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高橋侑子が欧州で実践する暑熱順化トレーニングとは?

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ルミナ編集部

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CORE takahashiyuko

今シーズンからCORE2を使っている高橋選手。ヒートトレーニングの深部体温管理が格段に正確・ラクになった ©Kenta Onoguchi

パフォーマンスUPを狙う暑熱順化トレーニング

Heat Training by CORE Bodytemp

東京・パリ両五輪で日本代表女子のエースとして孤軍奮闘した高橋侑子選手。パウロ・ソウザコーチのチーム「ザ・トライアスロン・スクワッド」(TTS)で、世界のトップトライアスリートたちと切磋琢磨している。最近チームで取り入れている「ヒートトレーニング」について訊いた。

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© Kenta Onoguchi

Yuko Takahashi
学生時代は日本学生選手権4連覇、世界大学選手権優勝など好成績を収める。2017年から海外チームに所属、拠点をヨーロッパに置く。2018年アジア選手権で個人・リレーともに金メダル、初出場の東京五輪は個人18位、ミックスリレー13位、パリ五輪では40位。相互物産(株)所属。1991年8月、東京生まれ。

週3〜4回から始めてシーズン中も継続的に実施

――最近チームでヒートトレーニングを行っているようですが、どんなことを意識して取り組んでいますか?

ヒートトレーニングはパウロが新しい強化方法を研究している中で、取り入れるようになったんですが、いわゆる「暑さ慣れ」、暑熱対策だけでなく、パフォーマンスが向上する効果を狙って行っています。

ヒートトレーニングは暑熱負荷を利用するので、ほかのトレーニングと違って、追い込み過ぎず(故障のリスクも少ない)中強度でパフォーマンスUPを狙えるという点も、効率が良く、パウロの指導方針に合っているのかもしれません。

ヒートトレーニングとは?
適正なトレーニングゾーンまで深部体温を上げて、一定時間運動する(熱ストレスを与える)と、体温を下げるために血中の血漿量が増え、血中成分のバランスが崩れる。この乱れを整えるためにカラダはヘモグロビンを生成する――。この暑熱順化のメカニズムを利用して、パフォーマンスの向上を図るのがヒートトレーニングだ。

冬はポルトガルやスペインにいるので、ヨーロッパの中ではそれほど寒くないこともあり、暖房で室温を上げるのではなく、ダウンジャケットやサウナスーツなどのアウターウエアを着てトレーニングしています。強度はFTP(※)の50%くらい。

冬場など外気温の低い環境で深部体温が上がりにくいときは、運動強度ではなく暖房や厚手のアウター等で調節するのがポイント

時間はトータル1時間で、最初の10分はアウターを着こまないでアップを行い、そこから50分、アウターを着て最終的に深部体温を38.5℃まで上げてキープします。ヒートトレーニングの前に別のトレーニングを行っている場合は、ウォームアップができているので、アップはカットして50分のヒートトレーニングに入ります。

深部体温がなかなか上がらない場合は、強度を上げるのではなく、さらに着込むことで上げていきます。私の場合、最初は38.5℃まで上がるのに30分くらいかかりました。

頻度は、最初に身体が暑さに適応する(暑さに慣れる)までは週に3〜4回ペースで2週間続けます。基本的な暑熱順化ができたら、あとは5日に1回くらいのペースで熱負荷をかけてパフォーマンスを高めることを狙ったトレーニングとして続けています。

COREを活用すれば、専用アプリ(写真)やガーミンなどのトレーニングアプリ上で暑熱順
化の進捗がわかるスコアや暑熱負荷を明確に把握できる

シーズン中も継続していますし、高地トレーニング中でも行います。最近COREを使用するようになったので、表面体温と深部温度の把握が楽になりましたが、それまでは10分ごとに口にくわえるタイプの体温計で検温していたのでなかなか大変でした。

COREを使うと、細かい体温・深部温度の変化が見えるので、ヒートトレーニングをより的確に、狙ったゾーンで行うことができます。

高地トレーニングもヘモグロビンを増やす効果があるので、パフォーマンス向上がヒートトレーニングによるのか、高地トレーニングによるものなのか明確にはわかりませんが、ヘモグロビンが増加するメカニズムはそれぞれ違うらしいので、パフォーマンスにどんな変化が生まれるのか楽しみです。

もちろん夏の暑い大会でも身体が暑熱順化していることが生きてくるでしょうし、ヒートトレーニングで体温を管理しながら走ることに慣れてきているので、オーバーヒートにならないよう、的確なレース運びができると思います。

※FTP(Functional Threshold Power:機能的作業閾値パワー)約1時間継続できる最大の平均パワー(W)。トレーニングの進捗を把握する際のパフォーマンス指標として、またトレーニングの負荷レベルを設定する際の基準として一般的に使われている。

小型化&使いやすい最新モデル
CORE2

カラダの深部温度がわかるモニタリングセンサー。心拍センサーの胸ストラップや専用の腕ストラップに装着すれば、ガーミンなどのマルチスポーツウォッチに深部温度を表示させて、リアルタイムでモニタリングできる。小型・軽量化された最新モデル「CORE2」はストラップへの固定方法が、ベルトを通したホルダーに本体をはめ込む仕様となり、使いやすさも耐久性もUP。価格 48,400 円(税込)

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