8月4日に行われた6回目のKONAチャレメンバーのフィードバックミーティングの続きから。
<<<前記事を読む ②「バイクの時速33㎞と36㎞は別世界、1㎞上げるのは簡単じゃない」岡田さん
永堀悟さん
2度目のアイアンマンは目標に大きく届かず、
ロングの地力を鍛え直す必要あり。
永堀さんはトライアスロン7年目だが、KONAチャレに参加するまでショートの大会に出ていた。昨年、台湾で初アイアンマンを完走。ただし、スイムが短縮されたため、今年のアイアンマン・ケアンズが初めてフルでアイアンマンの距離を完走した大会となった。
【自己評価】
今年は前回のフィードバックが行われた5月19日に横浜トライアスロンのスプリントに出場したのが初レース。この大会は距離が短いものの、シーズン初めの定点観測的な意味で出場している。タイムは全体的に良好。
続いて6月のアイアンマン・ケアンズに出場したが、全体的にふるわず、目標タイムから1時間半遅れるという、課題の残るレースとなった。
<スイム>
はほぼ目標通りで、内容的にも完璧に近く、7月の定期測定の結果がそのまま表れた。
<バイク>
新型のTTバイクで出たが、最初はどんどんスピードが出たものの、70㎞くらいからペースもパワーも落ちていった。長時間乗っていると腰に違和感がある。バイクそのものはいいのだが、新調してからあまり乗れていなかったのが原因。姿勢がつらいので脚が上がらず、踏み込めなくなった。それでも昨年のアイアンマン台湾で6時間近くかかったのに較べれば短縮はできた。パワーも10Wくらい低い。
<ラン>
平坦な4周回で1周が長く感じたが、ときどき雨が降って気持ち良かった。しかし、目標の目安になる4分30秒ペースをキープできたのは2周目途中まで。そこから5分30秒に落ち、3周目・4周目は6分まで落ちた。短いトレーニングが中心で、ボリューム不足だったことが原因か。
【目標クリアのための課題・取り組み】
目標と実力にかなり差があることが分かったので、今シーズンは予定していたアイアンマン・マレーシア出場をやめ、来年のアイアンマン台湾に向けて長期的な取り組みをしていきたい。
スイムはパフォーマンスが上がっているので現状維持。
バイクを集中的に鍛える。これまで実走トレーニングが多かったが、公道ではTTポジションがとれる時間はどうしても短くなる。今後はローラー台で姿勢を維持するトレーニングを増やしていきたい。
【TKのアドバイス】
風向きが何度も変わるバイクで
冷静に対応できたか?
TK■バイクは2往復するコースで、追い風・向かい風・追い風・向かい風と、風向きが何度も変わります。最初の往路の追い風ではどのくらいのパワーで行きましたか?
永堀■余裕をもって走っているつもりでしたが、200Wを切るくらいは出ていたと思います。
TK■ペースダウンしたのはどのあたりですか?
永堀■1度目の復路の途中です。
TK■向かい風でペースが落ちると落差が大きくなりますよね。だから後半の持続力、そのためのフォームの持続性というのが重要になる。
永堀■身体にダメージがあったので、ガクッと落ちました。2度目の往路の追い風で少し盛り返したんですが、その後また落ちていきました。
TK■落ちてからはどのくらいのパワーでしたか?
永堀■120〜130Wくらいです。
TK■風の向きが変わるのは、アイアンマンではありがちですし、今回も事前に分かっていたことですよね? だとしたら最初追い風に乗って200W近くで入ったのをもっと抑えていたら、後半にこれほど落ちなかった可能性があります。ポジションに慣れる以外に、こういう戦略も実践できるようにしたほうがいいでしょう。
ロングはきれいに終われない
TK■ランはトレーニングのボリューム不足以外に、レースで何かトラブルはありましたか?
永堀■足に豆ができて痛かったのもペースダウンの一因です。いつもはソックスをはくんですが、はかないほうが足の感覚が良くなる気がして、初めてソックスなしで走ったんです。バイクの途中で雨が降ったこともあって、足の皮がふやけていたため、豆ができやすくなっていたと思います。もっと走り込んで、足の皮膚を作っていたら、回避できたかもしれません。
TK■私もレースでいろいろ痛いところが出ることがあります。たとえばバイクではバイクパンツではなくトライウエアを着るので、サドルでこすれて出血したりします。でも、たかが出血、たかが痛みですから、レースで支障はありません。ロングはショートのようにきれいに終われないものです。小さなトラブルを気にしていたらきりがありません。
はじめから読む>>>
▶①「目標意識をもってもう一段階上の取り組みを」小濱さん
▶②「バイクの時速33㎞と36㎞は別世界、1㎞上げるのは簡単じゃない」岡田さん
▶③「レースのトラブルは当たり前、想定外を想定内に引き込む力が必要」永堀さん
◎「KONA Challenge supported by MAKES」オフィシャルHP
オフィシャルページでは、メンバーのトレーニング状況やピックアップコンテンツなどを随時更新しています。
【サポート施設】
AQUALAB
流水プールを使ってインストラクターによるフォームの分析、プルブイを使用して20分測定を行う。
※メンバーの孫崎が実際に測定している様子はこちらから。
SPORTS SCIENCE LAB
心肺能力(VO2MAX)、AT値、AT値でのフルマラソン適正ペース、ランニングフォーム評価、AT値での20分走タイムを測定。
R-body Project
ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(FMS)で体のコンディションを骨格のゆがみや関節の可動域などのポイントからチェックし、評価。
Endurelife
AT値で20分間バイクをこいだときの平均パワー/心拍数(PWR/HRT—AT値)、FTP(機能的作業閾値パワー/PWR/HRT—AT値20分の95%)、フォーム、ペダリングについてのチェック&アドバイス。