※前回の【旅烏の「徒然グサッ!」〈7〉暑い日や雨の日は、ヴァーチャルな景色と一体化する。】はこちら
旅烏の「徒然グサッ!」〈8〉
Lumina誌面でおなじみの「旅烏」こと作家でトライアスリートの謝 孝浩さんが、日々のトライアスロンライフで心にグサッときたことを書き綴るショートエッセイ
『ヌーが見た空』の舞台を訪ねる scene#05
真野湾に浮かぶ桟橋
佐渡国際トライアスロン大会まで、あと1週間と迫った。独特の文化を育み、自然が息づく佐渡島を舞台に、トライアスリートたちの熱い1日が展開されることだろう。
佐渡島の中央部西側に広がる真野湾に面した佐和田海岸。約4キロの海岸のほぼ真ん中付近に桟橋がある。この桟橋の横から佐渡大会は、スイムスタートする。
最近は、2キロのコースが設定されていて、佐渡島を半周するミドルタイプの佐渡Bや日本選手権は、1周回。佐渡島をほぼ1周するロングタイプの佐渡Aは、2周回する。
スイムアップして、トランジションを経て、バイクコースは佐和田海岸をしばらく北上した後、タイプ別にコースが分かれるのだが、1キロほど北上した海岸沿いに松林に囲まれたキャンプ地がある。
キャンプ地からは、バイクコースとなる道路を挟んで、真野湾を見晴らすことができる。長年、このキャンプ地に宿泊して、レースに参加する選手もいる。
このキャンプ地に宿泊したことから、小説『ヌーが見た空』の登場する人物たちの縁が結ばれていく。
そしてまた、スタート地点となる真野湾に浮かぶ「あの桟橋」で、登場人物たちが起こした童心に戻ったような酔狂な行動。忘れがたい思い出とともに、それぞれの心の中に刻まれていくのだ。
※次回の【旅烏の「徒然グサッ!」〈9〉ブエルタのステージを体感】はこちら
●小説『ヌーが見た空』スマホ版 発売中!
http://triathlon-lumina.com/lumina/backnumber_e.html#luminabooks
■著者プロフィール
謝 孝浩 (しゃ・たかひろ)
1962年長野県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。 在学中には探検部に所属しパキスタン、スリランカ、 ネパールなどに遠征する。卒業後は秘境専門の旅行会社に就職し、添乗員としてアジア、アフリカ、南米など世界各地を巡る。2年で退職し、5カ月間ヒマラヤ 周辺を放浪。帰国後はPR誌、旅行雑誌、自然派雑誌などに寄稿するようになる。現在は、トライアスロン雑誌での大会実走ルポなどを通じて日本にも目を向けるようになり、各地を行脚している。著書にルポ『スピティの谷へ』(新潮社)、小説『藍の空、雪の島』(スイッチ・パブリッシング)など。http://www.t3.rim.or.jp/~sha/