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ふたりのOn創業者が見た、にっぽんの「#OnFriends」たち。

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ルミナ編集部

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Onブランドを創り上げた共同創業者、キャスパー・コペッティ(写真左)さんと、オリヴィエ・ベルンハルド(同右)さん(プロフィールはページ最下段に掲載)

 
「より速く」は当たり前、それ以上に「ランニングを、もっと楽しくしてくれる」ブランドとして世界を席巻し、日本でも多くのトライアスリートを虜にしている「On」。そのモノづくりや世界展開の源である共同創業者ふたりが東京マラソンにあわせて来日。さらなる広がりを見せる「Onの世界」と、独自の発展を遂げている「にっぽんの#OnFriends(コミュニティー)」について、大いに語ってもらった。

撮影/小野口健太、武智佑真 
取材/東海林美佳

意欲作「クラウドX」が、“走れる”けれどラン専用じゃない意味

——今年、新コンセプトの意欲作「クラウドX」(写真上)が世界最大のスポーツ商品展示会ISPOにおいて賞を受賞したそうですね。この意味・意義はどうとらえていますか?

オリヴィエ・ベルンハルド(以下B) 「クラウドX」はランニングに加え、クロストレーニングにも幅広く多用途に使える新コンセプトのシューズです。「ヘルス、フィットネス & インドアトレーニング」部門はコンペティターもより多いカテゴリーで、今回のこの受賞はとても光栄なことだと思っています。

——これは「On」がより広いカテゴリーへ進出していくことを意味するのですか?

キャスパー・コペッティ(以下C) Onの根底にあるのは、あくまで「ランニングを楽しむ」というコンセプトで、このシューズにおいてもそれは例外ではありません。「クラウド X」の今回の受賞は、ランニング以外のスポーツを楽しむ人や、まだランナーになっていない人といった、我々にとって新しいマーケットに、ランニングの素晴らしさを届けるための機会になると考えています。

 ランニング時だけでなく、それ以外のときにも快適にはける製品を提供することが、ひいては多くの人をランニングへと導くひとつの道だと思うんです。「クラウドX」をはいてジムに通い始めた人が、やがてジョギングをするようになり、3年後には東京マラソンのスタートラインに立っているかもしれない。そんなシューズになればと思っています。

——あらためて「クラウドX」が開発された経緯を教えてください。

 これは「クラウド」からの派生で、スポーティーな人たちの日々のライフスタイルに寄りそったものになっています。具体的にはランのみならずジムトレーニングやダンスにも快適に対応するため、アッパーに前方向への動きに加えて左右方向の動きにも対応したエンジニアードメッシュを採用しています。

また、ヒールのパッディングも大きな特徴のひとつ。3D形状になっていて、カカトとアキレス腱のくぼみにフィットしながらしっかりホールドされる(写真下)。このカカトのホールド感によって、フォアフットがより自由に動けるようになっているのです。

 アウトソールは、ユーザーからのフィードバックが多かった “石が挟まる”という問題を、切り込み部分を斜めにカットすることで解決した設計になっています(写真下)。これまでご不便をおかけしましたが、もう大丈夫です(笑)。耐久性もより高めています。

 一方で、強調したいのは「クラウド X」は “走れる”シューズだということです。

例えばこれまで「クラウド」でレースを戦ってきたニコラ・スピリグ()は「クラウドX」が一番のお気に入りで、今はこっちをはいて走っています。「クラウドX」はとても軽くてハイパフォーマンスなシューズでもあるんです。

足の自由度が高いのでストレスが少ない上に、アッパーが足を包み込んでくれるため、スピードボードから得られる反発力もより高く感じられるようになっています。

※ニコラ・スピリグ・・・ロンドン・オリンピックで金メダル、リオで銀メダルを獲得したスイスの女子トップ選手。リオのレースでもクラウドをはいて走るなど、レースシューズとしてのOnの実力を証明しているアンバサダーのひとり。

2018年、トライアスリートは「On」シューズをどう選ぶ?

——「クラウドX」も加わり、さらに多彩な選択肢がある「On」。トライアスリートへのシューズ選びのアドバイスをお願いします。

 ハビエル・ゴメス(※)の例をもとにご紹介しましょうか。彼の場合はショートのレースでは「クラウドフラッシュ」を使っています。ミドルとロングでは「クラウドフロー」です。

 ハビエルは、ショートで「フロー」を使うこともありますね。アップダウンの多いコースは「フロー」、よりスピードが必要なフラットのコースでは「フラッシュ」を選んでいます。

以上は、彼の好みと走力にも関係しているセレクトですが、エイジグルーパー向けのアドバイスを加えるとすると、ショートなら、「クラウドフラッシュ」か「クラウドラッシュ」、それに「クラウドX」もおススメです。

