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GIANT新型Trinity:イデンも駆るTRIバイクが飛躍的モデルチェンジ

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ルミナ編集部

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フレームの大幅軽量化にディスクブレーキ化、それに伴うフレーム形状の更新、よりきめ細かなフィッテイングを可能にするアジャスタビリティの向上など、飛躍的な進化を遂げた新型トリニティ(写真はTrinity Advanced SL 0=完成車)

558gも軽量化したフレーム
ディスク化で扱いやすさも進化

KONA(2022年アイアンマン世界選手権)王者グスタフ・イデンらの決戦バイクとして数々の勝利を支えてきたジャイアントの名車「Trinity」(トリニティ)が待望のフルモデルチェンジを果たした。

ジャイアントが2025モデルとしてリリースした新型「Trinity Advanced SL」シリーズは、トライアスロン仕様の「Trinity Advanced SL 0」(完成車)と「Trinity Advanced SL Tri Frame Set」(フレームセット)、タイムトライアル仕様の「Trinity Advanced SL TT Frame Set」の3モデル。

いずれも同一のフレームセットをベースとしており、同社がこれまで培ってきたテクノロジーや最上級のカーボン素材によって前モデル比558gもの大幅な軽量化を実現。

さらにディスクブレーキ化を果たしたことで、コントロール性の向上はもちろん、最大8,640通りのセッティングが可能なアームレストまわりをはじめとする「アジャスタビリティの拡大」など、トータルで飛躍的な進化を遂げている。

ディスクブレーキ化の恩恵として実現した、シンプルで調整幅の大きなコックピットまわり

ハイドレーション・システムはエイドで大容量リザーバータンクに給水できるタイプに進化

トライアスロン仕様の完成車・フレームセットに標準装備されている専用設計の補給システムは、当然のごとくすべて数値流体力学(CFD)による解析と風洞実験を経て設計されており、

同時にリリースされた「CADEX MAX AERO DISC」「CADEX AERO 4-SPOKE DISC」ホイールシステムとの組み合わせも含め、世界イチのビッグブランドGIANTが誇るテクノロジーの粋を集めたトライアスリート注目の最新鋭モデルに仕上がっていそうだ。

TRINITY ADVANCED SL 0

TRINITY ADVANCED SL 0
〈完成車〉
あらゆるコンディションで高いコントロール性とエアロ性能を発揮する「CADEX Aero 4-Spoke WheelSystem」と、トップアスリート御用達の超軽量コンポーネント「SRAM Red AXS」を装備したトップグレードの完成車。

標準価格:1,705,000円(税込)
サイズ:465 (XS), 495 (S),525 (M), 550 (L) mm
カラー:カーボン・プリズマティックヘイズ

TRINITY ADVANCED SL TRI FRAME SET

TRINITY ADVANCED SL TRI FRAME SET
〈フレームセット〉
標準価格:748,000円(税込)
サイズ展開は完成車と同じ
カラー:カーボン・クローム

(完成車・フレームセット共通)
※トップチューブストレージ、ハイドレーションキット、コンピューターマウント付属
※電動コンポーネント専用フレーム

◎GIANT公式サイト
https://www.giant-bicycles.com/jp

「乗っていて楽しい。その素晴らしさはダウンヒルで明確に」
(グスタフ・イデン)

2024年7月のチャレンジ・トゥルク・トライアスロン(フィンランド)に新型「Trinity Advanced SL」のプロトタイプを持ち込んで勝利したグスタフ・イデンは、「一番感じたのは、乗っていて楽しいということ。特にダウンヒルは、バイクの素晴らしさを明示する指標になります」とコメント。同年10月に開催されたKONA(アイアンマン世界選手権)でも、この新型Trinityを実戦投入している(=写真下)

© Kenta Onoguchi

フルモデルチェンジのキーワード❶
FULL-SPEED DYNAMICS

GIANTはディスクブレーキ化と、エアロダイナミクスを損なうことなくコントロール性を高めた設計の妙を、今回のモデルチェンジでの最も象徴的な改良点として挙げている。

新しいフロントフォークは、フォークレッグの底部がブレーキキャリパーと一体となるようにデザインされ、乱気流を低減させている。

さらに、最も硬く軽い最高級カーボン素材「Advanced SLグレードカーボン」をフレームとフォークに採用し、前モデルに比べ558gの軽量化と12.6%の重量剛性比向上を達成。

エアロ性能のみならず、登坂性能や加速性能も向上させることに成功し、あらゆる地形でスピードを維持できる性能を手に入れているという。

フルモデルチェンジのキーワード❷
ULTIMATE AERO EFFICIENCY

新型「Trinity Advanced SL」シリーズの各チューブ形状と接合部は、空気抵抗を最小化する緻密な形状に設計されている。GIANTはこれを「CFD解析と風洞実験を組み合わせた長年にわたる開発プロセスの集大成」としている。

重要な変更点のひとつは、ヘッドチューブ、ダウンチューブ、フォーク、シートポストが翼型形状になったこと。

また前述の通り、フォークのみならずフレームについてもブレーキキャリパーと一体的な形状を成してエアロ性能を究めたデザインとなっている。

ヘッドチューブなどフレームも随所にトランケイテッド・エリプス(翼型形状)を採用

フレーム形状から一体型のベントーボックスに至るまで、すべてが風洞実験とCFD解析の組み合わせで吟味され、空力性能面での最適化が図られている

フレーム専用設計の補給システムで
前作比5.9wのアドバンテージを実現

トライアスロンでの実用性の面で気になる補給システムは今様のフレーム専用設計のものに進化。

ハイドレーション(給水)システムは、前作までのレース中には差し替えが難しいエアロボトル・タイプから、エイドで取ったボトルからの給水も可能なタイプに進化。リザーバータンクはM・Lサイズで850ml、XS・Sサイズで700mlの水・ドリンクが入る。

また、トップチューブには大容量のベントーボックスが標準装備。これらの補給システムを装備することで総合的なエアロ性能をも向上させ、前モデル比5.9wのアドバンテージを実現しているという。

ベントーボックスは32gほどのエナジージェルを最大6個収納できるサイズ

フルモデルチェンジのキーワード❸
PERSONALIZED FIT

新型Trinityは、人それぞれの体格やポジションの好みに合わせた完璧なフィッテイングを実現すためのシステムについてもこだわっている。

シートポストのオフセットを前世代の3ポジションから4ポジションに拡張し、トータルで51mmの調整範囲を確保(前モデルは40mm)。

コックピットも完全に再設計され、アームレストの調整幅がさらに拡大。スタックの調整幅は前モデルの60mmから80mmに、リーチは同じく60mmから75mmに、左右アームレストパッドの調整は6ポジションから8ポジションに増え、アームレストの角度は0度、10度、15度の3段階に設定可能。さらにエクステンション幅の調整パターンも2パターンから4パターンに倍増している。

シンプルな構造で扱いやすく、アームレストやエクステンションバーの角度・幅などの細かな調整がきくコックピットまわり

これらのアップデートにより、ポジション・セッティングの選択肢は8,640通りに。これは前モデルの24倍にあたるというから、フィッテイングの幅がいかに大きく広がったかがうかがい知れる。

一方、調整システムはスペーサーと2本のボルトを用いたシンプルな構造で、簡単な作業で細やかな調整ができるようになっており、「速さ」だけでなくトライアスロンでの実用性・汎用性も高い注目モデルとなっている。

◎GIANT公式サイト
https://www.giant-bicycles.com/jp

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