今季、ミドルまたはロングディスタンスを目標としているトライアスリートのために、日本トライアスロン界のレジェンドにして、ベテラン指導者でもある宮塚英也さんが、奥深いミドル&ロング対策のポイントを解説してくれる連続コラム。
最終回は、より長い距離・時間のレースで適正なペースをつくって・キープできるようになることを狙った「ラン」トレーニングについて!
指導・文/宮塚英也(プロフィールは記事末尾参照)
ミドル&ロングで差がつくトライアスロン学!③
より長い距離・時間のレースのためのRUNトレーニング
単純に走力を上げるだけじゃダメ!?
トライアスロンの「ラン」の場合、レースで走る距離自体は普通のハーフマラソン(ミドル)、フルマラソン(ロング)と同じであっても、スイムとバイクの後に走るという大きな違いがあります。その違いを理解した上で、ラントレーニングを行うことが成功するポイントとなります。
バイクの後のランとなると、誰しも単発のランのときのように走れないのが、ある意味、当然で、初めてトライアスロンに参加した人の多くが、レース後、「バイクの後のランがあんなに脚が重く感じて走れないとは思わなかった・・・」とコメントします。
ある程度ベテランになって、バイクの後のランに身体が慣れてくることはあっても、この感覚自体、完全に解消することはありません。
それにレースごとに「今日のランは楽だった!」と感じるときもあれば、「今日のランはキツかった・・・」と感じるときもあるものです。
だからこそ、「いかにしてバイクの後のランを少しでも快適に走れるか」を意識したトレーニングが必要になってくるのですが、それも単純にランの走力を上げれば良いというものではないところが、トライアスロンの面白いところでもあるのです。
バイク後のランを速くするには
「バイクの走り方」も重要
今回のコラムは「ラン」トレーニングがテーマですが、この「バイクの後のランをいかに快適に走れるか」という点で言うと、ひとつの要素として「バイクの走り方」がポイントでもあるのです。
簡単に言えば、バイクパートで、楽に脚を使わずに乗れれば、ランのときに脚が残っていて、楽に走れる。ただし、「バイクで頑張り過ぎず、脚を使わず、余力を残してランに移れば良い」というほど単純な話ではありません。
いくらバイクでペースを抑えて、ランに脚を残そうとしても、バイクのフォーム&ペダリングスキルが悪ければ、結果、全身運動にならず、筋肉も太モモの後ろ側の筋肉やお尻の筋肉が使えず、脚だけでバイクをこぐようになります。その結果、バイクのタイムが伸びない上、その後のランにも脚が残っていないような状態になりかねないのです。
本来使いたい太モモの後ろ側などの筋肉をメインに使うようなフォーム&ペダリングスキルがあれば、バイクパートで多少頑張り過ぎたとしても、脚が残っていて、案外ランが快適に走れるものです。
まずは普段のジョグ+週末LSDで、長く走り続ける能力を
さて話を本題の「ラン」に戻します。
ミドル~ロングでのランに必要な要素となると、まずベースとなるのが、やはり「ゆっくりでもいいから、長時間走り続ける能力」です。そのためのトレーニングは普段から短い距離・時間のジョグにプラスして、週末などにLSD(ロング・スロー・ディスタンス=ゆっくり・長く・距離を踏む)のトレーニングを行っておくことが大切になります。
そのジョグやLSDを行った上で、レースが近づいてくると「ペース走」など、レースペースメイク&キープを意識したトレーニングが有効になり、そのときのペース設定がトライアスロンのミドル~ロングには重要になります。
下準備としてのLSD⇒持久走
具体的にレースペースメイク&キープための練習メニューに入る前提として、ミドル~ロングの距離をちゃんと走り切れるためのベーストレーニングが必要になります。まずは90分間LSD。120分間LSDを余裕もって終われるようになることが大切です。
次にLSDが楽に行えるようになったら、15kmや20kmの持久走を行います。LSDのときよりも少しペースを上げたいですが、レースペースほど上げる必要はありません。気持ち良く、少しペースに余裕をもって走り切れるくらいがいいでしょう。
走り終わったあとに「あと数キロはキープできるけど、今日はこのくらいで止めておこう」というくらいの感じで終われるのがベストです。
ロングを目標としている場合は、20kmの持久走を余裕もってできるようになったら、25km走、30km走と距離を延ばしてもいいでしょう。
