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最強女王リフに死角なし。番狂わせはあるか?《KONA女子レース前会見&優勝予想》

投稿日:2019年10月12日 更新日:


ルミナ編集部

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昨年大会はスイムでクラゲに刺されるという、まさかのトラブルに遭いつつも4連覇を成し遂げているダニエ

2019アイアンマン世界選手権
プロ女子優勝予想

コメント取材/山村勇騎(YUKI from TriWorldJapan.com)
写真/小野口健太

アイアンマン世界選手権(コナ)は10月10日(現地時間・木曜日)、プロアスリートによるレース前記者会見を行い、昨年大会の上位入賞者らが土曜日(12日)に開催されるレースへの意気込みなどを語った。

ここでは世界中のトライアスリートが注目する「アイアンマン世界一決定戦」女子プロカテゴリーの優勝予想と、記者会見に参加した選手のコメントを紹介しよう。

昨年の男女上位入賞者らが出席したレース前記者会見

男子選手顔負けの強さを誇る
女王ダニエラ・リフの5連覇を止めるのは?

優勝候補筆頭は、すでに4連覇を果たしているダニエラ・リフ(スイス)だろう。言わずと知れたバイクの強さは、プロ男子選手並みの速さ。昨年、たたき出したバイクコースレコード4時間26分は、プロ男子のキャメロン・ワーフ(男子のコースレコード)と16分しか違わなかった。このバイクの強さを上回る女子選手がいなければ、ランもサブ3時間で走れるので、優勝は確実だ。

ルーシー・チャールズ
ランを徹底強化して打倒リフに挑む

プロ3年目ながらも、コナで2年連続2位入賞を果たしているルーシー・チャールズ(イギリス)にも注目が集まる。言わずと知れた最速スイマーで、プロ男子に勝るスピードをもつ。昨年はスイムレコードを更新してアドバンテージを稼ぎ、リフを大きく引き離した。バイクパートで、昨年よりどれだけパワーアップしているかが、優勝の分かれ目になる。

2年連続2位の実力者ルーシー・チャールズ。シルバーコレクターに終わるか、圧倒的な強さを誇るリフを崩すことができるか

元オリンピアンであり、コナ1年目で、ブレイクスルーを見せたアンネ・ハウグ(ドイツ)にも要注意。ランを最も得意とし、昨年は2時間55分の最速ランラップを見せた。今年は、弱点のスイムを克服できていれば、再度表彰台に上がることができるだろう。

ITUレースから転向して昨年見事3位表彰台入りを果たしたハウグ

ユルゲン・ザックの愛弟子、70.3世界選3位のシモンズ

1カ月前の70.3世界選手権で3位に入賞したイモージェン・シモンズ(スイス)も注目選手のひとり。

元世界王者のユルゲン・ザックをコーチに迎え、プーケットをベースにトレーニングしてきた。スイム上がりの経歴をもちながらも、バイクも同郷のリフに食いついていく力がある。ニースの山岳コースでも、その強さをしっかり証明した。ハワイに似た環境のプーケットを拠点に準備を積んできたことをアドバンテージとし、トップ争いに絡むことができるか。

アメリカ代表勢も、強い選手たちが多く帰ってくる。トップ5入りを2度果たしているヘザー・ジャクソンも、これまで以上に実力をつけてレースに挑む。得意のバイクで、リフやチャールズとの差をどれだけ縮められるかが、トップ3入りの鍵となる。

大金星を狙う、注目選手たち

そして、今年のアイアンマン・テキサスで、リフと互角の争いを見せたジョセリン・マッコリー(アメリカ)も、見逃してはいけない選手だ。

昨年まで弱点だったスイムも、トップ集団で泳げるまで強化し、バイクとランの力もトップ選手に引けを取らない実力をつけてきた。テキサスでのレースと似た気候のコナでも、同じようなレース展開を繰り広げられれば、王者のペースを狂わせるゲームチェンジャーとなる選手だろう。

また、今年勢いのあるふたりのドイツ勢にも注目が注がれる。ダニエラ・ブレイメル(ドイツ)は、昨年アイアンマン・ハンブルグとイタリアで優勝し、ヨーロッパで有名なチャレンジ・ロートでも、優勝候補のチャールズに勝っている。

