はじめてミドルに挑戦する人へ
2020年シーズンこそ、ミドルまたはロングディスタンス・デビューを目指しているトライアスリートや、奥深いミドル&ロング対策の知識を、イチから学び直したいという人のための連続コラム。
2回目は、今季ミドルディスタンス・トライアスロンに挑戦してみたいという人のために、必要な前提条件から、中長期的なトレーニングプランの立て方、春先までのランニング大会を練習レースとして活用するコツまでをレクチャー!
指導・文/宮塚英也(プロフィールは記事末尾参照)
ミドル&ロングで差がつくトライアスロン学!②
中長期的に考えるトレーニングプランの立て方≫ミドル編
「週平均3~5時間」の練習で十分完走できる
これまでスプリント~51.5kmのレースまでしか出たことないトライアスリートが、ミドルのレースに挑戦するときに、もし距離やレースの時間に不安があると感じているのであれば、前回コラム(ロング編)と同様、まず具体的な「1週間のトレーニング時間」を目標にするといいでしょう。
具体的には1週間の平均トレーニング時間が、3~5時間に達していれば、完走は十分にできるでしょう。もちろん週平均3時間以下のトレーニングでも完走は可能ではありますが、まずは目標として具体的に週3時間以上のトレーニングを目標にしましょう。
その週3時間のトレーニング量が余裕をもってクリアできたら、次は週3時間のトレーニングを週4時間に。さらにその週4時間のトレーニングを余裕もってクリアできたら、次は週5時間のトレーニングにチャレンジする――といった感じで、徐々にトレーニング量を増やしていければ、漠然と思い描いていた「ミドル完走」が、不安から徐々に具体的な自信につながっていくはずです。
目標レースと同距離のスイム、バイク、ランもやってみよう
目標とするトレーニング時間をクリアできたら、次のステップとして、それぞれの種目ごとに、目標とするミドルのレースと同じくらいの距離の練習に挑戦してみましょう。
例えばスイムであれば1回の練習で2000m、バイクであれば90kmのライドを行ってみる。ランであれば1回の練習で21km走ってみるといいでしょう。
この場合、決してスイム2000mプラス90kmバイクライド、プラス21kmランをまとめて1日で行う必要はありません。1日に3種目続けてやるのは本番のレースのみでOK。トレーニングでは、「確実に2000m泳げる。確実にバイク90km乗れる。確実に21km走れる」でいいのです。
トレーニングは実際のレースまでに、スイム1900m、バイク90km、ラン21kmを続けて行えるだけの体力、技術、スタミナを身体に植付けるための準備期間と考えましょう。
目標とするトレーニング量をクリアできるようになったら、その次のステップとして、トレーニングの強度が気になってくると思います。「ゆっくり長くだけのトレーニングはできるようになったけど、こんなゆっくりのトレーニングだけで本当にミドルを完走できるのだろうか?」と不安をもつ人もいるのではないでしょうか。
トレーニング量の目標をクリアできたら、ゆっくり長くのトレーニングだけでなく、レースペース、またはレース時のペースよりも少し速いペースのトレーニングを行っておくことで、さらなるレベルアップが期待できるようになります。
ミドル挑戦にこそ必要な「閾値トレーニング」とは?
では、51.5㎞までのレースと、ミドルとの違いは、何か?
