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#うちトレ⑪《松丸真幸さん》積極的に現状を見直す絶好の機会

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ルミナ編集部

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2020年はレースがなく、目標を見失った……。オフトレが長引いたような今の状況で、どのような心持ちでどんなトレーニングをどうやって続けていけばいいのか。全国でトライアスリートを励まし続ける指導者12人がこの時期を乗り越えるためのメンタルの保ち方、効果的なトレーニング方法を教えてくれた。いつか必ずやってくる、RaceDayに備えて、いつだってトライアスリートらしく過ごそう!

『Triathlon Lumina』77号(2020年7月号)に掲載した、トレーニング企画の完全版。誌面では紹介しきれなかった内容を余すことなく紹介。

©Kenta Onoguchi

松丸真幸さん

苦手分野を集中攻撃!

長い期間レースがないということは、逆に苦手分野の弱い部分のトレーニングに集中してできる願ってもないチャンスです。積極的に現在のトレーニング内容を見直して改善していくといいでしょう。

最初は、何も考えずにトレーニングしてもタイムや技術は伸びますが、いずれどこかで頭打ちになってしまします。そうなったときは、現在の自分の強みと弱みを把握して、苦手分野のトレーニングも取り入れて、身体に刺激を入れるといいと思います。

しかし、多くのトライアスリートは、限られた時間で練習をしているので、欲張ってトレーニングはできません。トレーニング内容を変更すれば、多少のパフォーマンスの低下はあるだろうし、すぐには成果は表れないかもしれないので、その点は覚悟しなくてはならないでしょう。

しかしながら、長期間レースがない今だからこそ、苦手分野のトレーニングを取り入れて、格段にレベルアップできるチャンスでもあります。何事にも、前向きに捉えて、自分なりに最善を尽くしてトレーニングを楽しむといいでしょう。

具体的な1週間のメニューをみると、週の質的トレーニングは、火曜日と土曜日になります。日曜日に量的トレーニングを入れていますが、毎週はきついので隔週程度が妥当でしょう。仮に日曜日に量的トレーニングをしたときは、翌週の火曜日には回復していない可能性があるので、火曜日は回復系にして、水曜日を質的トレーニングにするようにしましょう。週の前半と後半に2回ハードトレーニングを組み込んで、しっかりと回復させるメリハリあるトレーニングでスピード持久力のレベルアップを図ります。

【具体的なトレーニングメニュー】

《スイム》

◆スイム3000mメニュー
アップ400(ドリル、キック含む)
50×10 イーブンペース(フォーム意識)
100×5 ハード(サークル長め)
500×2 ややハード
100×1 イージー
50×4 超ハード(サークル短め)
ダウン300

《バイク》

◆ローラー台61分
①アップ10分(高回転ペダリング含む)
②ややハード5分
③イージー5分
④イーブンペース3’30″+30″超ハード×5
⑤イージー5分
⑥刺激入れ(神経系)6分
A:インナーロー15″ダッシュ+45″イージー
B:アウタートップ15″ダッシュ+45″イージー
×3セット
ダウン10分(片足ペダル含む)

《ラン》

アップ2km又は15分
ドリル10分
メイン ピラミッド15分×1
1分イージー
1分ハード1分イージー
2分ハード1分イージー
3分ハード1分イージー
2分ハード1分イージー
1分ハード1分イージー
※調子良ければ2セットしてもよい
ダウン2km又は15分

レース再会を期待して期分けを学ぼう

たとえば、来年の4月の宮古島や6月の五島でピークを持っていく場合、半年間くらいは、苦手分野のトレーニングをして、12~1月の年末年始で、トレーニングをある程度しながら、体をリフレッシュさせます。

2月から強化期で週15時間くらいまで増やして、4月からテーパーで通常通り戻すといった感じがいいと思います。これも、自分の参加するレースに合わせて期分けしましょう。

【オススメ補強】

《スイム》

①リバース・クランチ 10~30回×1
仰向けになり、大腿部が床と垂直になるようにする。そこから、足裏を天井に向けて伸ばして両足を持ち上げる。手は床に置くか、足のつけ根を触っていてもいい。呼吸は止めないで、腹筋を使っているのを意識する。
効果:腹筋を強化することで、スイムは抵抗の少ないストリームラインを維持、バイクは長時間にも及ぶエアロポジションの姿勢を保持して、ランでも安定感のあるフォームの強化。

②バック・エクステンション・プレスアップ 10~30回×1
うつ伏せになって、腕立て伏せのポジションを作り、その姿勢から、上腕と身体が離れないように、プッシュアップをして背中を伸ばす。
効果:背筋強化と上腕三頭筋も鍛えて、スイムでの力強いプッシュやバイクのダンシングやDHポジション時に安定した操作性の向上、ランでの最後のロングスパートで加速したときの力強い腕降りの強化。

③バタフライ 20回×1(ドライランドスイム)
お腹の下にクッションを敷いて、バタフライをする。かきのときは、腕を広げてストレートアームになる。肩甲骨が開いて閉じている動きを意識しておこなう。肘が下がらないようにハイエルボーも意識しておこなう。
効果:背筋強化と肩甲骨周りの動きの意識を高める。

《バイク》

足踏みスクワット10~20回×1
両足をバイクと同じポジションの幅にして、ヒザがつま先より前に出ないように腰を後ろに落とす。その姿勢から足踏みをする。なるべく頭がブレないように踏ん張る。バイクポジションをイメージして行う。これは難易度が高いトレーニングなのできつい。
効果:下半身を徹底的に鍛えて、バイクパートでパワフルなペダリングとバイク終了後のランニングで動ける足腰を作る。

《3種目に効く》

プランク・サイドプランク75秒×1
フロントプランクの姿勢で15秒キープ。そのまま、サイドプランクの姿勢に切り替える。このとき、身体がくの字にならないようにする。腰も落ちないように踏ん張る。15秒経過したら、フロントプランクに戻って再度15秒キープ。そのあと、反対側のサイドプランクで15秒キープ。最後にフロントプランクを15秒キープする。
効果:体幹(コア)を鍛えることによって、長時間にも及ぶトライアスロンで安定したフォームをキープ。

©Kenta Onoguchi

松丸真幸 Masayuki Matsumaru
フルタイムワーカー。プロ時代の主な成績は宮古島優勝、ロング日本チャンピオン6回、アイアンマン・ハワイ(世界選手権)プロカテゴリー出場など。妻でトライアスリートの浩巳さんとトライアスロンチーム 「フラワーズ」主宰。http://flowers-tri.com/

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