IRONMAN CAIRNS 2019
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日本と時差1時間のシークレットガーデンへ、ようこそ。
日本からオーストラリアへ。地球の南北を上下として、その縦移動は世界のアイアンマンを旅する者に絡みつく時差もかすかで、ケアンズならたった1時間。かの大陸の北部に位置するこの街は特に日本に近く、成田を夜に出て、翌朝に着く時間感覚は、ほとんど伊豆七島への船旅のよう。
約7時間の空旅を経て、ケアンズ国際空港に着けば、そこからレース会場までは10㎞ほど。「これなら走ってでも行けますね」。異口同音、会場に着いたトライアスリートたちは、そう言って笑う。
そんな近さの一方で、レースを取り巻く環境や文化の豊かさは、遥か彼方の別世界。世界中のアイアンマンを転戦してきたクリス・マコーマックが、世界でも屈指の美しさと絶賛したバイクコースから、OZのポジティブなエネルギーに包まれたランへと至る140(あるいは70.3)マイルは、アイアンマンが到達したひとつの理想を教えてくれる。
そして、三度アイアンマン・ジャパン不在の時代がやってきた今年。日本人だけに用意された30のコナスロットも後押しして、400人近いアスリートが、日本から押し寄せた。アジア以外で、これほど多くの同朋があふれた海外アイアンマンは、例を見ない。同じ国の仲間がともに走る海外レースは、心地良く、特別な温かみを感じさせるものだ。
「(日本では)その良さの割に意外と知られてなくて、とっておきのレースだったんだけど、これでみんなに知れわたっちゃいましたね」
2012年にこのイベントがアイアンマンシリーズに名を連ねて以来、何度となく出場してきた、あるエイジグルーパーがそうつぶやいた。その良さが広まった嬉しさと、知られてしまったくやしさをにじませる、秘密の楽園の守り人のような複雑な顔で。
明るくタフな、OZの遊び。
地理的にも、言語的にも、ほかとの交流が少なく隔たりが大きい日本にあって、トライアスロンもまた独自の道を歩んできた。
「いやいや今の時代、ネットを介せば世界との隔たりなんてないも同然」と、あなたは嗤うかもしれない。
しかし、たとえばオーストラリアのアイアンマンウイークで、レースそのものはもちろん、その宵祭りとしての関連イベントやコース沿道での応援、レース運営のボランティアなどを、まるでよく冷えたキュウリをバリバリかじるようにして遊び倒すオージースタイルに触れれば、日本のトライアスロンにはない、シンプルにして明快な楽しさを感じずにはいられないだろう。
特に、太古からの熱帯雨林とグレートバリアリーフという、ふたつの世界自然遺産をもつ観光都市としてのケアンズは、その心楽しいOZスタイルを我々海外からの来訪者にも、わかりやすく体験させてくれる。その楽しさを知れば、日本のトライアスロンだけの楽しさもまた、より一層鮮やかに見えてくるはずだ。
アイアンマン・ケアンズ
2019年6月9日(日)
SWIM3.8km/BIKE180.2km/RUN42.2km
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SWIM
2014年からスイム会場となったパームコーヴ。細長い四角いコースを1周するコースレイアウト。併催されているアイアンマン70.3ケアンズは下記マップの黄色いブイの所で折り返す。
BIKE
ケアンズの街から北へ70㎞、ポートダグラスを折り返してくるバイクコース。
RUN
エアポート通りまで、エスプラネードラグーン沿いを空港方面に進み、折り返してくる3周回のコース。
and more……
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