深部温度を指標にしてスマートに強くなる。
「強くなるために有効なモノ」は積極的に取り入れてきた古谷純平選手。
「CORE」を使い暑熱負荷を利用したヒートトレーニングを行ったことで、カラダにおこった変化とは?
コメント=古谷純平
写真=小野口健太
高校時代、父の勧めでトライアスロンをはじめ、大学入学後は日本学生選手権2連覇、日本U23選手権優勝と活躍。2014年に三井住友海上に入社した後、会社に交渉してトライスロン部を結成、2015年に日本選手権のタイトルを獲得したほか3年連続ジャパンランキング年間チャンピオン(2016~2018年)など、数々の好戦績を残してきた。三井住友海上トライスロン部所属。1991年、高知生まれ。
4週間のヒートトレーニングで
カラダに明らかな変化が
クリスティアン・ブルンメンフェルトやグスタフ・イデンらノルウェーの選手たちと合同練習をした際にCOREを知り、その後、自身も活用するようになった古谷純平選手。
練習中はもちろん、レースでも着けて深部温度を測っているという。
古谷 暑さの中でどこまで攻められるかなど、今まで感覚に頼っていた部分が明確に視覚化されるのがいいですよね。
直近では5月のWTCS横浜後、完全休養明けにトレーニングを再開する際、その時点のヒートトレーニングゾーンを正確に把握するヒートランプテストを実施。約1カ月間、ヒートトレーニングを定期的に行って、身体の変化を測ってみました(※下段参照)。
1回目のランプテストの結果、自分のヒートトレーニングゾーンは38.8〜39℃。これを基準にヒートトレーニングを行い、約1カ月後に同じテストを行ったところ、わかりやすいところでは、最初に38℃に到達したときの心拍が1回目は165拍/分だったのが、2回目は150と15拍も落ちていて、4週間でしっかり暑熱順化できたことがわかりました。
最近リリースされた「暑熱順化スコア」はもっとわかりやすくそれを可視化してくれていました。
ヒートトレーニングは「暑さ馴れ」だけでなく血しょう量などにも良い変化が期待できるという点も魅力的。カラダの内側からパフォーマンスを変えられる可能性があるからこそ、季節に関わらず取り組んでいきたいですね。
ヒートトレーニングとLT1
ペース走を一緒に実施
今回は古谷選手が実際に取り入れてきたヒートトレーニングの一例を紹介してくれた(下のメニュー例参照)。
古谷選手の実践しているヒートトレーニング・メニュー例
【100~120分 rollers】※インドアトレーナー
▼15分 ウォーミングup
▼30分 LT1
▼45~60分 Heat Training Zone
( ヒートトレーニングゾーンでこぐ)
▼10~15分 クーリングdown
古谷 体温を管理しやすいインドアバイクで行うことが多いので、今回紹介しているメニューはその一例ですが、ヒートトレーニングだけで1回の練習を終わらせるのはもったいないので、LT1(ロングのレースペース)のペース走を組み合わせて行っています。
LT1で30分走をやると、大体自分のヒートトレーニングゾーンを少し超えるくらいまで深部体温が上がるので、その後はワット(出力)を落として調整しながらヒートトレーニングゾーンをキープしていきます。30分走の途中からヒートトレーニングゾーンに入ることになるので、大体1回あたり60〜75分くらいヒートトレーニングを行っていることになります。
これを週に2回、室内でクーラーをつけて扇風機なしで行っています。ヒートランプテストの際もそうですが、冬場でも同じ環境を作りやすくするため室温を24℃設定にしています。クーラーをつけていても、発汗量は100分で4.3リットルでした。大量の汗をかくので電解質の補給はマストです。
あくまでもこれは私の実施している例で、深部体温の上がり方などは、個人差もありますので、「健康第一・安全第一」で、体調に異変を感じた際はすぐに切り上げることも重要です。
【ヒートトレーニング開始当初〈2024年6月〉】
【ヒートトレーニング開始約1カ月後〈2024年7月〉】
【ヒートランプテスト】
>>テストの詳細はコチラ
カラダの深部温度がわかるモニタリングセンサー。心拍センサーの胸ストラップや専用の腕ストラップに装着すれば、ガーミンなどのマルチスポーツウォッチに深部温度を表示させて、リアルタイムでモニタリングできる。ガーミンコネクトなどのアプリにもデータを蓄積できるほか、専用アプリを活用すれば、CORE単体でも、スマホ上での深部温度リアルタイム表示や、各種データチェックが可能。