Masterが教える「トライアスロン実戦対策」≫≫飯田忠司さん
レース直前、やるべきことを「書き出して」視覚化する。
現地について急に実力が伸びて劇的にタイムが上がる……ことはまずなく、それまでやってきたことを余すことなくレースで発揮できるように準備や身体の状態を整えていくのがポイントとなります。
もちろん、ちょっとした準備・対策でのタイムの短縮は可能です。
トラアイスロンのレースは事前に準備することが多く、いざ当日現地に行ってからやろうと思っても頭の中が整理されていないとあれもこれもと焦ってしまい、時間がなくなってしまい、その結果、重要なものを忘れてしまったり、ウォーミングアップもできずに慌ててスタートして、レース中に苦しくなってしまう等、折角のトレーニングの成果を十分に発揮できなかったという失敗談はよく耳にします。
初めてのレースの方、毎回レースでアタフタしてしまう方などには、レース前の不安除去やレース前、中のミスを防ぐために--
〇レース前に当日の行動
〇レース中の補給などの行動
--を紙に書き出しておくことをアドバイスしています。
例えば当日の行動ですと、現地への出発前や移動の際などに事前資料などを参考にして--
▼レース当日の起床時間
▼朝食時間
▼移動開始時間
▼受付時間
▼トランジットセット(中身の確認と各トランジットの入り口からの位置、出口の確認なども含む)
▼各種バッグ預け(ロングの場合)
▼ウォーミングアップ時間
▼ウエットスーツ着用時間(着用に時間がかかる場合はその時間も加味しておく)
▼スイムスタート会場までの移動開始時間
--等を時系列に書き出していきます。
〇レース中の補給などの行動
この場合は、事前の資料でエイドステーションの場所と中身を確認しておき、ご自身の補給のタイミング(どれくらいの時間または距離間隔で補給)などを紙に書き出します。
ポイントは紙に書き出すこと。
やるべきことが視覚化でき、頭の中だけでは何となくボンヤリしていた、やるべきことを書き出すこと整理できます。一度書き出した順番を変更したほうがスムーズに準備が終わる等も見えてきます。
もちろん、当日に書き出した紙を持参して確認するのも、心を落ち着かせる意味でも良い方法です。
レース前の不安を少しでも取り除き、落ち着いてスタートラインに立つためにも、ぜひ試してみてください!TM
■著者プロフィール
飯田忠司(いいだ・ただし)
佐渡国際トライアスロンAタイプで2011年優勝、2012年2位に入るなど、ロングディスタンスを中心に結果を残し、競技活動を続けるプロトライアスリート。指導者としては埼玉県川口市を拠点に朝スイム・セッションなどを展開する「I-storm」の代表を務める