【トライアスロンLAB限定】「トライアスリートのための免疫力UP&ウエイトコントロール法」リポート

投稿日:2020年6月15日 更新日:


ルミナ編集部

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©Kenta Onoguchi

新型コロナウイルスの影響もあり、注目を集めているキーワード「免疫力UP」。トライアスリートらアスリートにとっては、日常的に高めておきたい免疫力と、運動量が減った中で、筋量を落とさずにウエイトコントロールする方法をたっぷり教えてもらった。

このセミナーは、Lumina#77で特集した内容をさらに詳しく講義にしたもので、先に誌面を読んで予習しておけるため、1時間という短い時間でも内容の濃いものになった。

>>予習・復習用の事前記事「トライアスリートに欠かせない免疫力UPとウエイトコントロール法」を読む

指導してくれた佐藤彩香先生は、自身も3歳から高校総体まで競泳をしていたアスリート。現在は、競泳、サッカー、トライアスロン、陸上の長距離の選手など、運動強度が高めのアスリートたちの栄養指導をしている。

食事×免疫力

トライアスリートは免疫力が下がりがち

適度な運動は免疫力の強化につながりますが、強度が高過ぎると免疫力が落ちてきます。たとえば、Vo2MAX75%という高強度でトレーニングした場合、1時間で免疫力が下がることが証明されています。フルマラソンよりも強度が高いので、免疫が一時的に下がってしまいます。

トライアスリートにはそういったトレーニングを日常的行っている人も少なくないと思います。そのため、免疫力を上げていかないと、すぐに体調を崩してしてします。身に覚えがある人も多いのでは?

そこで、まず考えたいのが①必要なエネルギーを確保すること。これがベースの考え方になります。自分がどれくらいのエネルギーが必要か把握していますか?

アスリートの推定エネルギーの求め方【表1】(Lumina77号に掲載)を参考にすると、シーズン期とオフ期の差が1000キロカロリーくらい出てしまいます。何気なく1年過ごしていても、これだけ差がある、ということをまず知っておきましょう。

糖質の量を考える

では、エネルギーを摂るための栄養素とはなんでしょうか。これはトライアスリートの皆さんに今更聞くことではないですね(笑)。エネルギーを摂るためのメインの栄養素はまず糖質です。

食品で言うと、米、パン、麺、芋、果物などで、脳のエネルギー源であり、赤血球の唯一のエネルギー源です。酸素運搬に必要になってきます。これが不足していると、レース後半のバテにつながってしまいます。

一般的に、1日のエネルギー量の6割を糖質で摂るとされているので、1日の運動に併せて糖質量を考えます。

糖質は、主食で7~8割摂れていればOKです。あとは、果物やドレッシングなどから摂取します。

そこでもうひとつ考えたいのが、糖質の質です。精製されているものよりも、玄米や全粒粉、ゆっくりエネルギーになるものなどGI値が低いものをメインにするといいでしょう。つまり、血糖値の波を作らないことが大事になります。また、すぐにエネルギーに変えたい場合は、もちろんGI値の高い物でもOKです。

©Kenta Onoguchi

脂質のポイントは肉・魚の部位

つぎに脂質について考えてみましょう。エネルギー比率に対して20~30%を占めるように考えます。たとえば、1日3000キロカロリーの場合は750キロカロリー(脂質80g)を摂るようにします。脂を管理するのは難しいので、ざっくりでいいので意識するようにしましょう。

そこで、注意するポイントは肉や魚の部位です。たとえば、バラ肉は100gで脂40g・たんぱく質12g、胸肉100gで脂1~2g。たんぱく質20gと全く栄養素が分かってきます。逆に鶏むね肉などだけに偏り過ぎると、脂が少な過ぎて、スタミナがない、バテやすいところにつながってします。その場合は、魚で言えば、トロ、サバ、サーモンなどは脂が多く、カジキなどは少ない。バラ肉やトロなどが好きな場合は、他で脂質を抑えて、脂がすくないと思ったら、サラダをオリーブオイルとかアボカド、ゴマとか他のものと組み合わせてみるといいでしょう。

脂の質で言うと、摂ってほしい脂は不飽和脂肪酸のオメガ3です。青魚、サーモン、さしみ、アマニ油、えごま油、くるみなどのナッツ類なども多く含まれているので、そのあたりも意識するようにしましょう。