ミドル以上になると「クラウドフロー」に加えて「クラウドフライヤー」もいいと思います。特にロングのレースでより安定性と快適性を求めるなら「クラウドフライヤー」はおススメです。

それぞれ機能性と走り味が違うので、あとは試してみて自分の好みに合うシューズを見つけて欲しいですね。

※ハビエル・ゴメス・・・ITU(スタンダードディスタンス)サーキットの看板選手として世界選手権5勝、IRONMAN70.3、XTERRAの世界王者にも輝くなど、7つの世界タイトルをもつスペインのスター選手。

>>ハビエル・ゴメス関連インタビュー記事を読む

数年ぶりに日本を訪れたオリヴィエさん、東京マラソンEXPOのブースやラン練習会で日本の#OnFriendsたちとのコミュニケーションを愉しんでいた

日本のユーザーは、Onに対する理解や知見のレベルが高い。

——オリヴィエさんは今回の来日の際には#OnFriends(※)とも走ったそうですが、いかがでしたか?

 約90分、走って、話をして、ランニングのアドバイスをするというイベントだったのですが、素晴らしい体験でした。日本のユーザーにOnがどんな風に受け入れられているかを肌で感じることができました。

直接話をして感じたのは、日本のOnユーザーは、Onに対する理解や知見のレベルが高いこと。そしてコミュニティーとしての雰囲気もとても良かった。東京マラソンのブースでは、わざわざ立ち寄って挨拶をしてくれた人もたくさんいましたよ。

※#OnFriends・・・On Japanではコアユーザーはもちろん「ランニングを楽しむ」Onのブランド・コンセプトに共感するファンを#OnFriendsと位置付けており、今季は全国各地で#OnFriendsとの交流を深めるイベントも展開される。

 日本以外でもOnユーザーはある種の一体感があって、ジョグ中にすれ違ったランナーがOnをはいていたら、挨拶をし合うようなことはよくあります。ただ、#OnFriendsのようなコミュニティーは日本だけですね。日本の文化にフィットしている試みだと思っています。

世界的にレベルの底上げが進む、トライアスロンのラン

——元プロトライアスリートのオリヴィエさんに伺いたいのですが、51.5kmにしても、アイアンマンにしても、昨今のトライアスロンのランはさらに高速化しつつあります。今のトップトライアスリートのランを、どう評価していますか?

 僕の印象としては、高速化というより、全体のレベルが上がって実力が拮抗してきているという気がしています。アイアンマンで言えば、以前は10人ぐらいが8時間から8時間10分ぐらいのレンジにいましたが、今ではその5倍ぐらいの人数がその狭いタイムレンジの中にひしめいている。

エイジグルーパーも同様です。ハイレベルなアスリートが増えて競争が激化している。全体の底上げ感を感じますね。これは、トライアスロンというスポーツの成熟を意味しているのではないでしょうか。

——去年のコナでの優勝者パトリック・ランゲの走りはどう感じましたか?

 僕自身もランを強みにして戦っていた選手でしたから、パトリックのような選手の台頭はうれしいですね。ただ、今のアイアンマンは1種目だけ強くても勝てないと思っています。スイムもバイクも強くないと。競争が激化していて、よりタフさが求められるようになってきているので。

——キャスパーさんは、世界のマーケットを把握されていると思うのですが、日本のマーケットをどうとらえていますか?

 Onにとって日本のマーケットはとても重要です。なぜならクオリティやテクノロジー、そしてスタイルに至るまですべての面で高いレベルを求められる、他にないマーケットだからです。ここで認められるためには、我々も相当の努力が求められていると思っています。

一方で、日本で通用すれば世界のどこでも通用する。日本は Good is not good enough.(Goodでは十分ではない)というマーケット。Excellent(卓越)までいかないと。日本は、Onブランドを高めてくれるマーケットなのです。

世界を席巻するOnだが、日本のようにそのユーザーやブランドファンが良質なコミュニティーを形成しているのは、特別な事例だという

■プロフィール
オリヴィエ・ベルンハルド(=写真右)
アイアンマン・ヨーロッパチャンピオンに6度、デュアスロン・ワールドチャンピオンに3度輝いた元トップアスリート。プロアスリートとしてのキャリアを引退後、Onの創業にかかわる。現在も商品製造開発部門の責任者として、日々ランニングを楽しんでいる。

キャスパー・コペッティ(=同左)
友人のオリヴィエ・ベルンハルド、デイビッド・アレマンと共に、2010年スイス・チューリッヒでOnを創業した共同創業者。セールス部門の責任者として日本をはじめ世界各国を飛び回り、Onならではのコンセプトを世界に広めてきた「グローバルブランド・On」立役者のひとり。

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