トライアスリート待望。SPEEDPLAYパワーメーター
POWERLINK ZERO by Wahoo
この2月に発売されたスピードプレイのペダル型パワーメーターは、なぜ、トライアスリートにこれほど待ち望まれていたのか?
スピードプレイを30年近く愛用してきた大西祥司さん(メイストーム)に、「パワーリンク・ゼロ」への期待、ファーストインプレッションを訊いた
トライアスリートが支持する
フィッティングのしやすさ
キャンディーのような唯一無二の形状と独自のビンディングシステムでトライアスリート、サイクリストの間でもファンが多いスピードプレイのペダル。そんなスピードプレイユーザー待望のペダル一体型パワーメーター「パワーリンクゼロ」がついに登場する。
トライアスロンショップ「メイストーム」の大西祥司代表は、30年近くスピードプレイを愛用するヘビーユーザーだ。「1993年のインターバイクで初めて見て興味をもち、翌年からずっと使っています。ペダル両面でクリートをキャッチできること、フィッティングの調整幅が広いことが大きなメリットです」(大西さん以下同)。
クリートはベースプレートを前後に、クリート本体を左右に動かす二層構造で広い調整幅を実現。またクリート側面の2本のネジを動かすことで足首の遊びやリリース角を左右別々に調整でき、ヒザ痛を抱えるトライアスリートにも歓迎されている。このようにユーザーそれぞれにカスタムして調整できるのが、大西さんが推す理由だ。
「当時のビンディングシューズは足の指が長い欧米人向けに作られているものが多く、ネジ穴の位置調整もできなかったので、日本人だとクリート位置を母指球に合わせるのが難しかった。調整幅の大きいスピードプレイならそれが可能で、フィッターとしてもお客さんのポジションを出しやすい。特にトライアスロンは3種目練習しなければならないのでフィッティングにもあまり多くの時間をかけたくない。そういう意味でスピードプレイを支持するトライアスリートは多いと思います」
実戦においても、確かな優位性がある。プラットフォームと呼ばれるソールとクリートの接地面積は他の主要ブランドより最大25%大きく、ライダーのパワーをよりドライブトレインに伝えやすくなっている。
「重量も軽いし、スタックハイトと呼ばれるペダル軸とシューズのソールの距離が近く、ペダリングのダイレクト感が高いのはレースでも強みになる」さらに、ペダルが薄いことは、コーナリングでバイクを倒したときにより深く倒せることにもなる。
「クリートの入れ方がつま先からではなく真上からなので最初は戸惑う人もいますが、慣れてしまえばその良さに気づくと思います。一度はまるとやめられないペダルです」
ペダル一体型ゆえのパワーデータの一貫性
2019年にはワフー(Wahoo)が、スピードプレイを買収。昨年のリニューアルではシールドベアリングが採用され、メンテナンスフリーになったこともユーザーには朗報だった。そして、パワートレーニングのスペシャリストであるワフーとの融合の集大成として、ついに「パワーリンクゼロ」が誕生した。
ペダル型パワーメーター(以下、パワーペダル)はルックのクリートに対応するものが多く、近年はシマノSPD-SL対応のものも登場してきた。その中で、スピードプレイ対応のパワーペダルは大西さんを始めユーザーが待ち望んでいたものだった。
「満を持しての登場で、スピードプレイを使い続けていてよかった(笑)。ペダルが厚くなってスタックハイトが13㎜と3㎜高くなったのは少し気になったけれど、ステップインは違和感ない。バッテリーが充電式なのもユーザーフレンドリーです」バッテリーはフル充電で75時間持続する。これはパワーペダルの中では最長で、練習ライドなら10回に1回ぐらいの充電で事足りるだろう。
パワーメーターの精度はプラスマイナス1%で、もちろん左右バランスも計測できる。また片側138g (クリート込みで280g )と他ブランドのパワーペダルよりも軽量なのもメリットだ。パワーメーターと言うと今まではクランクタイプが主流だったが、ペダル型ならではのメリットは大きい。
「自転車を2台以上持っている人なら、ペダルを付け替えるだけでパワーメーターが使えます。チェーンリングの歯数変更や楕円チェーンリングに交換する場合でも、問題ない。また、インドアトレーニングをする人が増えていますが、スマートローラーやZWIFTなどのバーチャルトレーニングと、外で走るときとの数値の違いを感じる人は多い。しかし、パワーペダルならあらゆる練習環境で一貫性のあるデータがとれるのは大きいですね」
機材、テクノロジー、最先端のトレーニングに高い関心をもつワフープロダクツのファン、いわゆる「ワフーリガン」のシューズも心も「パワーリンクゼロ」はがっちりとつかむだろう。
ヒザや足首への負担が軽い、フリーフロートがお気に入り
Kenji Nener
東京では国内勢トップの14位、パリ戦線でも日本の主戦力として活躍するニナー賢治。ワフーリガンの彼に愛用するスピードプレイについて訊いた。
Q スピードプレイの良さは?
スピードプレイのいいところはフリーフロートで足が固定され過ぎないところ。通常はペダルとの接点がガッチリ固定されてしまうけれど、スピードプレイは身体の動きに合わせて動いてくれるから、ヒザや足首にかかる負担が少なく、その分故障のリスクも低減されます。バイクへの取り付けも楽なので1セット持っていればロードからTTバイクに付け替えるのも簡単です。
Q 他に愛用しているWahoo製品は?
インドアトレーナーのKICKRとサイクルコンピュータ、そしてウォッチ。ウォッチで特に僕がいいと思うのがトラックランニングモード。通常のGPSウォッチだとトラック1周をGPS計測してしまって正確な数値が出ないのだけど、ワフーは1周400mにあらかじめ設定してあるのでトラックセッションでの正確な周回タイムがとれます。
POWRLINK ZERO
パワーリンク・ゼロ
■重量:片側138g
■充電バッテリーライフ:75時間
■価格(税込):
両側パワーペダル 124,300円
片側(左側のみ)パワーペダル 79,200円
◎Wahoo公式サイト
SPEEDPLAY詳細ページ
◎Wahoo正規代理店公式サイト
https://brand.intertecinc.co.jp/wahoo/