COREではじめる、暑熱順化トレーニング
話題の深部温度モニタリングセンサー「CORE」
ビギナー大歓迎の超・入門編!
暑~い日々が続く、この夏、にっぽんのトライアスリートの間でも話題の深部温度モニタリングセンサー「CORE」。
世界のトップトライアスリートの間では、トレンドからスタンダード化しつつある最新デバイスだが、ビギナーや完走目標のお楽しみ派トライアスリートにとっても、十分に導入メリットがある。
自身宮古島大会準優勝などの戦績を上げているロングのトップ選手で、指導者としても絶大な人気を誇るマイマイこと太田麻衣子コーチに、シンプル&簡単にできる、測るだけ深部温度管理・暑熱順化のコツを訊いた。
写真=武智佑真
CORE
カラダの深部温度がわかるモニタリングセンサー。心拍計のセンサーストラップなどに簡単に付けられて、ガーミンなどのマルチスポーツウォッチに深部温度を表示させて、リアルタイムでモニタリングできる。専用アプリを活用すれば、スマホでも簡単に深部温度をリアルタイム表示させたり、各種の過去データをチェックすることができる。価格37,400円(税込)。
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太田麻衣子 Maiko Ota
トライアスロンチーム・ラプレム代表。
大学からトライアスロンを始めて日本選手権8位、U23世界選手権代表などエリート選手として活躍。コーチ転身後はミドル~ロングにも出場し、2022年に念願のアイアンマン世界選手権(KONA)初出場。今年6月のIMケアンズでは2度目のKONA出場を決めている。
体重計ダイエットみたいに
「測るだけ」でも意味がある
太田麻衣子 私がCOREを使い始めたのは昨年の佐渡大会。外気温も高かったので、ランに入ってから深部温度がずっと39℃台で、最後の5㎞くらいは39.4℃まで上昇(下のグラフ)。フィニッシュ後も30分ぐらい下がらなかったです。
これは心拍数と同様、自分の限界やコンデションを把握する指標として継続してとってみたいなと思って、それ以来日常的に使っています。
厳密なヒートランプテストなどはやっていませんが、練習やレース、日常生活で深部温度をとって、観察してみるだけでもいろいろ見えてきます。
例えば私の場合、深部温度40℃までは上がったことがなく、MAX39.6℃くらいまで。38℃台だと体感的にはそんなに暑くなくて、38.5℃くらいまでなら苦ではなく、よく身体が動く――。
マメにデータを取ると、こうした自分の特性が見えてきます。まわりのCOREユーザーと比べても個人差が大きいので、自分でとる意味がある。
指導しているエイジの方には、まず練習やレースでのオーバーペースを防ぐ指標として、心拍と併せてモニタリングすることを勧めています。
頑張り過ぎて、それこそ深部温度40℃超で練習したら、その後のダメージも大きくなっちゃうので、身体を壊さないためにCOREをつけてチェックしましょうと勧めていますね。
当然、これはレースでのペーシングにも使えます。
私は、それほど厳密にヒートトレーニングを実践しているわけではないですが、日々、深部温度をモニタリングするだけでも、これだけ得られるものや、新たな気づきがあるので、こういうデバイスやデータを活用するのがあまり得意じゃないという人にも、「まずは使ってみて!」とオススメできます。
体重計ダイエットじゃないですけれど、まずは日常的にデータをとって、自分の特性や状態を把握するだけでも、十分、意味があると思いますよ。
●CORE活用フロー
超入門編
やること
❶練習や日常生活で測って
自分の特性・個性を知る
⇒深部温度がどのくらいか知る。
体調との関連もチェックしよう。
❷練習やレースで
どう変化・推移するか知る
⇒運動強度や外気温・湿度など外的な要因で、深部温度がどう変化するか。
❸キツくなる深部温度を確認
⇒パフォーマンスが落ち始める深部温度も大体把握。それより-0.5℃くらいで練習してみるのが、暑熱順化トレーニング、はじめの一歩。
期待できるメリット&できること
❶暑さに慣れ・強くなる!
❷レースでのペーシング
❸体調・コンディション管理
❹パフォーマンスUP!
●実際、どう測って
チェックしてる?
レースでは心拍センサー胸ベルトに
COREは、心拍センサーを付ける胸ベルトに挟み込むようにして装着するのが一般的な方法で、心拍センサー同様、体幹に近い個所に着けたほうがより正確に計測できる。トライアスロンのレース中でも外れないよう専用の固定クリップも付属している。太田さんもレースでは、そのように胸ベルトに着けてデータをとっている(※下の写真は宮古島大会のときのもの)
ガーミンでは心拍&深部温度を確認
ランではガーミンのウォッチフェイスの表示を「心拍/深部温度」の2分割にして、これを見ながら走る。
レース中、ランでは、この2項目だけを参考にして、ペーシングの指標とする。通常、心拍を上げると深部温度も上がるが、心拍を上げても深部温度があまり上がらないケースもあり、ふたつの情報があるとペーシングしやすい。
サイコンにも表示させてチェック
バイクのサイコンにもパワーや心拍数、スピードなどの諸指標に加えて深部温度を表示項目に設定してチェック。
最近は指導しているトライアスリートの中にもCORE活用者が増えてきたので、バイクライドをともにしている際、心拍と深部温度をモニタリングしてもらい、オーバーペースにならないように(自分の適正範囲を超えて無理をしていないか)注意喚起することもあるという。