験は、「LAKE BIWA TRIATHLON IN MORIYAMA」の中に、実証実験模擬レースクラスを設けて約70人の選手にGNSSデバイスを装着。競技運営上の課題解決の検証を行うもので、

主催者である実行委員会および守山市、野洲市の理解と、内閣府宇宙戦略事務局、準天頂衛星システムサービス株式会社、一般財団法人日本情報経済推進協会の協力の下、実施される。

※注1:SLAS(https://qzss.go.jp/overview/services/sv05_slas.html

【宮古島で行われた性能テストの様子】

 

実証実験を実施するレース
LAKE BIWA TRIATHLON IN MORIYAMA競技開催:7月2日(土)
競技会場:琵琶湖マリオットホテル前湖畔、野洲川堤防下道路、農業道路
主催:LAKE BIWA TRIATHLON IN MORIYAMA 実行委員会
共催:ネオシステム
クラス:参加者550人、内 実証実験模擬レースクラス70人
競技距離:スイム1.9km/バイク73km/ラン20km

【実証実験の実施にあたって】
内閣府宇宙開発戦略推進事務局 準天頂衛星システム戦略室長 上野麻子

「準天頂衛星システム『みちびき』は、測位に必要な信号を配信する日本の衛星測位システムです。測位衛星としては米国GPSがよく知られていますが、みちびきは日本版GPSとも呼ばれています。日本のほぼ真上(=準天頂)に衛星を常時配置することで安定・高精度な測位を可能としており、2018年11月から4機体制での運用を開始しました。

この衛星測位システムが提供する補強情報により、サブメータ級・センチメータ級の測位が可能となることから、既に自動運転や物流・農業用のドローンなどに活用されています。

スポーツ分野でも徐々にその活用範囲が広がってきておりますが、今回のトライアスロン競技における導入実証は初の試みです。
今回の実証を通じて、『みちびき』の利用範囲がさらに広がることを期待するとともに、大会参加者・開催者双方が競技の新たな可能性を体感いただく機会となること、ひいては地域活性化に資する取り組みとなることを心より願っております」

【実証実験への期待】
準天頂衛星システムサービス株式会社 代表取締役社長 鎌形 亨

「準天頂衛星『みちびき』は衛星4機体制による運用開始から3年以上が経ち対応製品も増え、徐々に生活の中に浸透してきました。

今年の3月には実証と実用で10年間活躍した衛星初号機に代り、後継機へバトンタッチしました。また、より使い易く安定したサービスを目指して衛星7機体制の準備を進めています。

『みちびき』はスマートフォンやカーナビをはじめ、ドローンや車両の自動運転など、多くの製品やサービスに利用さるようになりましたが、今回の取り組みによりスポーツ分野での利用が進み、『みちびき』の高精度測位がより身近になると共に、新たな競技方式によるトライアスロンの今後の発展に期待しています」

【実証実験後の将来に向けて】
一般財団法人日本情報経済社会推進協会 常務理事 坂下哲也

「1990年代の情報通信革命(IT革命)から社会のデジタル化は留まることなく進展し、現在のデジタルトランスフォーメーション(以下DXと表記)は第4次産業革命とも言われています。

我々は、既にDXの真っ只中で生活をしており、スマートフォンの普及に始まり、AIスピーカーやIoT(モノのインターネット)、AR、VR、キャッシュレスなどのデジタル技術によって、我々の暮らしが大きく変わっていることを実感できるようになりました。デジタル上で、買い物・取引・手続きなどが完結してしまう時代においては、データや取引の信頼性を如何に担保するかが重要になってきます。

準天頂衛星『みちびき』が提供する高精度な位置情報・時間情報は、データや取引情報に付加されることで、データ改ざんや不正防止等その信頼性が飛躍的に向上すると期待されており、DX 時代の重要なインフラとなっています。

『みちびき』が社会基盤として定着するためには、ミッションクリティカルな用途からエンターテインメントまで、多様な用途で利用されることが重要です。当協会は、公益事業の一環として準天頂衛星みちびきの創成期から普及促進活動に携わっており、用途開発活動の一つとして、スポーツ分野で株式会社ネオシステムやN-Sports Tracking Lab 合同会社との協業を過去数年間にわたり推進してきました。

今回のトライアスロン3競技を連続して精緻にトラッキングする取り組みは、世界的にユニークで、DX 時代のスポーツの新たな楽しみ方を提示するものでもあります。

今回の実証実験が、『みちびき』のスポーツ業界への早期定着に資する取り組みになることを期待しています」

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