LAVA TRI Party 台湾/台東
楽しくミドルデビューから
ロング対策のトレーニングレースにもオススメ
IRONMANをはじめとする世界のトライアスロン大会がもつ魅力のうち、競技としての醍醐味ではなく、一般的なスポーツイベントとしての「お楽しみ要素」を徹底して追求すれば、より多くの層の人々が参加するレースイベントができるのではないか?
アイアンマン&70.3台湾を長年にわたり手がけてきたレニー・リンさんが、そうした仮説的なテーマのもと立ち上げた「LAVA TRI Party」は2024年3月に第2回大会が開催され、1回目を大幅に上回る約4000人の参加者を集めることに成功した。
2025年3月8日に開催される第3回大会では、よりニーズの高い51.5km~ミドル(Swim1.9km/Bike91km/Run21.1km=IM70.3の距離)にカテゴリーを絞って開催されることになり、前回に続き、日本人優待枠が設けられた(詳細・エントリーはコチラ ※2025年1月9日〆切・先着10枠限定)
台湾で人気を博しているこのイベントのユニークな魅力とは一体、どんなものなのか?
2024年、この大会でアイアンマン・ディスタンスを「楽しく」完走した本誌編集長ムラヤマのリポート(Lumina2024年7月号掲載)をここに再掲しよう。
初めてのIMディスタンスも
遊ぶように完走、できる?
《2024年レースリポート》
レース体験・文=村山友宏(Lumina編集部)
今年で26年目を迎えた我がトライアスロンライフ。ロングのレースは格別に取れ高が高く、専ら仕事相手として向き合ってきたから、自ら出場できたのは昔々の宮古島くらいだった。
端から取材しているより自分でやったほうが絶対楽しいのがトライアスロン。いつかどこかでアイアンマンの距離もやってみたいなぁ--とは思っていたが、その「とっておきのお楽しみ」を堪能できるチャンスとして現れたのが、このLAVA TRI Partyだった。
台湾の、のどかなリゾートエリア台東を舞台とするこのレースは、昨年、台湾トライアスロンの優しきドン、レニー・リンが立ち上げた新しい大会で、「制限時間や競技性にとらわれない、誰にでも開かれたトライアスロンを」という新しいコンセプトの下、226㎞、113㎞、51・5㎞の3カテゴリーのレースを行うというもの(※編注:2025年は226㎞部門はナシ)。
226㎞――つまりはアイアンマンディスタンスの部門でも制限時間がたっぷり19時間あり、道中、バイク、ランのエイドには宮古島大会を愛してやまないレニーさんが仕込んだ台湾グルメやおやつの数々が用意され、レースというよりツーリング感覚でロングのトライアスロンをも楽しんでしまおうという趣向。
昨年の第1回大会を取材し、看板に偽りナシのゆるくて・楽しそうなレースデイを目の当たりにした僕は、「これならすぐにでも出たい!」と素直に思った。
かくして今回、レニーさんからLumina特別枠をもらい、篠崎友さん(プロトライアスリート/Monster Triathlon Club)らほかの日本人選手とともに226㎞のレースに参戦した。
制限時間がゆるいとはいえ、僕にとっては初めてのアイアンマンディスタンス。トレーニング不足は相変わらずで、レース直近3カ月の週平均練習時間は4時間半にも満たないという体たらくだが、それでもIMディスタンスは楽しめるのか? そんな裏テーマで臨んだレース当日。
結論から言ってしまうと・・・ただただ楽しかった。
制限時間に追われず、ゆっくりペースで4kmほどの朝スイム/180㎞のツーリング/42kmのグルメ・マラニック--そう気持ちを切り替えれば、この距離フォーマットも十分楽しめる。
しかもこの大会の場合、途中のエイドにさまざまなお楽しみフードやイベントが用意されていたり、レース中とは思えないほどリラックスして、マイペースをキープできる雰囲気に満ちあふれているから、完走を危うくするオーバーペースに陥るリスクも少ない。
思い思いのペースで、旅するように楽しめるLAVA TRI Party。ゆるゆるトライアスリートの僕にとっては、これ以上ない理想的な226㎞デビューとなった。
次回は2025年3月8日。残念ながら226㎞の開催はなく、この2回の開催でニーズが高かった113㎞と51・5㎞に絞って開催とのことだが、このイベント本来の「お楽しみ」を余すことなく味わうには、ミドルくらいがちょうどいいかもしれない。