コメント取材/山村勇騎(YUKI from TriWorldJapan.com)
写真/小野口健太
アイアンマン世界選手権(以下KONA)は10月12日(現地時間)、40周年記念大会の王座を争う有力プロアスリートによる記者会見を開催した。
男女ディフェンディング・チャンピオンをはじめとする10選手と、そのコメントを紹介しよう(※男子編はこちら https://lumina-magazine.com/archives/news/9932)。
女子ではなんといっても、3連覇中で、今季も圧倒的な強さで勝利を重ねているダニエラ・リフに注目が集まる。何事もなければ4連覇は固いとされるだけあって、KONA決戦に、しっかりフォーカスできている印象。
Daniela Ryf ダニエラ・リフ
「成し遂げたこともある。けれど、さらにもっと何かを達成することに意味を感じる」
トライアスロンっていう競技が大好きだし、どれだけもっと速くなれるのか楽しみにしてるわ。ここは素晴らしいレースだし、さらなる自分をもっとどうやって出せるのかって、いつも考えてるの。いろいろ達成したこともあるけど、さらにもっと何かを達成することに、意味を感じるわ。このレースはタフなレースで、長い時間集中しなきゃいけないけど、(勝つためには)しかっりとひとつずつステップを積んで、ミスをしないで、自身の力を発揮することね。
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リフ、盤石の4連覇に待ったをかけるのは、昨年2位に入り、一躍、次代の女王リストに名を連ねることになったルーシー・チャールズ(イギリス)。ランでリフと勝負できるかは微妙なところだが、今季もさらに実力を高めているだけに、レースで番狂わせを起こすことができる数少ない有力選手のひとりであることは間違いない。
Lucy Charles ルーシー・チャールズ
「去年のレースは見た目以上に厳しいレースだった」
去年のレースとは見た目以上に厳しいレースだったし、影の下で走ろうと探したいくらいの気持ちだったけど、最後まで諦めないで走り続けた。2年前は、エイジグルーパーとして出場していたのが、いまでは世界2位まで、急に上がってきたんだけど、トライアスロンを始めた当初はマウンテンバイクで出場してたのよ。今は夫となる人がコーチをしていて、そんな「小さなチーム」だからこそ、やりたいことができるし、それが今の結果につながっているの。
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リフvsチャールズの一方、昨年3位、4位争いを演じたサラ・クローリー(オーストラリア)と、ヘザー・ジャクソン(アメリカ)も、昨年それぞれに感じた悔しさをエネルギーに変えて、雪辱とさらなる躍進に向け火花を散らす。
Sarah Crowley サラ・クローリー
「クラッシュに泣いた去年の経験を生かして、良いレースにしたい」
今年は、レース中のクラッシュで、スロースタートとなってしまったわ。けれども、コナに向けて調子を上げてきているから、去年の経験を生かして、レースの日を楽しみにしているわ。
Heather Jackson ヘザー・ジャクソン
「今年のプロ女子は、かなり熱いメンバー」
去年は、サラ(昨年世界3位サラ・クローリー)とのランバトルで、結局負けてしまったんだけど、それは極めて重要な経験になったわ。今年のプロ女子は、かなり熱いメンバーだし、またお互いの一緒に争えることに期待しているわ。
スイムの弱さが課題になっているんだけど、そんなことを毎年繰り返したくなかったから、今年はスイムコーチのマティー・リード(元プロトライアスリート・五輪代表選手)のもと、8週間徹底的に泳ぎこんだわ。もちろんオープンウォーターとプールスイムは、全く違うけど、ルーシー(・チャールズ=昨年世界2位)みたいな素晴らしいスイマーもいるレースでも、その練習の成果が出ればいいわね。
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女子のレースで、もうひとり注目を集めているのが、KONAの前女王で、通算3勝を上げているミリンダ・カーフレー(オーストラリア)。男子のトッププロ、ティム・オドネルとの結婚、そして出産を経て、KONAに戻ってきた彼女は、かつての自分とは違う、今のミリンダ・カーフレーが、どこまでKONAで通用するか――新しい戦いに挑む。
Mirinda Carfrae ミリンダ・カーフレー
「今の私がどれだけできるかを試す良いレース」
今年は、かなりタフで、挑戦の年だったわ。トレーニングしながら、乳児を育てることが大変だったけど、かなりの自らに対する見方が変わったの。これまでは、私にとってトライアスロンが一番大事だと思っていたんだけど、いまでは子どもと夫が一番大事な存在。今回ここには新しい有望選手がいるし、今の私がどれだけできるか試す良いレースとなりそう。
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KONAの王座争いは、男子だけじゃない。
絶対女王リフと、それを追うルーシー・チャールズはじめ女子トッププロの戦いは、10月13日(日本時間10月14日未明~)。LuminaのSNSや本WEBマガジンにも随時、速報・リポートを掲載予定。
アイアンマンの公式Facebookアカウント『IRONMAN now』でもライブ配信予定なので、こちらもチェックしてみよう。