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【宮古島2024】前回王者・寺澤がプレッシャーはねのけ連覇

投稿日:2024年4月15日 更新日:


ルミナ編集部

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前回大会に続き、得意のスイムをトップで上がった寺澤

第38回 宮古島トライアスロン
速報〈男子〉

写真=小野口健太

連覇でストロングマンの
新たな一枚看板となった寺澤

全日本トライアスロン宮古島大会(4月14日 スイム3km/バイク123km/ラン35km)男子総合のタイトル争いを制したのは、前回大会でロング転向後、初参戦にして初優勝を果たした寺澤光介。

昨年に比べスイムコースの仕様が大きく変わり、一斉スタートが復活した今回のレース、スイムを得意とする寺澤は、やや強い潮流の影響を受けたラフなコースコンディションで、その強みを生かし、ショートからの転向組で、同じくスイム得意の新田城二らとともに数名に絞られた先頭パックで後続を引き離し、バイク序盤から独走態勢に持ち込むことに成功。

ランスタート時点で2位まで追い上げてきた星大樹(昨年の佐渡Aタイプ王者)以下後続との間に15分以上のセーフティーリードを確保し、危なげのない横綱相撲で連覇を達成した。

救護態勢の強化などを狙ったスイムコース改変とあわせ、一斉スタートも復活

もうひとりのIRONMANプロライセンス保持者で、宮古島でも3勝を上げている実力者、戸原開人不在の中、連覇のプレッシャーを一身に受けてのレースとなったが、その新たなプレッシャーも乗り越え、確実に勝ち切った寺澤。

ここでさらに大きな自信を得て、今季の重要なミッションであるパリ・パラリンピックでのメダル獲得(東京パラ銅・米岡聡のガイド)、自身の主戦場たるアイアンマン・シリーズでの世界挑戦につなげていくことができるか。

日本から世界へ挑むロングの登竜門「ストロングマン」の新しい顔となった王者の今後のさらなる躍進に期待したい。

課題残したレースも
連覇のうれしさは別物

寺澤光介 連覇できて、ホッとしています。自分のレースに集中して、自分の限界に挑戦しよう・・・と思っていましたが、レース前日、寝つきが良くなかったり、やっぱり自分なりに連覇を期待されていたという自覚はあったので、その部分のプレッシャーは感じていたんだなと、思いました。普段はレース前に眠れないなんていうことは、あまりないんですけど(苦笑)。

――スイムもバイクも昨年よりタイムを縮めて、自分超えできましたか?

(合計タイム速報を聞いて)あー、そうですか・・・。昨年の自分を超えられたか、ちょっと微妙ですね。昨年は総合タイム6時間4分で、今回ランが5km延びたので、そのランをキロ4分ペースで刻んだとしても、プラス20分くらいですから・・・そう考えると、自分的には課題の残ったレースでしたね。

積極的なレースはできたと思うんですけれども、バイクとランでうまくいかなかったこともありますし、もう少し速くゴールしたかったかなという想いはあります。

新田(城二)選手(スイム2位、総合3位)がスイムの速い選手ということは知っていたので、2周目に(先頭集団に)残った選手同士で協調して先頭交代をしながら、自分もバイクに力を残しつつ良いタイムで上がる、というのを意識して泳ぎました。

――昨年大会と違いを感じた点は?

昨年より暑く感じましたし、ランコースもただ35kmに延びたというよりも、元に(近いルートに)戻った、今年のコースのほうがキツかったなと思いました。

――連覇を確信できたのはいつですか?

ランに入って、後続と十分以上差があると知って、そこで優勝は意識しましたし、そこからどこまでできるか、自分のレースに集中できたと思います。

ランに入ったときに、脱水じゃないですけれど、少しいつもと違うカラダの異変を感じて、やばいなと。いつもはバイクが終わってランに移るときは「よし行くぞ!」と思えるんですが。最後のほうも少し手にしびれを感じているくらい、ギリギリでした。

連覇できたことで、昨年の優勝とは少し違ううれしさもあります。

ランで身体のコンディションに違和感を覚えつつも、バイクまでに得た15分超のリードを生かして危なげなく勝ち切った

――来年に向けて、こんどは「3連覇」も期待されると思いますが。

もちろん3連覇はしたいんですけれども、今年、パリオリンピックが終わり、今、ショートで戦っている選手たちでロングにも興味をもっている選手たちがいるので、彼らがガッと入ってくると、ちょっとやばいです(苦笑)。

ちょっとずつでも、ショートで頑張っている選手がロングにも興味をもってくれるのは、日本のロング全体を考えると、すごく良いことではあるんですが(個人としては)メチャメチャ怖いです(笑)。

よく「2回優勝したら本物」と言われるじゃないですか。だから連覇できたことはよかったんですけれど、3勝以上は(宮塚英也さんや戸原開人選手ら)「レジェンド」と呼ばれるクラスの選手ばかりで、ハードルが高いですね。

今回も沿道に宮塚さんの姿を見ると、ハッっとして、もうこんな感じ(お辞儀するようなしぐさ)でした。

――日体大トライアスロン部時代の同期、小田倉真選手(東京五輪代表・2022ロング日本選手権優勝)と宮古島で直接対決なんていうのも期待してしまいます。

小田倉はロングには向いていると思います。怖くもありますが、楽しみでもありますね。

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Result
男子総合上位

順位 氏名 (年齢) 総合タイム
1 寺澤光介 (30) 6:25:04
2 山岸穂高(26) 6:42:31
3 新田城二(30) 6:44:00
4 大倉拓也 (30) 6:44:31
5 土田洋平 (44) 6:49:51
6 前田能宜 (25) 6:52:13
7 星 大樹 (35) 6:52:49
8 OH SANGWHAN (50) 6:53:37
9 梅田祐輝(39) 6:59:28
10 細田雄一 (39) 7:04:11

ランで追い上げ2位に入った山岸穂高。今回、寺澤には大きく水をあけられているが、今後ロングでプロ化を目指しているひとり

 

 

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