はきやすさと、ほど良い反発力。
復活のナオを支えた、赤いクラウドフロー
4月23日に第33回大会が開催された宮古島トライアスロン(全日本トライアスロン宮古島大会)。その長い歴史の中にあって、綺羅星のごとく輝くレジェンドアスリートたちが、今、こぞって「On」をはいている。伝説の英雄たちは、なぜ、勝利への相棒として「On」を選ぶのか?
その理由を、5人のレジェンド自身に訊くリレーインタビュー。第1弾は今年の宮古島で鮮烈な復活優勝を遂げ、話題をさらった鷲津奈緒美が登場。
復活の女王は、勝負を決めたランパートでの相棒として、なぜOnのシューズを選んだのか。9年ぶり3度目の優勝への伏線となった、決戦前夜の裏話とともに、その理由を訊いた。
鮮烈な復活Vの3日前
熱が下がらず、コンディションは最悪だった。
――この大会に向けた本格的なトレーニングを始めたのは昨年の9月くらいとのことですが(※Lumina7月号インタビュー記事参照)、その前にフィリピンのIRONMAN70.3(スービックベイ)に出場して、エイジ優勝しているんですよね?
はい。70.3は3月に。宮古島に出ると決めて、(復帰後)はじめてのレースがロングの宮古島というのじゃ、さすがにまずいなと。この距離で、久しぶり過ぎて、どういうふうに用意すればいいか分からない上に、一旦は嫌で(プロとしての現役を)やめているという経緯もあったので。
――実際にミドル(ハーフアイアンマン)のレースに出てみて、そのあたりの手ごたえを探ってみようと。
本当は1月にドバイの70.3に出るつもりだったんですけれど、直前にカゼをひいて熱も下がらず、急きょ出るのをやめて、これは宮古島でぶっつけ本番になるのか……と思ったんですが、タイミング良く3月にフィリピンのレースがあったので。
――そのレースでは女子総合優勝とも18分差の好タイムで、プロカテゴリーで出ていたとしても表彰台レベルだったと聞きましたが、手ごたえのようなものは?
もっと喜びもすごいし、「8年ぶりのレースだー!」と感動するかと思ったけど、自分がすごく冷静過ぎて……。「ああ、自分はレースしてるんだなぁ」と、なんだか客観的に自分を見ているような感じだったんです。
もちろんその70.3のレースを目標にしていたわけじゃないし、あくまでも宮古島に出たいから、その準備としての出場――という位置づけのレースだったということもあるんですけど、とにかく冷静で。
今回のレースでは、バーッとアドレナリンが出て、レースできるといいんですけれど、「あぁー宮古島走ってるんだ~」とか冷静だったらいやだなと(笑)。それはスタートしてみないと分からない。
――それだけ満を持しての宮古島ですが、現地入りした今、また熱が出ているとか(※本インタビューは大会3日前、宮古島入りした日に収録)
(宮古島で)ゴールする瞬間とかずっとイメージしてきたんですが、レースが近くなってくると、あんまり考えると興奮して寝られなくなっちゃうから、一旦忘れて、ようやくこれからレースに向けてイメージしていこう、という矢先にまた(ドバイのときに続いて)カゼをひいてしまって。「あれ? これから(テンションを)上げていく感じだったのになー」と(苦笑)。
自分的にはレース中、暑さでつぶれるとか、タイムが遅くなったといった経験はないので、本当は暑~い宮古島大会を望んでいたんですが、今は、ちょっと……普通の気候でやらせてくれーと(笑)。
トレーニングやレースで本格的に使えるのに
オシャレで、カワイイ
――今回の宮古島復帰にあたっては、Onのシューズを選んでいますが、Onとの出会いは?
Onを初めてはいたのは昨年の10月くらい。(それ以前にも)たまたまOnジャパンの事務所がご近所だった縁もあって、練習仲間と訪れる機会も多かったんですが、その練習仲間にも勧められて、はいてみることにしたんです。
元々(プロとしての活動を休止する以前も)私は、そんなにいろいろなブランドのシューズを試すようなタイプではなくて、問題なければ同じブランドのシューズをはき続けるような感じでした。
今回の宮古島に向けたトレーニングの前、定期的にジョグをするようになってからも、以前はいていたのと同じブランドのシューズをはいていたんです。だから、「On」は久しぶりに試した新しいブランドのシューズでした。
――これまでにはいていたブランドのシューズとは、根本的にコンセプトも、つくりも違うOnのシューズ、最初にはいた印象はどうでした?
それまではいていた日本のブランドのロードのシューズよりもソールはやはり高くなるので、当初、そこは多少不慣れな感じがあったんですけれど、どこかが痛かったり、マメができたりという違和感もなく、感触は悪くなかったので、そのまま使い続けてみようと思ったんです。
私は、シューズは見た目のデザインの良さもかなり大事だと思っているのですが、その点でもOnには惹かれました。
練習が終わった後、そのまま(オフシーンでも)普通のランニングシューズをはいているとなかなか格好がつかないというか、見た目的にバランスがとりづらいんですけれど、Onだとしっくりくる。練習でしっかり使ったランシューズなのに、おしゃれで、(オフでも)はきやすく、カワイイ。まるでカジュアルシューズのような感じで、そのままはいていられる。
もちろん機能は大事ですけれど、やっぱり、自分のモチベーションが上がるようなデザインの、気に入ったものを使いたい。それがやる気につながるんです。
――数あるOnシューズのラインアップの中でも、どのモデルを試してきましたか?
まずはクラウドとクラウドサーファー、そして(昨年11月にリリースされた)クラウドフローを試してみて、結局、アイアンマン70.3ではくモデルとしては、フローを選びました。
その後(今年2月の東京マラソンEXPOで世界先行発売された)クラウドフラッシュもはいてみて、スピード練習などではこちらを使っています。
フラッシュのほうが(フローと比べて)ソールも薄くて、反発力も高いので、宮古島のレースではどっちにしようか迷ったんですが、今回はフローでいくことにしました。
フローのほうが、私としてはトランジションがしやすい、という感覚もありましたので、最終的には、はきやすくて反発力もある、こっち(フロー)をはくことにしたんです。今回の勝負ウエアのデザインやカラーとマッチしているという理由もあるんですけれどね(笑)。
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このWEBマガジンやLumina7月号でも既報のとおり、満を持して臨んだレースでは、ライバルで親友の酒井絵美にバイクで差を詰められながらも、終わってみればスイム、バイク、ランとリードをキープしての完全勝利。
33回目を迎えた宮古島大会で史上4人目となる大会通算3勝目を挙げた復活の女王、鷲津奈緒美。レース後、待望のコナ戦線への復帰について、その時期などは明言こそしなかったものの、「目指すからにはプロカテゴリーでの復帰を考えたい」とも。
彼女の完全復活への次なる物語と、その挑戦を支えるOnシューズのチョイスに注目していきたい。(Interview#02 へ続く>>>)
Naomi Washizu
硬式テニスの名門、福岡県柳川高校出身、全国選抜団体優勝メンバーというアスリートとしての輝かしい実績を引っ提げてトライアスリートに。2004年からアイアンマン(IM)に挑戦し、05年には宮古島大会初出場・初優勝。以来、日本ロング界のエースとしてIMコリア優勝(05年)、IMジャパン連覇(07・08年)などの戦績を残す(当時は旧姓・今泉)。08年、宮古島で2勝目を上げ、IMハワイ16位の成績を残した後にプロとしての活動を休止。1983年、神奈川生まれ。
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