次に大切なのが、②たんぱく質を十分な量を確保する。ことです。たんぱく質は、身体をつくるために大事で、ここのリカバリーが不足すると免疫力は下がってしまいます。

また、もうひとつ注目してほしいのが、たんぱく質の摂取は睡眠の質を上げるということ。

睡眠に必要なメラトニンというホルモンを夜にしっかり分泌するために、朝たんぱく質(トリプトファンというアミノ酸)を摂ることが大事です。トリプトファンからメラトニンに変わるまでに、14時間くらいかかるので、朝摂ることが大切なんです。パンとコーヒーに、ヨーグルトや牛乳を加える。また、バナナにも豊富に含まれているので、バナナを追加するだけでもいいでしょう。夜寝付けないという方はぜひ実践してみてください。

たんぱく質はこまめに摂る

体重で考える場合1.3~1.8kg/1日を3~4回に分けて摂取するようにします。

なぜ分けて摂ることが大切かというと、たんぱく質(プロテイン)の筋繊維の合成速度を見たときに、たんぱく質の量を倍摂ったとしてもその速度は分からないことが実証されています。一気に身体に入れても、それの意味がないんです。だったら、なるべく小まめに摂って効率的に吸収するほうがいい。だから、「たんぱく質はこまめに!」と覚えておきましょう。

これらを見て、自分に足りているのかを考えるようにします。必要量が摂れているのか、摂れていなければ、どうやって摂るか。分けて摂ることで、身体の吸収速度を上げて、リカバリー速度を上げて、免疫力アップを図るにはどうしたらいいかを考える必要があります。

ビタミン類の積極的な摂取
王様はビタミンD

次に、③免疫に関係するビタミン類を積極的に摂ること。その王様はビタミンDです。ビタミンDは皮膚合成できるので紫外線を浴びる(日光浴)でも生成されます。最低でも15分くらいは浴びるように意識しましょう。

食品で言えば、は魚とキノコしか選択肢がないと言ってもいいくらいです。ですが、きのこは大量に食べないといけないので、魚を食べるか太陽を浴びるかを意識することが重要になります。

紫外線からの皮膚合成を加味して、最低でも8.5μg摂る必要があります。鮭(80g)で25μg、鯖(100g)で15μg、しいたけは2個たべても0.8μgですのでやはり魚がお勧めです。

色の濃い野菜にビタミンACE

それから、粘膜保護やウイルスからのバリア機能のために必要な栄養素であるビタミンA、C、Eも免疫力アップには大切です。簡単に言うと、色の濃い野菜です。
ビタミンA:かぼちゃ、ニンジン、ホウレンソウ、ビタミンC:緑黄色野菜、じゃがいも、フルーツ、ビタミンE:ピーマン、ニンジン、トマト、ゴマ、大豆。

ビタミンAとEは脂溶性、Cは水溶性なので、それに合わせて調理方法を選びましょう。生と加熱を交互にやってみると、まんべんなく栄養素を摂取できます。

腸内環境を整える

そして、④腸内環境を整えることも免疫力アップには、すごく関連性が深いです。良い菌たちを増やすためのエサとして、発酵食品、食物繊維を組み合わせて摂るようにしましょう。

腸内には、悪玉菌10%、善玉菌20%と日和見菌70%がありますが、日和見菌は、悪玉・善玉どちらにも変われるため、これを味方につけることで善玉菌が90%に変化します。

加齢、過剰な糖質、過剰な脂肪、繊維不足、アルコール、加工食品、ストレス、不規則な生活、運動不足、便秘、医薬品(抗生物質など)が重なると日和見菌が悪玉菌に偏ってしまいます。

腸がきれいだと、栄養の吸収も良くなります。腸は免疫細胞を作るのできれいなことが大前提です。腸に膜が張ってしまって、免疫が落ち、吸収力も減る。せっかく良い食事、サプリメントを摂ったとしても吸収されない。体感が得づらい。良い食事をするならば、受け取り側もしっかり整えるようにしましょう。

©Kenta Onoguchi

食事×ウエイトコントロール

必要なエネルギー量が摂れていれば、ウエイト維持はできます。トライアスリートの皆さんの場合、増やすよりも減量する目的のほうが多いかもしれませんね。そこでまず、減量前に知っておきたいことをお伝えします。

「本当に減量が必要ですか?」ということです。女性は体脂肪12%を、男性は3%を切るとホルモンバランスが崩れてしまいます。

ゴール設定を明確にし、ゆっくり落ちるようにスケジュールするようにしましょう。そして、減量は自分の身体が何で構成されているかを理解する必要があります。スポーツクラブなどで体内組成を調べられるのでぜひ一度調べてみてください。