レースの距離が違うわけですから、当然、レースを走るスピード、レースペースが異なります。
実際にはスプリントや51.5kmのレース時のスピードよりも少し落としたペース、強度でレースすることになります。つまりそのためのトレーニングも必要ということです。
極端な話、51.5kmまでのレースであれば、ゆっくり長くのトレーニングだけでも完走は可能ですし、ゆっくり長くのトレーニングと、強度の高いハードなトレーニングの両方だけでも完走できます。そして、その延長線でのミドル完走も不可能ではありません。
しかし、ミドル完走をより確実なものにするためには、ゆっくり長くのトレーニングと、強度の高いトレーニングの中間に位置する強度のトレーニングが必要となります。これがよく言う「閾値トレーニング」です。
トライアスロンのようなエンデュランス・スポーツにおいて、この閾値トレーニングが非常に重要であることはよく知られていますが、実際、一般のトライアスリートの間では、その理解度が低かったり、そのトレーニングを実践することは簡単でなかったりするものです。
つまりミドルのレースにおいては、しっかりこの閾値トレーニングを行っておくと、完走がより現実的なものに近づいていくのです。
トライアスリートがさらにレベルアップを目指そうとする場合、「より多くのトレーニング量を」、「より強度の高いトレーニングを」となりがちですが、トレーニング量に関しては、これまで書いてきたように、オーバートレーニングにならない範囲で、徐々に増やしていくのがベストです。
トレーニング・プランを立ててみよう
それでは、具体的にミドル挑戦に向けて、どんなトレーニングプランを立てていくといいか。
ロング編のときと同様、仮に6~7月開催のミドルディスタンス・トライアスロンを目指すとして、この冬から準備するとしたら、どんな期分けになるか? 考えてみましょう。
トレーニング期分け例
6~7月開催のミドルを目指す場合
2020年の6~7月にミドルのレース出場を予定している場合、1月からの準備として、約半年くらいの準備期間があります。まずは冬から春にかけての3カ月は焦らずベースづくりとして、ゆっくり長くのトレーニングをメインとして、長時間の運動ができる「エアロビックベースづくり」を行います。
次に4月から5月、6月とレースを意識した「強化トレーニング」を行います。3月までのトレーニングでしっかりエアロビックベースができた上で、レースで実際に泳ぐ(スイム)、乗る(バイク)、走る(ラン)スピード・強度の練習メニューを増やしていきます。
ときには、さらにレースで上位に入るため、あるいはレベルアップのために、レース時よりも速いペース、高い強度のトレーニングをオーバートレーニングにならない範囲で、メニューに組み込んでいくのもいいでしょう。
もし昨年の11月あるいは12月あたりから、もうすでにオフトレーニングを行っているトライアスリートの場合、2月までをベースづくりの期間にして、3月からレースに向けた強化トレーニングに入ってもいいでしょう。
そしてレースまで3週間を切ったならば、それまでのトレーニングの量よりも30%~50%ほど落とす感じで、実際のレースまでにこれまで行ってきたトレーニングの疲れを残さないで、レースに臨めるように調整していきます。
冬のランニング大会を活用するポイント
2020年のシーズン、ミドルのトライアスロンに初挑戦する場合、距離の不安を少しでもなくすためにこの冬にマラソン大会に出るものいいでしょう。その場合、目標がミドルのトライアスロンですから、実際に冬の間に出るマラソン大会もハーフマラソンがベストです。
レースに出ることで、ハーフマラソンの距離感だったり、レース時の疲労感、レース中の補給の摂り方やタイミングなど、練習では経験できないトレーニングができるのはメリットです。
中にはフルマラソンに出場するというトライアスリートもいるでしょう。ただ、ミドルのトライアスロンのランパートがハーフマラソンくらいの距離であることを考えると、無理してフルを走っておいたほうがいいというほどのものではありません。
フルマラソンを走ることで、長時間の運動ができるとか、フルの距離を走り切ったという経験にはなりますが、42㎞超を無理して走ったことによって、脚を故障してしまったり、体調を崩してしまったりして、本来しっかりトレーニングしなければならない期間にトレーニングができなかった・・・というようなことがないよう、その後のスケジュールを考えた上で冬のマラソン大会出場を考えましょう。