ここまで下準備ができた上で、具体的なレースペースメイク&キープのトレーニングに入っていきます。
ミドル対策の「ペース走」は、ハーフマラソン対策と同様でもOK
ミドル対策のメニューとしては、単発で走るハーフマラソンのペースより、1kmにして10秒から20秒ほど遅いペースで、10~15kmほど走る「ペース走」がより有効なトレーニングになります。
ミドルはショート(オリンピックディスタンス)のレースの延長線上にあると考えて、単発で走るハーフマラソンのためのペース走に近いトレーニングを行ってもかまいません。
実際トライアスロンのレースではハーフマラソン単体ほどのペースでは走れませんが、苦しさに関しては近いものがありますので、ある程度その苦しさを覚えておくと、より良いトレーニングになります。
ロング対策は、いろいろなペースで
ロング対策のラン練習メニューは、ミドルまでのそれとは少し違ってきます。
大きな違いはランに移ったときの疲労度の違いです。ランに移るまで(スイム⇒バイク)の時間が、ミドルの2倍近い時間を要していますので、ミドルのランに比べ、さらに全身の疲労も、脚のダメージも大きくなっています。
例えば、普段1km5分ペースであれば、さほど苦しくなく楽に走れるトライアスリートであっても、1km5分ペースを出すのも、さらにはキープするのもままならない状況だったりするものです。
したがって、単発でのフルマラソンを意識したペース走とは大きな違いがあります。つまり、ロングでのレースペースメイク&キープのトレーニングとしては、いろいろなペース・強度の練習を行うことが有効なのです。
具体的には調子が良いときを想定して、フルマラソン単体を走るときのペース(1kmあたりのタイム)から10~20秒落としたペースで、15~20kmほど走るペース走がオススメ。
実際のレースで調子が悪かったときを想定して、さらにペースを落として20~30km走を行っておくのもいいですし、完全に潰れてしまう場合も想定して、普段のジョグより遅いペースでの練習も行っておいたほうがいいでしょう。
これはよくある例なのですが、ランが得意なトライアスリートで、普段の練習ではいつも1km5分ペースより速くしか走らないのに、レースになるといつも1km6分以上かかってしまうなんていう人がいます。つまり1km5分より速く走る練習はしているけど、それより遅く走る練習をしていないので、1km5分をオーバーしてしまうと、まったく走れなくなってしまうのです。
「ゆっくり走る練習」を行っておけば、想定したペースより多少落ちてしまったとしても、大きくペースダウンすることなく、少しペースを落としたところで踏ん張りがきくようになるのです。
以上のように、ロングのトライアスロンでは、バイクが終わった後の身体の状態によって、必ずしも想定したペースで走れるとは限りません。どのような状況であっても対応できるように、さまざまペースで走るトレーニングを行っておくことで、「想定したレースペースから大きく外れず走る能力」が身につくと考えてください。
下準備もなしに、30~40㎞走を行うのは危険
ロング対策の場合、ランパートの距離がフルマラソンの距離だからといって、ベーストレーニングができていない状態で30~40km走を行うのは危険が伴います。
うまくこれらのトレーニングを行った後、身体に超回復が起きれば問題ありませんが、いきなり行ったことでケガや病気など、逆に拒否反応が起きることがあります。これは身体がトレーニングによって強くなろうとする反応(適応)とは逆に、「もうこれ以上、身体に負荷を与えないでくれ!」と防衛反応を起こして、身体を弱くさせようとする(身体の機能を落とす)現象です。
トレーニングとはあくまでも負荷に対して、身体が適応しようとする働きを利用するものですから、その働きにストップをかけてしまうような、無理なメニューは、本当の意味でのトレーニングにはならないことを知っておいたほうがいいでしょう。
宮塚英也 Hideya Miyazuka
切れ味鋭いバイク→ランを武器に宮古島大会通算4勝(男子歴代最多)、日本人で唯一となるKONA(アイアンマン世界選手権)のトップ10入りを2度果たすなど、ロングディスタンス・トライアスロンを主戦場として活躍した元トッププロ。2002年に現役引退後は、那須塩原市で「ハイディア トライアスロン&バイク」を営みつつ、後進のエリート選手や一般アスリートへの指導・プログラム提供を手がけており、指導者としてのキャリアも15年を超える。
宮古島チャレンジ・メンバーも使い分けて実感!
