GIANT PROPEL
Kristian Blummenfelt
エアロ×剛性の最適解。
数々の勝利をともにしてきた究極のエアロロードGIANT PROPELと、その足まわりを支える
CADEXホイールシステム。Big Bluが信頼を寄せるトライアスリートの最適解
文=東海林美佳 Text by Mika Tokairin 写真=小野口健太 Photographs by Kenta Onoguchi
最新の風洞解析シミュレーションにより生み出されたエアロ形状のフレームデザインと、レスポンシブな剛性、完成車重量6.8kg(Mサイズ)という軽量性を兼ね備えた究極のエアロロード。
WHEEL CADEX 50 ULTRA DISC
ジャイアントのプレミアム・パーツブランドCADEX(カデックス)のカーボンエアロホイール。ブルンメンフェルトや盟友グスタフ・イデン、エマ・ロンバルディ(P54-55)らトップトライアスリートが愛用するこの「50ULTRA」(リム高50mm)のほか、超軽量な40mm高の「MAX 40」も新たにリリースされている。【詳細は公式サイトでCheck】
GIANT PROPEL
CADEX
オリンピック、WTCSグランドファイナル、アイアンマン&70.3世界選と、距離カテゴリーを超えて、世界のメジャーレースで数々の勝利を上げ、「世界最強トライアスリート」の名を欲しいままにしてきたノルウェーのトップ選手。アイアンマン&70.3での活躍を挟み、参戦したWTCS横浜ではスイムで好位置につけ、総合10位でフィニッシュしている。1994年生まれ。
ショートのレースでも
空力性能は重要視されている
――ジャイアントに乗るようになったのはいつからですか?
僕がさまざまなレースで優勝するようになる少し前に、ジャイアントからオファーをもらってサポートを受けることになったんだ。初レースは2021年の横浜。ここで優勝を決めることができて以来ジャイアントとカデックスは僕のすべての勝利とともにある。
――ビクトリーロードをともに歩んできた相棒ということですね。
エアロロードバイク、プロペルの前モデルが初めての相棒。今は最新のプロペルに乗っている。速くて軽いのはもちろんだけど、僕が好きなのは遊び心があるところ。バイクの楽しさを満喫できる最高のバイクだね。
剛性が高くてレスポンシブだから、テクニカルなコースでも自在に操れる。そしてエアロダイナミクスに優れている。ウィンドトンネル(風洞テスト)での数値も素晴らしい。
――ショートコースのドラフティングレースでも、エアロ性能はやはり重要になってくるのでしょうか?
バイクが集団になったとしても僕の場合は前を引くことになるから風の影響を受けることが多い。だからロードバイクにおいてもエアロ性能はかなり重要な要素になってくるんだ。ショートのレースでも、みんな以前よりエアロ性能を重視するようになってきている。
空気抵抗を減らせれば、ランに向けて脚を残すこともできるからね。今僕は決戦に向けてさらにエアロ効果を高めるためのポジションを試行錯誤しているところ。
僕は(アイアンマンなどのロングやノンドラフティングレースで乗っているトライアスロンバイク)CADEX TRIに、「ボディロケットシステム」というバイクに搭載して実走行での空気抵抗を測定できる装置を付けて、ライド中のCdA値(空力性能を測る指標)をチェックしているけれど、プロペルにもこれを付けて、エアロでありながら効率的にパワーを使えるポジションの最適解を探っているんだ。
現在はより幅を狭くした姿勢を保つため、ステムを10㎜伸ばしたポジションを試してるところ。
――エアロ性能の他に、ロードバイクに求めるものはなんですか?
大集団での走行では、集団の動きに素早く反応できるかどうかがキーになる。その際に必要なのがレスポンスの良さ。先頭でアタックをかけるときは瞬時に飛び出さなきゃいけないから、バイクの機敏さは重要な要素。
その点、プロペルは軽くて剛性が高いから、打てば響くように反応してくれる。
――フレームのカラーリングはオリジナルですよね。
そう、白とゴールド。KB LIMITEDという名称で限定モデルとして市販もされてるよ。横浜では同じカラーリングのプロペルに乗っているエイジグルーパーにふたり会ったよ。嬉しいね。
フラットなコースならこのホイールがベストチョイス
――ホイールはカデックスの50 ULTRA(リム高50㎜)を使っていますね。こちらの使い心地は?
非常に高いエアロ性能をもちながらも、コントロールしやすいホイールだと感じてる。通常、エアロダイナミクスとコントロールしやすさは相反するものだけど、50 ULTRAはその両方で高い性能をもっている。フラットなコースでのレースなら50㎜がベスト。
最近40㎜のモデル(MAX 40)もリースされたけど、こっちはより軽量なので、起伏のあるコースや、楽にドラフティングできる集団走行に合うホイールだと思うな。トライアスロンなら僕の場合は(ノンドラフティングルールのレースと同様に)重量よりエアロ性能を重視したいから。
――トライアスロンのバイクで強くなるために必要なことは何ですか?
まずはたくさん乗ること。それと、ポジション。やはりエアロダイナミクスと乗り心地の最適バランスを見つけ出すことは大事だよね。
――トレーニングはインドアとアウトドア、どちらが多いですか?
アウトドアで乗ることがほとんど。自然の中、特に山でのライドが好き。山はもちろんロードバイク。上りでは軽くてダンシングもしやすいし、下りではテクニカルなコーナーを楽しめる。
一方で、TTバイクでエアロバーを握ったままひたすらハイスピードでペダルを踏み続けるのも別の喜びがある。まるで空気をナイフで切り裂くかのような疾走感が最高なんだよね。