日本初!誰でも利用可能な風洞施設「FUJI AERO PERFORMANCE CENTER」オープン<静岡・沼津>

投稿日:2023年1月27日 更新日:


ルミナ編集部

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FUJI AERO PERFORMANCE CENTER

誰でも手軽に「風洞の民主化」を実現

コンパクト風洞試験システム「Aero Optim」を手掛ける株式会社日本風洞製作所は、株式会社ニシヤマとの協同により、静岡県沼津市に、「Aero Optim」シリーズを用いた「風洞試験センター」(FUJI AERO PERFORMANCE CENTER)を設立した。

「FUJI AERO PERFORMANCE CENTER」は、Aero Optimを通じた「風洞の民主化」「誰でも気軽に風洞実験ができる世の中」を実現、トライアスリートなら誰しも気になる風洞実験が個人でも受けられるようになった。

FUJI AERO PERFORMANCE CENTER

すでに施設で測定した岸本新菜選手(写真・右)と戸原開人選手(写真・左)のサインも

1月26日(木)に行われた開所式に先駆け、オリンピアンの岸本新菜選手や、日本ロング界をけん引する戸原開人選手が体験し、「感覚でやっていたことが、数値化されることで今までのトレーニングの裏付けができた」と話していたそうだ。

また、FUJI AERO PERFORMANCE CENTERは、2カ年でKONA(アイアンマン世界選手権)を目指す挑戦企画「KONAチャレンジ」もサポートしている。プロジェクトリーダーの竹谷賢二さんが実際にこちらの施設で風洞実験する様子は次号(『TriathlonLumina#88』2023年4月号)に掲載予定。

FUJI AERO PERFORMANCE CENTER

開所式でのテープカット

きっかけは大学へのジテツウ

大学生時代に企業した社長のローン・ジョシュア氏(日本風洞製作所)は、

「大学当時、私は自転車で5㎞の通学をしていました。1秒でも長く寝たうえで、短時間で大学に着くために、自分で開発した風洞試験装置で試験・検証を重ねました。入学時25分かかっていたのが、最速で7分で切るまでになりました。その過程で風洞の効果の高さ、便利さ、楽しさを体感しました。

しかしあるとき、トップ選手ですら風洞をめったに使えないことを知りました。ましてやアマチュアの選手ではとても使えないほどコストが高いことを知り、衝撃を受けました。従来的な風洞施設だと小さいものでも全長30m、建設には十数億円の資金を要します。一部の企業や研究機関だけが保有できる高嶺の花のような存在でした。

FUJI AERO PERFORMANCE CENTER

70mのキューブ型Aero Optim(写真は70cmキューブ×12)

そこで、風洞施設をプロはもちろん、誰でも使える気軽にそして手軽なものにしたいという想いをもった技術者が集まり、誕生したのが日本風洞製作所、そして全長わずか1.4mのAero Optimでした。

2017年当初は自転車専門でしたが、自動車やドローンなどの各業界からの大きな反響を受け、今の70cmのキューブ型に進化しました。今回のオープンは、私たち関係者一同の夢の実現、コンパクト風洞で『風洞の民主化』を実現する施設です」と挨拶した。

FUJI AERO PERFORMANCE CENTER

日本風洞製作所社長、ローン・ジョシュア氏

ポジション、バイク装備、ギアなど細かく測定可能

自転車専用の風洞施設では、プロサイクリストの草場啓吾選手(愛三工業レーシングチーム所属)がデモンストレーションを行った。3つの姿勢でどれだけ空気抵抗に差があるかをその場で測定。後輪が回る設計なので、実走と同じ条件で測定ができ、その場ですぐに結果が表示される。

ヘルメットを変えて、サイクルコンピューターの角度を変えて、ボトルを1本差すか、2本差すか……など細かい違いを数値化できる。ポジションやギアを試す場合、だいたい30秒程度で風速が安定するので、短時間で何度も繰り返し試すことも可能だ。

FUJI AERO PERFORMANCE CENTER

プロサイクリスト・草場啓吾選手によるデモンストレーション

気になるのは、実験のデータを自分で読み解くことができるのか、それをトレーニングに生かせるのか、という点だろう。

ローン社長によると、
「経験豊富なエンジニア2名が常駐します。その場で試験のオペレーションをしながら、コメントだったり、ちょっとしたアドバスはワンパッケージで行います。

風洞の結果シートは数字の羅列になりますので、単純に結果シートをお渡しするだけだとただのオペレーターになってしまいますが、風洞を設計できるレベルのエンジニアを配属して、しっかりサポートさせていただきます。

また、より細かく深い解析や分析を受けられるオプションを設ける予定です」

FUJI AERO PERFORMANCE CENTER

ヘルメットだけ、などギアのみの実験も

また、常駐のエンジニアからの空力的な専門知識に加え、アスリート向けのアドバイスについては、今後コーチングを専門にしている企業とも協力して、よりスポーツ向けのアドバイスもできるようにしていく予定もある。動画撮影やモーションキャプチャーなども視野に入れているそうだ。

もちろん、コーチやアドバイザーがいるなら、一緒に行ってその場でトレーニングについて相談するのもOKだ。

その点も踏まえて、次号ではトライアスリートが風洞実験の結果をどう読み解けばいいのか、またそれをどうトレーニングやレースに生かせばいいのか、そのヒントを得られるはず。

2月中旬に公式ホームページがオープンし予約を開始、3月中旬に正式オープン、一般利用開始となっている。

FUJI AERO PERFORMANCE CENTER

【自転車】個人利用:40,000円/1時間、法人利用:70,000円/1時間
【自動車・ドローン】個人利用:70,000円/1時間、法人利用70,000円/1時間

富士エアロパフォーマンスセンター
〒410-0872
静岡県沼津市小諏訪938-1
TEL:055-943-5437

《試験設備》
​・自動車用コンパクト風洞試験システムAero Optim×SLIM BALANCE
・自転車用コンパクト風洞試験システム
・他、従来型の小型風洞試験装置(校正用風洞、極低騒音風洞等)を随時配備予定

詳細>>https://japanfudo.com/news/20221017/
※ホームページオープン、予約受付など決まり次第公開予定。

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