連載「達人たちの持ち物リスト」
file.04 宮塚英也さん
ショートでこそ積極的に「フロント・ハイドレーションシステム」を使う
ハイドレーションシステムの中でも私がイチ押しなのが、エアロバーの間にセットして、ストローで水分補給するタイプのハイドレーションシステムです。
今ではロングのレースに出場する多くの選手で、このタイプのハイドレーションシステムを見かけるようになりました。
ロングのレースではバイクの距離が長く、バイクに乗っている時間も長いので、少しでも多くの水やスポーツドリンクを携帯したいので、フレームのダウンチューブ、シートチューブ、そしてサドルの後ろにも、それでも足りなければエアロバーの間に……となりがちですが、実はもっと積極的にエアロバーの所に付けても良いのです。
自分自身も、以前はエアロバーの間にハイドレーションシステムを使うことはありませんでしたが、一度使ってみたら「なんて便利なんだ」「もっと早くから使えば良かった」と思ったものです。
それまで当たり前のように行っていた「ダウンチューブ、シートチューブに付いたボトルを右手でボトルゲージから引き抜いて、ボトルの飲み口を歯で引っ張り、ボトルを絞りながら水分補給……」というこの一連の動作が、意外と面倒で無駄な労力だったことに気付きました。
目の前にあるハイドレーションから伸びたストローを吸うだけで、水分補給ができるのです。これこそ少ない投資で、エネルギーの節約になります。
40kmのバイクパートでも、約1時間走りに集中できる
しかし、ロングのレースではよく見かけるエアロバーの間に取り付けたハイドレーションシステムも、ショートのレースで付けているトライアスリートはあまり多くは見かけません。
ロングのレースであれば、長時間同じ姿勢で疲れるので、気分転換でフレームに付いたボトルを取るのも有りですが、ショートのレースは1時間ちょっとでバイクパートが終わってしまいます。
走りに集中するためにも、エアロバーの間に付けたハイドレーションシステムは役立ちます。そんなわけで私的には、ショートに出る人ほど、もっと積極的にエアロバーの間に付けたハイドレーションを活用してみたら良いと思うのですが、いかがでしょう。
ちなみに、一般のトライアスリートがショートに使うフロント・ハイドレーションとしては、プロファイルデザインの「アクアライト」がベストチョイスです。容量が約650mlあります。
もし、それでは容量が足りない人であれば「エアロHCシステム」がいいでしょう。こちらは容量が約828mlあります。LM
■著者プロフィール
宮塚英也(みやづか・ひでや)
切れ味のあるバイク→ランを武器に、日本人で唯一アイアンマン・ハワイのトップ10入りを2度果たした元トッププロ。那須塩原市で「ハイディア トライアスロン&バイク」を営む傍ら、後進のエリート選手や一般アスリートへの指導歴も10年を超える
ハイドレーションは、Profile DesignやXLABが有名ですね。フロント用は飲みやすさはもちろん、エアロ効果を狙ったもの(XLAB TORPEDO VERSAなど)もあり、バイクパートで体力を温存したい人におすすめです。
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