Masterが教える「トライアスロン実戦対策」≫≫宮塚英也さん
大会会場であわてず、本当にやっておくべきこと
普段から使っていないものは実戦投入しない
今週末はいよいよ宮古島トライアスロンですが、レース会場に現地入りしてからは、誰もが速やかにレースの準備をして、リラックスして過ごし、気持ち良くレースに臨みたいものです。
しかし、実際にレース会場入りしから、周りの選手の様子を見ていると「あれもやらなきゃ……」「これもやらなきゃ……」といった感じで何かと不安になってきて、あわててしまうトライアスリートも多いようです。
普段から使っているグッズやサプリメントだったらいいのでしょうが、これまでまったく使ったことのないものをいきなり実戦で使おうとして、あわてて準備する選手もいます。
もちろん明らかにレースにプラスになるものであれば取り入れてもいいのですが、実際は良いのか悪いのかよく分からない物であれば、無理して使う必要もないでしょう。
疲労を残すなら無理にコース下見しなくてもいい
レース前日には早めにレース会場に行き、レースの受付を済ませ、レースで使うグッズやサプリメントを大会ブースなどで購入します。そして、その大会が初めて出場するレースであればコースの下見を行います。コースが分かっていればレース時の余裕も違ってきます。
ただ自分の場合は、コース下見を全部するとなると時間もかかってしまい、疲れてしまい、翌日のパフォーマンスに影響すると思うと、そこは思い切ってコース下見をしない勇気も必要だと考えていました。
トランジションエリアこそ入念に確認しよう
それとコースだけなく、トランジションもしっかり前日に確認していたほうがいいでしょう。
私の場合、現役時代にトランジションで、スイムからバイク、バイクからランとトランジションエリアの中でどちらの方向に走り出すのか分からなくなることが何度かありました。
レース前日のトランジションエリアは確認していたのですが、実際の進行方向から見たトランジションエリアの確認を怠ったためです。
スイムアップしてからのバイクラックの位置、そしてバイクラックからバイクスタートラインの位置。バイクフィニッシュラインから見たバイクラックの位置。そしてバイクラックからランスタートラインの位置。実際の進行方向からそれぞれの位置を確認しておくと、トランジションのとき必要以上にあわてることもありません。
■著者プロフィール
宮塚英也(みやづか・ひでや)
切れ味のあるバイク→ランを武器に、日本人で唯一アイアンマン・ハワイのトップ10入りを2度果たした元トッププロ。那須塩原市で「ハイディア トライアスロン&バイク」を営む傍ら、後進のエリート選手や一般アスリートへの指導歴も10年を超える