水分量は全体の60%を占めます。水分量が減っていると、めぐりが悪い、太りやすい、体調を崩しやすいのでまずチェックしてみましょう。そして、筋肉量と脂肪量で一喜一憂しないように。アスリートの場合は、たんぱく質量も把握しておきましょう。アスリートは20%くらいあったほうがいいかな、と。

これがあって、はじめて、どこでコントロールして減らすのかが見えてくるので、このバランスが崩れていないかをチェックしてから減量をスタートします。

今回はカロリーコントロールで減量をすることをメインに考えてみましょう。

エネルギーを減らす期間や目安

自分の必要量は分かったと思うので、摂取と消費のバランスを計算した時に、1日で500キロカロリー、1カ月に2㎏くらい脂肪を燃やすことを目安にします。これは、IOCでも、推奨されている数値です。

このカロリーコントロールをしていても痩せない人は、血糖値スパイク、糖質中毒のスパイラルに陥っています。

血糖値が下がてくると、食べたい気持ちが沸き上がり、食べられないとイライラが募ります。そうすると、無意識に過食に走りがちで、糖質から脂肪に変えるところが加速してしまいます。そのため、このスイッチをなるべく押さないようにしましょう。

また、エネルギ―代謝を活発化するビタミンB群を積極的に摂る必要があります。B群は、水溶性なのでサプリメントや補助食品などで、コントロールするのもいい。

糖質・脂質・たんぱく質を燃焼するには、B群、亜鉛、マグネシウムがチームになって代謝効率を上げる必要があります。燃やす工場の火力が加齢とともに弱くなってきますので、補酵素と言われる燃焼を助けてくれるものを摂りましょう。

身体が吸収モードになってしまうので、食事の欠食はしないようにします。朝イチの食事はタンパクとビタミンDを意識。しっかり噛んで食べる。食物繊維があるとなおいい。

夜遅くの食事はとにかく消化がいいもの。糖質や脂質は控える。前段階で補食を摂る。欠食してエネルギー不足になると、次の日は吸収モードになってしまう。

ベストな選択よりもベターな選択を

今回のセミナーの内容をなんとなく頭に置いて日々過ごすといいと思います。覚えたことを日々の食事に生かしていただけたらうれしいです。

食べて吸収されたもので身体は作られています。小さな意識と選択の継続が大切です。ですが、こういったセミナーを受けたあとは、やる気があっても自分ではなかなか続きにくいのも事実ですよね。

完璧にこなそうと思うとうまくいかずにやめてしまうことになってしまいます。継続するために無理をしないようにしましょう。毎日1日3回食事があり、年間100回以上食事の選択をしています。ベストな選択よりもベターな選択をすることができることが、継続には大事になる。

©Kenta Onoguchi

<質疑応答>

質問:僕、体重が落ちないんです。今聞いていて、初めて知識として分かったのは、体内の水分量を考えたことがなかった。1日に飲む水分の目安はありますか?

佐藤さん:だいたい2.5ℓの出入りがあるので、これを飲料+食事(スープとか野菜)と運動で発汗する量を摂ると考えると、2ℓくらいは水分で摂ったほうがいいでしょう。そこから、運動したときに運動前後で2%減らないように。運動前後で体重を計ってみて、自分の体重の2%ダウンしている場合は、水分が足りていないと思ってみるといいでしょう。

質問:たとえばランの夜の練習のときに、いつ食事をすればいいか悩みます。夜帰ってから食べるとすると、21時~22時くらいです。体重は維持したい。痩せたいわけではない。あまり食べちゃうと眠りにくいし。どんなものを食べたらいいでしょうか?

佐藤さん:糖質・脂質どちらも多くならないようにします。理想は高タンパク低脂質です。お肉だったら鶏肉、魚カジキとかたらとか白身魚がオススメ。

帰るまでに時間があるなら、分食という考え方をしましょう。トレーニングの後にときにおにぎりを1個くらい食べておいて、帰ってからおかずだけ食べるなど。

たんぱく質をメインで、糖質は最低限で良いのですが、糖質を全く摂らないのはオススメしません。糖質を摂ったほうがたんぱく質の吸収がよくなるので、普通であればお茶碗1杯くらいのご飯なら大丈夫です。


講師:佐藤彩香 Ayaka Sato
管理栄養士・スポーツ管理栄養士・予防医学士。企業・保育園の栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算などの活動を経て独立。大学、実業団、プロチームなどの選手や健康志向の人たちに、実践型の栄養サポートを提供。手掛ける競技は球技から陸上まで多岐に渡る。 https://ayaka-familynutrition.com/
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