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【トライアスロン日本選手権2023】アジア金の高橋侑子が圧倒的な強さで完全勝利

投稿日:2023年10月15日 更新日:


ルミナ編集部

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2023日本選手権

©Shugo TAKEMI / Triathlon Japan Media

スイム、バイク、ランすべてで力の差を見せつけた高橋

10月15日(日)、第29回日本トライアスロン選手権が東京・台場で開催された。

注目は海外に拠点を置き、普段は世界のトップ選手たちと練習を共にしている高橋侑子。9月~10月に行われたアジア競技大会では、個人・ミックスリレーともに金メダルを獲得した。ここ3年レーススケジュールの関係で出場を見送っていたが、2020年に出場して以来、3年ぶりの出場となった。

その高橋に、昨年最年少で優勝した林愛望や、国体で優勝(2連覇)し、昨年2位に入った江田佳子(2連覇)らが挑んだ。

8時25分、天気予報を覆すことなくあいにくの土砂降りの中、49名の女子選手がスタート。

©Shugo TAKEMI / Triathlon Japan Media

スイムは750mを2周回で、一旦浜に上がるレイアウト。スタート直後、スイムを得意とする舛田日菜果、柳原咲が飛び出すが、第1ブイを前に高橋が抜け出しグイグイ後続と差を広げ、ほぼ単独泳でスイムフィニッシュ。

トランジションの早さにも自信をもつ高橋があっという間にバイクスタート。33秒の差で、池野みのり、酒井美有、柳原咲、林愛望の順で後を追う。

2023日本選手権

©Shugo TAKEMI / Triathlon Japan Media

バイクは5㎞を8周回する。2周目で池野、酒井、柳原、林が第2集団を形成、前の高橋を追うがその差は縮まらない。

バイクを得意とする、平泉真心、中嶋千紗都、江田佳子が引く第3集団が4周目で第2集団に追いつき、17人のチェイスパックを形成する。

2023日本選手権

©Shugo TAKEMI / Triathlon Japan Media

集団で前を追うが、結局40㎞単独走で後続との差を徐々に広げた高橋が3分以上の差をつけてランへ。ランは2.5㎞を4周回する。

2023日本選手権

©Shugo TAKEMI / Triathlon Japan Media

高橋は、声援に笑顔で答える姿も見せ、全く危なげない走りで3種目ともに圧倒的な強さで完全勝利を収めた。

2周目からサイドバイサイドで2、3位争いを演じた酒井と林は、最終周に入ったところで林がロングスパートをかけ2位に、酒井が3位に入った。

2023日本選手権

©Shugo TAKEMI / Triathlon Japan Media

【女子上位】
1. 高橋 侑子(相互物産/東京)2:01:11(17:58/1:05:06/36:23)
2. 林 愛望(日本福祉大学・まるいち)2:05:15(18:54/1:07:29/36:59)
3. 酒井 美有(トーシンパートナーズ・チームケンズ/山梨)2:05:25(18:38/1:07:48/37:10)
4. 平泉 真心(流通経済大学)2:05:46(19:24/1:06:57/37:30)
5. 池野 みのり(SAGA SPORTS PYRAMID/佐賀)2:06:23(18:34/1:07:58/38:10)

▼全リザルト
https://www.jtu.or.jp/national_championships/2023result.html

▼JTU YouTube(アーカイブ配信)
https://www.youtube.com/watch?v=fvcw53cUctI

2023日本選手権

©Satoshi TAKASAKI / Triathlon Japan Media

《優勝した高橋侑子選手のコメント》

スイムから行くと決めていたんですけど、ここまで開くとは思っていませんでした。バイクに関しては、雨の状況だったんで、とにかく安全第一に、その中でもしっかり気持ちを切らさずに進めて、ランでもペースを刻みながら、最後まで気を引き締めていったので、その面では全体をとおして、レースをまとめられたかなと思います。

3年ぶりのお台場は、やはり自国のレースというのは、格別だなっていうのはあらためて思いました。こんな雨の中でも本当にたくさんの人が応援してくださって、楽しかったですし、うれしかったです。

今まで過去3年はタイミング的に、海外のレースが残っていて帰ってくるのが難しい状況で出場できなかったんですけど、今年は今後アジアでのワールドカップがあるので、ちょうど日本にいるタイミングでしたので、やはり日本でレースは楽しいですし、日本の皆さんの前でレースをする機会がなかなかなかったので、日本でレースがしたいなという想いで、出場を決めました。

レースは、とにかく強い気持ちをもって、最後まで押していく。それができたかなと思います。

パリを見据えてと考えると、やはり、アジアのレースだったり、国内のレースでは実力を発揮できているんですけど、海外のレースではなかなかまだスイムで出遅れてしまったりとか、環境によって、左右されてしまうことがあるので、どのような環境でも最後まで力を発揮できるような力を付けていきたいなと思います。

トライアスロンってすごく難しくて、自然との闘いだったり、他の選手との闘いがあったりするので、いつでもどんなレースでも毎回新しい発見があるので、すごく難しいところもあるんですけど、そういった経験を積んでいく中で、どんな状況でも対応して力を発揮できるようにしてきいたいですし、何が必要なのかっていうのを考えていきたいです。

今シーズンで言えば、前半はなかなか思うようにいかないことが多かったんですけど、後半はすこしずつ、レースの流れにのれるようになってきたので、そういうところは少しずつ良くなってきているかなと思います。

そこであまり一喜一憂せずに、世界との差がまだまだあるっていうのは身をもって実感しているので、その差をどれだか埋めていけるかっていうのがこれからあと(パリオリンピックまで)1年ないので、課題になってくるかなと思います。

 

2023日本選手権

©Shugo TAKEMI / Triathlon Japan Media

《2位に入った林愛望選手のコメント》

目標は表彰台だったので、それは取れて一安心です。

今回のプランとしては高橋選手がいるということで、世界との差を肌で感じるというのが一番の目的だったんですけど、スイムから高橋選手に出遅れる形になってしまって、肌で感じるられる位置でレースができなかったんですけど、それでもスイムは思っていた以上の位置で上がることができて、レース全体的にはスイムを一番頑張ろうと思っていたのでそれができたので、良かったかなと思います。

バイクは、後ろの第3集団に追いつかれてしまったんですけど、割と余裕をもって終えることができ、得意とするランではラストで競り勝つことができたので、良かったかなと思います。

高橋選手と一緒にレースできなかったとこは悔しい部分でもあるんですけど、それだけ強かったというか、それだけ世界との差は大きいと実感できるレースはでした。

ランは、気持ちで勝とうという想いで頑張りました。

バイクからランは、思ったより脚がきつくて、最初の5㎞は落ち着いて、先頭を引いてくれる酒井選手がいたので、つかせてもらえて少し余裕をもって走ることができました。

2周、5㎞くらいからは、少し慣れてきて、少し余裕も出てきたので、良い走りで最後まで走りきれたかなと思います。

今回、高橋選手と2回目のレースだったのですが、本当にひとりでもレースを展開できて、日本人で一番強い選手だと実感しました。世界との差もあるので、各種目特にスイムですけど、レベルを上げていって高橋選手と同じくらいに上がれるようになりたいと思います。

>>男子のレースリポートはコチラ

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