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にっぽんにエクステラが帰ってきた。XTERRA JAPAN Championship Marunuma

投稿日:2019年10月17日 更新日:


ルミナ編集部

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6年ぶりに丸沼(群馬県)で開催されたエクステラJAPAN チャンピオンシップのスタートシーン。晴天に恵まれ、水温は21℃

文/今 雄飛   写真/大前 稔

丸沼にエクステラ(XTERRA)が帰ってきた!

2019年9月14~16日の3日間にわたり開催された、エクステラジャパン丸沼大会(XTERRA JAPAN Championship Marunuma)には海外国内勢も合わせて約350人が参加。マウイへのスロットをかけたチャンピオンシップ、その半分の距離で行われるエクステラ・ライト、さらには世界初開催のe-bikeエクステラなど、新しい試みも加えて行われた。

世界初「e-bikeエクステラ」で幕開け

6年ぶりの開催。日本国内だけではなく、海外のエクステラのファンにとっても、丸沼が戻ってきたことへの喜びが会場にあふれていた。マウンテンリゾートらしく、少し秋の気配も感じられる中、世界初開催のe-bikeエクステラから競技はスタート。

距離はスイム400m、MTB15km、トレイルラン2km。スイム、ランを短くした初心者向けと思いきや、MTBのコースはほかの種目と同じコースを使用しているため、走りごたえはほかのカテゴリ―とまったく同様。

世界初の「e-bike」部門。しっかり走りごたえのあるコースなので、チャンピオンシップとダブルエントリーする人も

「上りが多い後半はe-bikeのメリットを生かせましたが、それ以外はテクニックが必要で・・・。難しさはMTBと変わらないかもしれないですね(笑)」という参加者も。

初開催とあって参加者は多くはなかったが、新しいe-MTBの使い方を示した意義のあるカテゴリ―だった。

e-bike エクステラの前にはエクステラ キッズ(SWIM200m/MTB4km/TRAILRUN2km)も開催

MTBだけじゃない。ランコースもハード

2日目はマウイ(世界選手権)行きをかけたエリート、チャンピオンシップ、そしてその半分の距離で行われるライトが行われた。

天候は晴れ。曇りがちなイメージのある丸沼だが、青い空、透き通った空気、まさにマウンテンリゾートという雰囲気の中、まずはエリートから競技がスタート。その後チャンピオンシップ、リレー、ライトと続々、丸沼に泳ぎ出していく。筆者はライト(スイム600m、MTB15km、トレイルラン5km)に参戦した。

ライトの部に参加した筆者(右から二番目)

スタート時の気温は24℃、水温は21℃。少し冷たさを感じるが問題はない。3mほどの深さでも湖底が確認できるほど水質はクリア。途中、川の流れ込みのせいか急に水が冷たく感じるポイントもあったが、ロングジョンでも問題ない。風が吹くとうねりも出るようだが、当日は水面もかなりフラットだった。透明度の高い水質と相まってブイの位置も見やすく、スムーズにフィニッシュできた。

丸沼の水質は水深3ⅿのところでも湖底が見えるほどクリア

丸沼の特徴は、海外のエクステラでも有名なタフなMTBコース。アップダウンが連続する湖畔を走るシングルトラックの後は、6㎞ほど続くジープロードの上りが待ち受け、それをクリアすれば獣道を走る急斜面のダウンヒル。ようやく会場近くに戻ってきたかと思えば、沢渡りに加えてまた上り。歴戦の海外エリート選手も「丸沼はタフ」と舌を巻くほど。

MTB初心者の私にとっては「あまり乗れなかった」のが実際のところ。それはほかの参加者にとっても同様。湖畔のシングルトラックで崖から滑り落ちたライダーをふたりほど助けたし、「いや~押してばっかりですね(笑)」と声をかけ合うことも多数。テクニカルな丸沼の名に恥じないコースだった。

ランに関しても同様の感想。林立する立木をかすめるように進む湖畔のルートを過ぎると、ロープを使わなければ上れないガケを直登。さらに冷たい湧き水が染み出た沢の流れに逆らって上るルートもある。

私の場合はようやくアスファルトの道に出てから、ようやくフィニッシュラインまで走れたような状態。チャンピオンシップはこれを2周だと考えると気が遠くなるような思いがした。

バイクもランもハードでまともに走れなかったわけだが、だからと言って楽しくないかと言えばそうではない。ハードだからこそ、またチャレンジしたいと思わせる楽しさ。

まだ上手くなる、速くなる。伸びしろがまだあると感じる。これもまたエクステラならではの醍醐味なのだろう。

エリート女子優勝のFabiola Corona

チャンピオンシップやライトのレースが開催された大会2日目には、エクステラ「デュアスロン」(TRAILRUN2km/MTB25km/TRAILRUN10km)も開催された

アフターレースはエクステラナイトで

レースが終わった日暮れ時、ビールを片手にレースを語り、上位入賞者を称える。エクステラナイトはこのレースにはなくてはならないもの。話題の多くは「乗れなかった」「走れなかった」という口惜しさについてだが、どの表情にも暗さはないどころか、本当に楽しそうにしている。すでに来年のレースについての話も、そこかしこで聞かれ、ポジティブな雰囲気に満ちている。

エクステラに参加する人たちをこのレースでは「ファミリー」と呼ぶ。参加者だけではなく、運営スタッフも含めて。次の日の3日目にはまだトレイルランニングのレースが残っているが、この瞬間を大切に楽しむ雰囲気がそこにはある。

ランニングの上り途中で追い抜かれた参加者に言われた「これはただのオフロード版トライアスロンじゃない。エクステラっていうレースなんですよ! ツラいけど頑張りましょう!」という言葉を思い出した。

距離的にはオリンピックディスタンスに近く、キツさではロングディスタンスにも匹敵する。ただし当然ながら、エクステラはそのどれでもない。泥だらけになりながら、笑顔で走り切る、そんな唯一無二のレースがまた日本に戻ってきた。

>>>大会のカラーリポートはTriathlon Lumina 2020年4月号(3月2日発売)に掲載予定

Race Info
XTERRA JAPAN Championship Marunuma
(エクステラジャパンチャンピオンシップ丸沼)
開催日:2019年9月14日~9月16日
開催地:群馬県利根郡片品村丸沼周辺
▶大会公式ホームページ
http://www.xterrajapan.com/

大会3日目に開催されたトレイルランは10㎞、25㎞の2カテゴリー

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