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コナに挑む強豪エイジと白戸太朗さんに訊く、VENTUM実戦投入レビュー

投稿日:2017年10月11日 更新日:


VENTUM ASIA

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©VENTUM ASIA

Z型という革新的デザインのフレーム「VENTUM」が世に生まれて出て3シーズン目、日本に上陸して2シーズン目となりました。日本代理店であるVENTUM ASIA による初めてのVENTUM Rider’s Meeting で、撮影も兼ねての走行会を行いましたが、迫力満点。VENTUMだけの集団は、やはり目を引きます。コナを控える強豪エイジの湯尻淳也さん、若山源二朗さん、そして東京都議会議員の元プロトライアスリートでアスロニア代表でもあるの白戸太朗さんも参加されていたので、お話をうかがいました。

写真左から若山さん、湯尻さん、白戸さん。いずれもIRONMANの実戦にVENTUMを投入している ©VENTUM ASIA

僕がバイク180.2㎞で5時間を切り続けている理由。

湯尻淳也さん

VENTUM ASIA(以下VA 今年のIRONMANアジアパシフィック選手権ケアンズ大会で9時間24分(バイクラップは4時間55分)の好タイムを出し、コナ出場を決めました。

「バイクは3月から5月まで3カ月くらいは(月間)1000km以上、5月は1500kmくらい乗りました。それなりに仕上がってきて、タイムに関して言えば、今年のケアンズは条件が良く、タイムが出やすかったです」

VA かなり距離を乗っていますね。日本人バイクラップ1位は元MTB五輪選手の竹谷賢二さん(4時間47分)でしたが、それに次ぐ2位です。日本人の中で、IRONMANのバイクパート(180.2㎞)は鬼門。なかなか5時間を切る選手がいない中で、過去にもコンスタントに5時間を切っていますよね。何か、アドバイスをいただけますか?

「バイクだけ速くてもね〜(笑)。その後に走れないと意味がないので、ちょっとだけ、頭にバイクの後のことを考えて走ってるよ」

VA 余力を残しての5時間切りは凄いことだと思います。他の選手に比べて、何か特別なトレーニングをされているのですか?

「特別なトレーニングはしてないよ。距離を乗ります」

VA 強度はゆっくりですか?

「いや、なるべく高強度で頑張って乗っている。僕は、パワータップを使ってパワー管理をしています。速度よりパワー、いくらスピードが出ていても、パワーが出ていなかったら楽をしているわけだからね。

VENTUMに乗り換えてパワーセーブできているか、顕著なデータ差はわからないけど、VENTUMで下りや足を止めたときに『速さ』を感じるから足が残るのが明らかだよ。コナの折り返しの後にある長い坂とか、バイクをこいでいる人を、足を止めていても抜ける。その分、足を温存できる。

IRONMANのバイクパートでは安定して4時間台をマークしている湯尻さん(写真右)その速さは徹底した走り込み(乗り込み)に支えられている©VENTUM ASIA

VENTUMに乗って2年。特殊な形をしているから、硬そうに見えるけど、硬くもないし、衝撃吸収も良い。上りもこなせて、何より曲がれる。(扱いやすさは)普通のバイクなので、先入観をもたずに乗って欲しいですね。

それに、プロのメカニックがレースに帯同してくれるなら、(空気抵抗を少なくするために)どんな複雑なブレーキでもいいのだろうけど、僕らはそうじゃない。トライアスロンは基本的には自分で(メカでも)なんでもやらないといけないから。レース中のトラブルだって自分で処理できるバイクのほうがいいよね」

VA コナでの目標をお聞かせいただけますか?

「今年はカテゴリーの最終年なので、どこまで順位で上にいけるか。タイムでは9時間半を切りたい。自己ベストは2008年のアイアンマンジャパン(五島)の9時間19分です。9年前だけど、今年のケアンズでは同じくらいのタイムで走れているので、状態は上がってきているのかなと思います」

VA コナで9時間半を切ったら日本人1位かもしれませんね。コナでの活躍、期待しています!

レースごとにバイクラップが5分、10分と向上している。

若山源二朗さん

©VENTUM ASIA

「今年はなかなかコナの権利が獲れなくて、最後の最後にIMカナダで獲ることができました。得意のスイムでは日本人トップで上がっても、バイクでズルズル、後ろに順位を下げてしまうパターンだったので、毎月1000km以上を乗り込んでいます。適切なトレーニングが積めてきたのもあるけれども、前のバイクからVENTUMに乗り替えて、毎試合バイクのタイムが5分、10分単位で上がってきています。コナでも、このバイクで外国人と戦っていきたいです」

VA VENTUM に乗り替えてタイムアップとは本当に嬉しいコメントです。検討している方へ一言いただけますか?

