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ワンツー・フィニッシュのイギリス勢が失格。ダフィーが復活V《プレ五輪 女子》速報

投稿日:2019年8月15日 更新日:


ルミナ編集部

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東京の夏の酷暑にも見事に対応し、ワンツー・フィニッシュを決めたかに見えたイギリス勢(写真左からジョージア・テイラーブラウン、ジェシカ・リアマンス)だったが・・・©Kenta Onoguchi

2020東京に向けトライアスロンのテストイベントが開幕

2020年の東京オリンピックに向けたテストイベント「オリンピック・クオリフィケーションイベント」(以下、東京OQE)が東京・お台場で開幕し、初日の8月15日は女子エリートのレースが行われた。

本番のオリンピック1年前の同時期に、ほぼ同じコース設定で行われる、いわゆる《プレ五輪》という位置づけのこのイベント。過去のオリンピックでは、ここで勝利した選手や躍進した選手が本戦でもメダルを手にしてきたこともあり、日本をはじめとする各国の代表選考においても重要な位置づけとなっている。

東京・お台場に設えられた東京OQEの会場は、毎年10月に開催されている日本選手権とも格式が異なり、2020東京に向けて気分を盛り上げていきたいトライアスリートには一見の価値アリ ©Kenta Onoguchi

故障明けのダフィが、レースを席巻

実質上、オリンピックコースのお披露目となった女子のレースは、暑さ指数(WBGT)予測などに基づき、気温上昇が予測されたランの距離が短縮(10㎞→5㎞)。バイク序盤で今季好調をキープしてきたアメリカ勢のエース、ケイティー・ザフィアエスが落車によりリタイアするなど、波乱含みの滑り出しに。

バイク中盤以降は、脚の故障により約1年間にわたって戦線離脱していた、かつての絶対王者フローラ・ダフィー(バミューダ諸島)がブランクを感じさせない剛脚ぶりでリードパックを6人にまで絞り込み、第2パック以降との差を広げるなどレースを席巻した。

ビッグレース復帰戦となったダフィ。バイクでは終始リードパックを完全にコントロールし、リオに続き、2020東京戦線でもメダル争いのカギを握る存在であることを印象づけた ©Kenta Onoguchi

5㎞に短縮されたランでは、脚の故障後のレースながら粘走するダフィとアメリカ勢が2020東京のメダル争いを想像させるような熾烈なバトルを展開。

レース前の予測どおり、日差しも強まり気温30℃を超える高温多湿のハードなコンディションとなったランパートに見事に対応したイギリスの2選手(ジェシカ・リアマンス、ジョージア・テイラーブラウン)が、最終盤に抜け出しワンツー・フィニッシュを決めた――

--かに思われたが、快勝を確信した両選手が一瞬手を取り合い、横並びでフィニッシュゲートをくぐったことで「失格」扱いに。2選手に次いでフィニッシュしたダフィが繰り上げ優勝となり、波乱含みで始まったレースに、かつてない結末をもたらすことになった。

脚の故障明けとあってさすがに走り出しにピーク時のキレはなかったダフィだが、ズルズルと後退することなく、最後まで粘りの走りを見せた ©Kenta Onoguchi

日本期待の高橋侑子はスイムでの遅れが響き23位

注目の日本勢では高橋侑子がWTS横浜に続いて最先着(23位)だったが、スイムでの出遅れが響いて横浜の再現(上位入賞)はならず。2020東京への出場内定を勝ち取ることはできなかった。

日本勢では高橋侑子(写真中央)が23位、井出樹里(同右)が26位。それぞれオリンピックのテストコースで収穫はあったようだが、本戦出場を決めるレースにはならず ©Kenta Onoguchi

ブラウンリー兄弟「伝説のフィニッシュシーン」が生んだ新ルール

ジェシカ・リアマンス、ジョージア・テイラーブラウン両選手の「失格」判定については、レース直後、審議の対象になり、イギリス・チームからも異議申し立てがあったようだが、レース直後の記者会見でも、ITU(国際トライアスロン連合)担当者から公式見解が出されたように、レース中、選手同士が手を取り合って競技を続けたり、一緒にフィニッシュすることは現在のルール上、明確に禁止されており、今回の裁定が覆ることはなさそうだ。

このルールは、2016年WTSグランドファイナルで、アリスター・ブラウンリーが、フィニッシュ直前、脱水症状に陥った弟のジョナサン・ブラウンリーを支えてフィニッシュしたことで物議を醸した(トライアスロンらしい美しいシーンか? ほかの選手を助ける競技ルール違反か? 等々)結果、新たに明確化されたものだが、

東京OQEのような、各国の五輪代表選考上、重要な意味をもつ一戦で適用されたことで、あらためて脚光を浴びることになろうとは、誰が想像しただろうか。

まさに波乱含みのスタートとなった《プレ五輪》は、明日16日に男子エリート、17日(土)にパラ部門、18日(日)にミックスリレーが開催される。

★選手コメントやレースの詳報は、Triathlon Lumina11月号(10月2日発売)に掲載予定。

2016年WTSグランドファイナル。兄アリスター(左)が年間ランキング上位争いをしていた弟ジョナサン(右)を助ける格好でフィニッシュしたシーンが世界中に配信され、感動の美談か、ルール違反か、物議を醸した ©Janos Schmidt / International Triathlon Union :: 2016 ITU World Triathlon Grand Final Cozumel

女子エリート上位
(順位/名前/国名又は所属/総合タイム)
1 フローラ・ダフィ(バミューダ諸島)01:40:19
2 アリーチェ・ベット(イタリア)01:40:54
3 ビッキー・ホランド(イギリス)01:41:11
4 ビットーリア・ロペス(ブラジル)01:41:21
5 サマー・ラパポート(アメリカ)01:41:25
***
23 高橋侑子(富士通) 01:43:44
25 井出樹里(スポーツクラブNAS)01:43:52
DNF佐藤優香(トーシンパートナーズ NTT東日本・NTT西日本 チームケンズ)

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