2020年はレースがなく、目標を見失った……。オフトレが長引いたような今の状況で、どのような心持ちでどんなトレーニングをどうやって続けていけばいいのか。全国でトライアスリートを励まし続ける指導者12人がこの時期を乗り越えるためのメンタルの保ち方、効果的なトレーニング方法を教えてくれた。いつか必ずやってくる、RaceDayに備えて、いつだってトライアスリートらしく過ごそう!
『Triathlon Lumina』77号(2020年7月号)に掲載した、トレーニング企画の完全版。誌面では紹介しきれなかった内容を余すことなく紹介。
河原勇人さん
運動効率の追求とエアロビック能力の向上
①運動効率の追求、②エアロビック能力の向上、この2点にフォーカスしています。
たとえばバイクでパワーを出すにしても、ガチャ踏みすれば瞬間的なパワーは出せるのですが、それではレースに通用せずバイク後のランに繋がりません。
また疲労感を見て、週1~2回の頻度でHIITでの刺激を入れています。私の場合は、ローラーで行うことが多いのですが、自重サーキット補強で行うこともあります。
スイムは、プールが使えるとならば、インターバルの終了後に、平均タイムと心拍数を記録するようにしています。プールでGPSウォッチを使用できない場合は、6秒間の脈をとって(首筋の頸動脈に人差指と中指の2本をあてて)10倍します。
平均タイムが一緒でも、心拍数が下がっていれば、リラックスしつつも効率の良い動きができている、と把握できます。SWOLF(たとえば、50mの泳ぐ秒数とストローク数の合計数)を減少させます。現役時代に比べて筋力は落ちたが、ストリームラインの取り方、重心の位置、水の捕らえ方、身体の預け方を意識します。
バイクでは、スマートローラーを導入したのですが、パワーが計測できない状況でも、心拍数やケイデンスを管理しながらのインターバルトレーニングが有効だと考えています。ただし疲労感が強い場合は、イージースピンに切り替えるなど、無理をしないようにしましょう。
ランは、3密をさけるため、人出がすくない早朝や夜の時間に走っています。免疫力を保つために疲労がたまらないようにすることと、短時間でさまざまな刺激が入るよう、不整地の起伏コースを選ぶようにしています。
また、屋外で練習することは良いと思いますが、医療機関に負担を掛けないことが前提です。屋外でのバイク練習や、山奥のトレイルランニングなど、ケガやアクシデントが起きたときに、負担をかけてしまわないか、考えて対応することが重要だと思います。
河原勇人さん Hayato Kawahara
宮古島大会優勝などロングを主戦場に活躍。現役時代よりチームケンズ・トライアスロンスクール(西東京・新宿・練馬)にて指導。また「カワハRun! 研究会」でのランニングセッションと、TACサンプラザ・トライアスロンスイムを行っている。パーソナル・トレーニングも行っており、オンラインで遠隔指導ができる体制を計画中。スマートトレーナーを活用したバイクパーソナルトレーニングも実施中。http://kawaharahayato.com/