トライアスロンにも最高グレードを
SHIMANO TR903
歴代アイアンマン世界王者からエイジグルーパーまで、世界中の選手たちに支持されているシマノのトライアスロン専用設計シューズ「TR9」。
他に類を見ない開発のこだわりを担当者の松井正史さんに聞いた。併せて上田藍選手が愛用する理由を紹介する。
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松井正史 Masashi Matsui
株式会社シマノ シューズ商品企画担当。2018年からサイクリングシューズ担当となり、8年目。TR903はイチから作り上げた。
上田藍 Ai Ueda
五輪3大会連続出場、ITU世界ランク3位などの金字塔を打ち立ててきたプロトライアスリート。リソル・稲毛インター所属。
高次元でバランスされた最強のトライアスロンシューズ
松井 シマノのトライアスロンシューズは通算5〜6世代続いていますが、ハイエンドの証である「S-PHYRE」の名を冠したのは今回が初めてです。ロードで培った技術とトライアスロンに特化した構造で、「最高のものをトライアスリートにも届けたい」という思いから生まれました。
前作との一番の違いは、BOAダイヤルを採用したことです。
ただ、トランジションの速さも重要視されますので、ワンタッチで大きく締められる従来のT1クイックストラップも不可欠だと考え、併用する形にしました。
上田藍選手をはじめ、細田雄一選手、北條巧選手ら、国内選手のフィードバックを受けながら試作を繰り返し、BOAダイヤルとストラップの最適な位置関係を探りました。

【BOAダイヤルとストラップでよりトライアスロン仕様に】 走行中でも微調整がしやすい、最新のBOA®Li2ダイヤルを採用。トランジションをスムーズにするためのT1クイックストラップとの併用でよりフィット感が増し快適性がアップ
また、アッパーパネルの素材も重要視しています。通気性や形状保持性、フィット感を両立させるため、シンセティックレザー(合皮)とメッシュを適切に配置し、異素材を使いながらも足のフィット感がある仕上がりになっています。
トライアスロンは水濡れが多いため、通気性が良いロードシューズRC7のソール構造を活用するなど、競技特性に特に配慮しています。
さらに、足入れを一発で成功させるために、足入れ空間のパネル同士が立った状態で保持しやすいように、甲の部分に少し芯を入れて、硬めに立ちやすくしています。その上で、裸足ではいても違和感がないよう、縫い目や当たりを極力抑える工夫もしました。
トライアスロンに最適 ミッドソール構造の導入
シマノのロードシューズでは定番化している技術なのですが、今回のモデルから「ミッドソール構造」を導入しました。一般的なシューズでは「ラスティングボード」と呼ばれる仮底を入れてからカーボンソールを貼るため、ソールは二重構造になり、スタックハイト(足とペダルの距離)が高くなってしまいます。
そこで、仮底を排することで足裏がソールに近く、ダイレクトなペダリングを可能にしました。さらにラスティングボードをなくしたことで、水を吸って重くなる問題を解消、排水性も上がったため、スイム後や給水で水をかぶった際も快適です。
軽さと実用性を兼ね備えたトライアスロンに最適な構造になっています。実は、セカンドグレードのTR5には、TR9よりも先にミッドソール構造を採用していまして、ロードシューズのようなフィット感と踏み心地を目指しました。こちらも非常に完成された、オススメのシューズです。

【選手のフィードバックからループの角度も微調整】「従来は、上から指を入れる形の角度になっていたのですが、選手のフィードバックから、もうちょっと横向きのほうが最近の選手の要望に合っていそうだと変更しました」(松井さん)
ランを見据えた剛性を模索
ソールの硬さについても開発チームで議論がありました。ロードのハイエンドモデルと同等の硬さを求める声もありましたが、実際にテストすると、少し柔らかいほうがランへの影響が少なくバランスが良いということになりました。
このように、国内選手のフィードバックは非常に細やかなので、そういった面で妥協しないシューズづくりができています。
また、サイズによる制限も難しい部分です。小さいサイズではBOAとストラップの配置スペースが限られますが、それでも機能を十分に発揮できるように調整しています。

【ロングでも裸足ではける快適なはき心地】「1年中裸足ではいていますが、足のトラブルは一切ありません」と上田選手が言うように、ライナーが柔らかく、裸足でも擦れや不快感なし。長時間でも快適なはき心地を実現
レース~冬の練習までTR9
裸足ではいてもストレスなし
上田 BOAダイヤル搭載のトライアスロンシューズは初めてでしたが、締めた瞬間、足全体が包まれるようで、ペダルとの一体感が増しました。緩めたり締め直したりしたくなる場面でも簡単に微調整できます。
また、足のサイズが36(22.5cm)と小さいのですが、松井さんが言うようにしっかり機能の恩恵を得られています。
それに、私はトレーニングでもレースでも1年中、それこそ冬でも裸足でシューズをはくのですが、足入れがしやすく、擦れたり当たったりすることがありません。
通気性が良く蒸れないので長時間でも快適です。よく、練習ではロードシューズという人もいますが、TR9ならオールマイティーに使えます。
昨年12月にヒザの手術をしたので現在はインドアバイクでリハビリをしていますが、足の感覚を研ぎ澄ますのにも役立っていると感じます。
この一足でレースに戻るのが楽しみです。
SHIMANO TR9(TR903)
サイズ:36~38、39~43(ハーフサイズあり)、44~48
カラー:ブルー
重量:250g(メンズ・サイズ42)
価格:50,600円(税込)
専用シンセティックレザーのアッパーは撥水性が高いのに加え、通気性を高める速乾メッシュパネルも採用
SHIMANO TR5(TR501)
サイズ:36~46
カラー:ホワイト
重量:247g(メンズ・サイズ42)
価格:23,540円(税込)
抜群のフィット感とパフォーマンステクノロジーを融合させたトライアスロンシューズ
\11月2日(日)開催「しろさとTT200」の会場で試しばきができる!/
シマノブースでTR903の全サイズ(22.5cm〜30.5cm)の試しばきが可能。
さらに当日は、記事内でもコメントしてくれたシマノサポートアスリートの上田藍選手がブースに登場。
※上田選手は常駐せず、登場タイミングは未定。
◎シマノ自転車お客様相談窓口
TEL.0120-495-440(通話料無料)
https://bike.shimano.com