そういう意味を踏まえた上で、冬の間にフルマラソンに出る場合は、ベースづくりの期間に、トレーニングの一環として出場し、1週間後には通常のトレーニングに戻れるくらいのペース設定で(あまり速いペース設定にせず)、イーブンペースで走りきって、レース後は少し余力が残っているくらいがベストでしょう。
ミドル以上はレースでの「補給」も重要に
51.5kmまでのトライアスロンであれば、レース中の補給がなくても完走にはさほど問題はありません。しかしミドルとなると、速い人で5時間。制限時間内でなんとか完走する人の場合10時間近く動き続けなければなりませんから、ロングほど重要視されはしないものの、まったく補給に無頓着でいいわけではありません。
レースでは基本的にカラダの中に貯えた脂肪やグリコーゲンをエネルギーにして動き続けますが、これらのエネルギーが枯渇してしまえば、カラダは極端に動かなくなります。
レース中、完全にエネルギーが枯渇してしまわないように、事前の食事やサプリメント摂取と併せ、レース中にもエネルギー源となる栄養を補給しながらレースすることは、ミドルを完走する上ではひとつの大きな要因になります。
宮塚英也 Hideya Miyazuka
切れ味鋭いバイク→ランを武器に宮古島大会通算4勝(男子歴代最多)、日本人で唯一となるKONA(アイアンマン世界選手権)のトップ10入りを2度果たすなど、ロングディスタンス・トライアスロンを主戦場として活躍した元トッププロ。2002年に現役引退後は、那須塩原市で「ハイディア トライアスロン&バイク」を営みつつ、後進のエリート選手や一般アスリートへの指導・プログラム提供を手がけており、指導者としてのキャリアも15年を超える。
ミドル以上のレースでこそ実戦投入したい
アミノバイタル® おすすめラインアップ
宮塚さんが今回のコラムの最後でも触れているように、ミドル以上の、比較的長い距離のトライアスロン大会をターゲットとする場合、レース前・中の補給は、より一層、重要性を増す。
特にカラダを構成する重要な栄養素で、長丁場のレースでも最後まで途切れないパフォーマンスの原動力となるアミノ酸を、サプリメントもうまく使って摂っていくことは、ミドル~ロングのレースで完走または自己ベスト更新を目指していく上でプラスになることは間違いない。
また、カラダへの負担が大きいミドル以上の大会では、レース後のコンディショニングという意味でも、より良いタイミングでのアミノ酸チャージがオススメだ。
このコーナーでもたびたびご紹介している「トライアスリートにオススメのアミノバイタル® ラインアップ」で想定するとしたら、
まず、日常のトレーニングライフなどでも運動前の摂取がオススメの青いアミノバイタル®(アミノバイタル® プロ® 、アミノバイタル® アミノショット®)を活用して、レース前にBCAA(必須アミノ酸バリン、ロイシン、イソロイシンからなる、いわゆる分岐鎖アミノ酸)を素早く・しっかりチャージ。
運動前にBCAAを摂った場合と、摂っていない場合では、運動中のカラダの状態に違いが出るはずなので、より良い状態をキープして、レースを最後まで進めたい人には、この青いアミノバイタル® をスタート前だけでなく、競技中にも摂るのがオススメ。
競技時間の長いミドル~ロングでは、各トランジションの際や、長丁場のバイクパート中などに、摂ることができるだろう。
レース中のエネルギー(糖質)補給と合わせて長時間にわたるミドル~ロングのレース後半でも途切れないためのエネルギー源アミノ酸も摂れるのが赤いアミノバイタル®(「アミノバイタル® アミノショット®」パーフェクトエネルギー®、アミノバイタル® パーフェクトエネルギー®)。
レース中、糖質だけを摂り続けるだけよりも、アラニンやプロリンといったエネルギー源アミノ酸を含む赤いアミノバイタル® を摂ることで、よりムラのないパフォーマンスを発揮していきたい。
51.5kmまでのレースと比べても、段違いに長丁場となるミドル~ロングのレース後、負担からの速やかなリカバーを促すためにオススメなのが、金のアミノバイタル® ことアミノバイタル® GOLD。
レース直後に、素早く摂って、次へとつながるリカバーを狙うのにオススメなのは言うまでもなく、より良い状態でレースに臨むために、レース前日に摂ってみるのもオススメ。
アミノバイタル® ラインアップでは、パッケージに記載されているアミノ酸含有量だけでなく、それぞれに配合されているアミノ酸の種類や組み合わせなどにも、良いトレーニング同様、明確な「狙い」が設定されているので、ミドル~ロングのトライアスロンでこそ、その使い分けを実践して、最大限にメリットを体感してもらいたい。
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