2016年に初出場したコナでは苦い経験をしているが、今年は今まで以上に準備を整えて、トップ5入りを果たす実力がある。

もうひとりのダークホースは70.3からアイアンマンに主戦場を移し、コナ初出場を果たすローラ・フィリップスだ。

セバスチャン・キーンルと同じコーチで、そのパートナーでもあり、隠れた強さを秘めている。IMデビュー戦となったアイアンマン・バルセロナでは、9時切りの8時間34分というタイムで優勝。70.3のレースでも14度優勝経験をもつ、入賞候補から外してはいけないダークホースだ。

女子トップ予想

1 ダニエラ・リフ
2 イモージェン・シモンズ
3 ジョセリン・マッコリー
4 ルーシー・チャールズ
5 アンネ・ハウグ

プロ女子コメント
@レース前記者会見

ダニエラ・リフ(2015~2018年優勝)

「コナではいつも何が起こるかわからない」

このレースでは、何が起こるかいつもわからないわね。長いレースだし、何か問題があれば、そこでどうすれば良いか考える力も必要だわ。だからこそ、私はこの競技にどんどん引き込まれていく。当日何が起こるかわからないけど、今持てる力を出し切ることが大事だわ。

ルーシー・チャールズ(2018年2位)

「今までで一番調子が良い。ランはサブ3で」

今シーズンは冬に走り込んで、ラン強化に力を入れた。レースでは、その結果が反映されるような「サブ3」のマラソンが走れると思うわ。常に優勝を目指してこのレースに来てるわけだし、ニース(IM70.3世界選手権)では残念な結果に終わったけれども、そこからしっかり調整して、これまでで一番調子が良い。今までよりも本気の実力を出せるレースをしたいわ。

アンネ・ハウグ(2018年3位)

「故障に悩まされたシーズン。コナにも不安残す」

今年は、ケガなど色々と悩まされたシーズンだったわ。ギリギリでアイアンマン・コペンハーゲンでハワイ(コナ)の権利を獲れたけれども、レースまで4週間しかなかったから、身体がどう反応するか不安。世界選手権はコンディションが全く違うし、選手層も比べモノにならないくらい厚い。みんなベストを尽くす中で、レースで良い結果が出ればいいと思うわ。

サラ・トゥルー(2018年4位)

「欧州選手権が学び直す経験になった」

フランクフルトでのレースは、とても良い学び直す経験になった。レース中に気を失ってしまったことは、私の頭からすぐに消えてはいないわ。今言えることは、レースはいつも不確かなことだらけなの。去年は、初出場で、経験もなく、その「不明確なこと」がたくさんあった中の4位だった。今年は私の身体が耐えられるかが、わからないけど、アイアンマンなんだから、難しいのは当たり前。その日に持てる実力を発揮することが大切だわ。

ミリンダ・カーフレイ(2018年5位)

「私はまだレーサー。ベストパフォーマンスで臨みたい」

家族は大切な存在だし、これまでも夫(ティム・オドネル)とこのスポーツとともにずっと育ってきた。もちろんトップへまた返り咲きたいわ。過去に3度優勝できたことは、キャリアの中でも素晴らしいステップとなったわ。私はまだレーサーだし、この素晴らしい選手たちの中で、結果がどうなろうが、ベストのパフォーマンスをすることが、大事だと思っているわ。もう先が長くないしね。

サラ・クロウリー(2018年6位)

「こんなにレベルが高いレースは、ほかにない」

去年はもちろん表彰台に上がりたかった。バイクでも勢いがあったけど、ラン終盤で落ちてしまった。こんなにレベルの高いレースは、ここコナだけだし、昨年は女子のフィールドのレベルもものすごく上がっていた。プロ男子と変わらない競争が展開されているし、このスポーツにとって、素晴らしいことだわ。


ヘザー・ジャクソン(2018年14位)

「昨年の失敗に学び直したレースを見せたい」

昨年は、今までの中で、かなりラフなレースだったわ。頭の中では、これからまた365日やり直さなきゃいけないのか・・・と思った。昨年は、本当にミスから色々と学ぶ良い経験になった。今年は、そこで学んだミスを見直す意味も込めて、レースに挑むわ。

>>>男子優勝予想を読む

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