アミノバイタル® おすすめラインアップ
宮塚さん直接指導のもと今年1月に始動した『宮古島トライアスロンチャレンジ2020 supported by aminovital』(以下、宮チャレ)。
4月19日に開催予定だった全日本トライアスロン宮古島大会(スイム3㎞/バイク150㎞/ラン42.195㎞)に向けて、事前練習会を実施して、ロングの実戦につながるノウハウを学んできた。
既報のとおり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今大会自体が中止となってしまったが、当初から予定していた合計7回の練習会は、すべて実施予定。
「2020年の宮古島トライアスロン大会は中止となってしまい、非常に残念ではありますが、今回の宮古島大会に向けてトレーニングされてきたことを、ぜひ、次のレースにつなげてください」(宮塚)
宮古島大会が中止になっても終わることはない「宮チャレ」メンバーのロング挑戦。その強い味方となっているのが、アミノバイタル®。
安全・確実なロング完走や、自己ベスト更新を狙うべく、一回一回のトレーニングでしっかり負荷をかけた後、その負担から速やかにリカバーし、次のトレーニングにつなげていくために、トライアスリートにオススメのアミノバイタル® 商品ラインアップを、オススメの摂取タイミングで摂る、アミノバイタル® ルーティンを実践し、そのメリットを実感している。
「宮チャレ」メンバーのルーティン その1
>>トレーニング前の青いアミノバイタル®
日々のトレーニング前には、運動前の摂取がオススメの青いアミノバイタル®(アミノバイタル® プロ® 、アミノバイタル® アミノショット®)を摂って、BCAA(必須アミノ酸バリン、ロイシン、イソロイシンからなる、いわゆる分岐鎖アミノ酸)を素早く・しっかりチャージ。
BCAAを摂ることで、満足度の高いトレーニングができているようだ。
「宮チャレ」メンバーのルーティン その2
>>トレーニング中の赤いアミノバイタル®
青いアミノバイタル®(アミノバイタル® プロ® 、アミノバイタル® アミノショット®)はトライアスリートの中でも特に人気&定番商品なので、宮チャレ・メンバーの中でも、以前から活用していた人が多かったが、
今回、アミノバイタル®のサポートを受けてたチャレンジの中で、新たにその良さを実感しているメンバーが多いのが、運動中の摂取がオススメの赤いアミノバイタル® (「アミノバイタル® アミノショット®」パーフェクトエネルギー®、アミノバイタル® パーフェクトエネルギー®)。
ロング対策の長時間にわたるトレーニングなどでは、エネルギー(糖質)補給と合わせて、最後まで途切れないためのエネルギー源アミノ酸も摂れる赤いアミノバイタル® が重宝している。
「ロング練習をしたときに、途中で「アミノバイタル® アミノショット®」パーフェクトエネルギー® を摂ることで、最後まで途切れずに動き続けられたのを実感できました」(重川達治さん)
「宮チャレ」メンバーのルーティン その3
>>トレーニング後や、大事な練習前は金のアミノバイタル®
初めてのロング挑戦というメンバーも多いこともあり、慣れない長い距離・時間対応の強化トレーニングなどに取り組んでいく上で、負担からの速やかなリカバーのために欠かせないのが、運動後の摂取がオススメの金のアミノバイタル® ことアミノバイタル® GOLD。
素早く摂って、次の練習へとつながるリカバーを狙うだけでなく、大事な「ポイント練習」に、より良い状態で臨むために、その前日夜などにも摂ってみるといった工夫で、メリットを実感するところ大。
「アミノバイタル® GOLDを摂るとトレーニングの翌日の負担が少なく感じます。結果的に、トータルのトレーニング時間(量)も、より多く積めるようになった気がしています」(井上功之さん)
「これまでは長く睡眠をとらないとリカバーできなかったのですが、練習後にアミノバイタル® GOLDを摂るようになって、短い睡眠でもリカバーするのを実感できています」(細野高志さん)
「宮古島に向けて1日おきにハードな練習を始めたのですが、これまでであれば練習中や練習後、どこかしらに負担がたまってくるのを感じていましたが、アミノバイタル® GOLD をオススメの摂取タイミングで摂っているからなのか、想像以上にその負担が少なく感じます」(野口康代さん)
ほとんど全員が、アミノバイタル® 自体は以前から知っていたし、活用したこともあったものの、オススメ商品ラインアップを、オススメのタイミングで摂ることを学び、この3つのルーティンのように実践するのは初めてという宮チャレ・メンバーの面々。
トレーニングが順調に進んでいて、ロング完走・自己ベスト更新への手ごたえも大きかっただけに、宮古島大会の中止は残念な限りだが・・・
彼ら彼女らの新たなチャレンジ・目標設定については、このページでも引き続き追っていく予定なので、乞うご期待!
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