「試乗してみると、VENTUMの直進性を実感できると思うので、試乗してみてほしいですね。それにVENTUMは前後輪外して、シーコンにそのまま入れられるので、パッキングで苦労したことがないのもお勧めポイントです」

VA コナでの目標をお聞かせいただけますか?

「コナでは、バイクで順位を大きく落とさないで、ランに持ち込みたい。コナでは毎年良いタイムが出せていないので、10時間に近いタイムを狙っていきたいと思います」

構造上の理想、使い勝手が考えられていて、無理がない。

白戸太朗さん

VA 今年のIMテキサスでは、サブ10の好タイムでしたが、惜しくもコナの権利は獲得できませんでした。VENTUMに乗った感想などはいかがでしょうか?

「VENTUMの特長でもある空気抵抗の少なさというのは、時速が上がってこないとわからなくて、20km/hじゃわからないけど、30km/hを超えてくるとよくわかる。本当にスーっと行く感じ。それに、思ったより普通の自転車で気持ち良く乗れる。トライアスロンやるなら、乗ったほうがいいよ。アドバンテージが必ずあるから。でも、乗らないなら、僕らだけ得できるから、それでもいいのだけど(笑)。

アイアンマンは、その瞬間に速いというより、トータルで上手に走るのが大事、これはそういう走りができるバイク。下りで足をためて、その後の上りは、スピードを長いこと殺さずに維持して上れる。だから別に上りで軽いわけじゃないけど、速い。アイアンマンは一部の大会を除いて、長い峠があるわけじゃないから、登りも普通にこなせるよ。

それに助かっているのは、遠征でのパッキングがしやすいこと。TTバイクは大抵特殊で、梱包が難しいものが多いけど、このバイクは極めてシンプル、融通が効くように作ってある。見た目で特殊なイメージをもつかもしれないけど、意外と乗り味も、使い勝手も普通で乗りやすい。構造上の理想はもちろん、使い勝手もよく考えてくれていて、無理がない。だから、(空力学者など現場を知らない人ではなく)自転車を良く知っている人が設計しているのでしょう」

都議として、新しい生活をスタートさせた白戸さん。ライフワークであるIRONMANにも引き続き取り組んでいきたいと語る ©VENTUM ASIA

VA 7月の都議選で当選され、都議に。生活は変わりました?

「今はもちろん新しい仕事がメインですから、そして今年は10月にレース(コナ)がないので、気楽な夏を過ごさせてもらいました(笑)。何のプレッシャーもない、朝起きて練習しなきゃと思わない(笑)」

VA 今後はどういったバランスでトライアスロンとは関わっていきますか?

「別にずっとトライアスロンを休むわけではないけれど、今は新しい生活が始まったばかり。仕事のペース、生活のペースというものができていない。そういった意味では本格的なトライアスロンのチャレンジというのは、仕事、生活のリズムやペースがつかめてきてからです」

VA 都議の1日の仕事とは実際にどのようなものでしょうか?

「やってみてわかったことだけど、正直なところ、その人次第なんです。議会がなければ個人の裁量幅が大きい。自分の中で、何をどのくらい活動するかを決めることができる。だから、ものすごい量の仕事をされている方もいるし、そうでないように見える方もいる。個人差が大きいです。ただ、わが党は政策や質問内容もすべて議員が作っているので、やるべきことは多いです。

自分が何のために、このポジションに選ばれたのかを考え、何がしたいのかを考えて活動していかなきゃいけない。僕は、今のところは都庁に行っての仕事が多いけど、これからますますそうなっていくと思う。それが僕に与えられた任務だと思うので、今はそれを頑張りたい」

VA 議員さんとしての目標は?

「それはもちろん、議員でアイアンマン、ですよ(笑)。もちろん、アイアンマンにチャレンジするような機会があればね。アイアンマンは自分の中でのライフワークだから。

それはおいといて、やはり僕の目標は2020年東京オリンピック、パラリンピック。そこへ向けて東京都として向かっていく、それがまず第一目標。使命と思っているし、周りもそう思ってる。(他にも仕事はあるけれども)重点科目として頑張りたい」

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