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【4/12】アイアンマン台湾開エントリー受付中!  レース攻略完全ガイド vol.2

投稿日:2019年1月16日 更新日:


ルミナ編集部

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午後になればなるほど、風が強く吹き荒れた澎湖跨海大橋。宮古島の伊良部大橋と風の強さ、海の美しさなどは酷似しているが、こちらはアップダウンがほとんどなくフラット

日本から一番近いアイアンマン、台湾へGO!

アイアンマン台湾
4月12日(日)
SWIM3.8km/BIKE180.2km/RUN42.2km
▶2020年エントリーはコチラ

2016年に舞台を懇丁(ケンティン)から澎湖(ポンフー)に移したアイアンマン台湾。その年にライター今雄飛さんがレースに出場した模様をレポート。周辺情報も踏まえてレース出場の参考にしよう。
▶レース前にライター東海林さんが徹底取材したアイアンマン台湾完全ガイドVol.1はコチラ>>>Race Preview;

Race Review;
IRONMAN TAIWAN

海だけではないのが、澎湖の自然。ところどころに木陰が多く、風や暑さといった厳しい部分を和らげてくれる。いつかまた出たいと思わせてくれるニクい演出か

澎湖(ポンフー)、風満ちる島

知る人ぞ知るリゾートアイランドで初めて行われたアイアンマン台湾を出走リポートする。

文=今 雄飛
写真=播本明彦

島に吹く風は選手の助けになるか?

「澎湖(ポンフー)って風が強くて有名なところでしょ。ウインドサーファーに人気のスポットなんだよ」ウインドサーフィンも長らく撮り続けてきた同行のカメラマンが言う。裏付けのようにiPhoneアプリの天気予報では、見たことがない「強風」のマークが期間中ずっと表示されていた。

風をとらえるウインドサーファーにとっては恵みであっても、トライアスリートにとって風は、薬にも毒にもなる。しかし、降り立った澎湖の街は意外にも穏やか。もちろん台湾らしい蒸し暑さは感じたが、強風は感じなかった。

今回、アイアンマン台湾は台湾の西に位置するリゾートアイランド、澎湖に場所を移して開催された。知り合いの台湾人でさえ、「良いところらしいけど、台湾人でも行ったことがない人が多いと思うよ」と知る人ぞ知る島だという。

ただレースディレクターのレニー・リンさんによれば「宮古島に似ているから、日本の人はなじみやすいと思いますよ」という。確かに類似点は多い。クリアな水質も、島々をめぐるバイクコースも、競技場にフィニッシュするところも、そして熱のこもった応援も。宮古島を愛する彼がここを選んだのもうなずける。でもそこは台湾。

いくら似ていても、流れる景色は宮古島とは違う。はき慣れたランニングシューズで出張先を走るような、安心感がありつつもフレッシュな気持ちで走れる、そんな感じがした。

6人ずつが5秒間隔で海へ走るローリングスタートを採用。激しいバトルを回避できるほか、カメラを向けられ観客によってできた花道を行くため、スター気分も味わえる?

当日の朝も風はなく波も静かだった。台風が近づいている予報もあったし、風の島を警戒していた自分にとっては、少し肩透かしを食らった感じ。バトルの少ないローリングスタートだったことも加えて、気持ち的にも穏やかにスタートを切る。1周目の途中あたりで日が上ると、3m ほど下の海底まではっきりと見える。これは気持ちがいい。

2周目でも続々現れる「平泳ぎ」の多さには少し参ったが、変にバトルを仕掛けてこない台湾のトライアスリートのクリーンさに感動しつつ、スイムを終えた。

「加油(ジャーヨー)、加油!」熱のこもった声援を耳にしながらバイクコースへ。しばらくは島の西側の、のんびりとした住宅地と牧場が広がるルートを進む。交通規制はされていないが、ドライバーの自転車に対する理解と広い自転車専用レーンにより、トランジション後の混雑した時間帯もスムーズに走れる。点在する住宅街を通り、橋と島を巡る3周回のコースヘ。

交通規制もなく、地元の一般生活にできるだけ支障をきたさない運営体制のため、レース中に地元の生活とクロスオーバーすることも。のんびりした生活の中を行くバイクもまた楽し

周回コースのクライマックスは島のシンボル、澎湖跨海大橋。青い海が眼前に迫る景色はすこぶる気持ちを高めてくれたが、まだ1周目。景色を眺める余裕もあった。

行きはいいけど帰りは辛い、北からの風が強くなってきた。サイクリングロードでよくあるあれだ。だんだん辛い気持ちが身体の奥から持ち上がってくる。さらに暑さ。気温は30℃近くまで上がっているようだ。3周目の大橋では、強烈な向かい風に吹かれ、時速22㎞まで落ち込むほど。

暑さのため、バイクでDNFとなる参加者も多かった当日。初開催のため、エイドに氷がないなどのトラブルもあったが、それもレース後半には解消されていた

緩いといわれたアップダウンも脚にこたえ始めていた。完全に練習不足。そんな状態でレースに出場している自分を呪いながら、励ましながら、トランジションでゆっくり休んでランニングをスタートした。

レース後の喪失感は何で埋める? 変わらず暑い。日が暮れるまでの10㎞ちょっとはほとんど走れないまま。20㎞過ぎぐらいからようやく走り始めることができた。それからはあまり覚えていない。飲み水をかぶって、ストレッチを繰り返すだけ。辛い・辛くない、不快・快適の時間帯が、風見鶏のようにくるくるとめぐってくる。

遠くからも見える赤い屋根のシェラトンホテルを目指して、ようやくたどり着いた競技場。「暑い中お疲れ様」という達成感と「こんなに時間がかかってしまった」という敗北感が入り混じる。ただしフィニッシュ後のビールはいつでも美味い!

ただ、夜空に競技場の明かりが見え、レースMCの声が聞こえてきたとき、ようやく完走できるんだ、と感じることができた。特にロングのレースは1000人ほどの人間による共同生活をしている気持ちになる。同じ期間に訪れて、レースをしてご飯を食べて。わずか4〜5日ほどでしかないが、濃密な時間にどっぷり浸る。

濃密だから、終わりが寂しい。澎湖を発つときもそうだったが、今はもっと大きな喪失感がある。これの喪失感を埋められるのはトライアスロンしかないんだろう。トレーニングで埋めて、埋め切れないところはレースで埋める。さて、次はどのレースに出ようかな? 当分やめられそうにない。

Swim


6人ずつのローリングスタートでストレスなく泳げる ※スイムコースは2016年当時と2019年では変更しているがローリングスタートは分からない

Bike


バイクコースは基本的にフラットではあるが、獲得標高は1100m超。じんわりと脚に来る走りごたえのあるコースと言える。ランも同様。細かいが繰り返し出現するアップダウン、そして気温の高さが参加者を苦しめた

Run


天然の良港である澎湖湾内を臨むランコース。バイクコースと共通の部分も多いが、気温も違えば時間も違う。全く新鮮な気持ちですれ違う人と声を交わしながら走る

Other Cut

落ち着いた雰囲気が一切ない台湾のお寺により異国情緒が盛り上げる。日差しを少しさえぎってくれ、脚の痛みを鎮めてくれなど、私の無理なお願いは当然叶えられず

半日以上をともにした腕時計をモチーフにしたゼッケンは、この日を思い出す記念品に

レース前後のパーティは両方とも円卓を囲む台湾式フルコースで。シーフードが抜群に美味かった

※レポート部分は『Triathlon Lumina』2017年1月号より転載

アイアンマン台湾
4月12日(日)
SWIM3.8km/BIKE180.2km/RUN42.2km
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