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キャメロン・ブラウン&鷲津奈緒美が優勝。第33回宮古島大会《速報》

投稿日:2017年4月23日 更新日:


ルミナ編集部

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かつて日本に活動拠点を置いたキャメロン・ブラウンが宮古島大会初出場で「完勝」 ©Kenta Onoguchi

第33回 全日本トライアスロン宮古島大会

44歳、キャメロン・ブラウンが、初めての宮古島で完全勝利

第33回全日本トライアスロン宮古島大会が4月23日、沖縄県宮古島市で開催され、1552選手(男子1362人・女子190人)がスイム3㎞、バイク157㎞、ラン42.195kmの「長い一日」に挑んだ。

伝統あるストロングマンの王座をかけた男子のレースでは、スイムから海外勢が先行。ウクライナのビクター・アロシュン、サイモン・ユン(ドイツ)、そして今大会最注目のキャメロン・ブラウン(ニュージーランド)らが、日本勢を引き離しにかかる。

日本勢ではオリンピアンで、スイム得意の西内洋行が上位に食い込むが、レース後、「スイムからペースが速く、その勢いでバイク序盤の入りで突っ込みすぎて、ペースを乱してしまった」と自身が語ったとおり、西内はバイクパートで失速。

バイク約98㎞地点にある東平安名崎を通過する頃には、上位6位までを海外勢が占める展開となった。

波はそれほどなかったが、斜め前から潮の流れがくるエリアもあり スイムでの制限時間オーバーが100人いた  ©Kenta Onoguchi

その海外勢の中でも強さが際立っていたのは、やはりキャメロン・ブラウン。

アイアンマン世界選手権(コナ)で表彰台に上ること4回、圧倒的な実績を誇るNZの英雄は、バイク序盤から早々にトップに立つと、伊良部島(バイク30㎞地点)を通過した段階で、早くも2位に2分差の単独トップに。そのまま後続との差を広げ、バイク終了時には4分超のアドバンテージを得て、得意のランパートへ。

ディフェンディング・チャンピオンの戸原開人にはバイク100㎞地点で約14分もの差をつけ、反撃の芽を早々に摘み取った。

こうなれば、キャメロン・ブラウンの独り舞台。

先のアイアンマンNZ(3月4日)で2時間42分台のランラップを叩き出したばかりの44歳、ベテランは乱れず、淡々とピッチを刻んで2位以下に差を詰めさせず、そのまま第33代ストロングマン王座に就いた。

©Kenta Onoguchi

体調不良でレース不参加も検討。「沿道の声援でキツい場面も頑張れた」

ほぼ「完全勝利」に近い盤石のレース運びで勝利したかに見えたキャメロンだが、レース後の共同インタビューでは、直前に体調を崩し、当日朝の段階では、レース不参加も検討していたことを明かした。

「(選手最終登録の直前まで)参加か不参加か考えていて、受付にバッグを預けたのも最後から2番目になってしまったくらいだが、泳ぎ始めて調子が上向いてきた。バイク終了時には4分くらいリードがあったので、これは頑張ればいけるかと。

ランでは沿道に多くの人がいて、宮古島初出場の私にも、たくさんの声援を送ってくれた。おかげでキツい場面でも頑張ることができました。そんな余裕はなかったけれど、応援してくれた全員とハイタッチしたかったくらいです。『アリガトウゴザイマス』(※日本語で)」(キャメロン)

3月のアイアンマンNZに続いてのロング連戦。そして、この後、6月にはアイアンマン・ケアンズへの出場も予定しているというキャメロン。

44歳、リヴィング・レジェンドがほかならぬ宮古島で見せた後ろ姿は、戸原開人をはじめ日本のロング界を背負って立つ後進たちに、良い意味での大きな爪痕を残した。

8年ぶり3回目の優勝を果たした鷲津奈緒美 ©Kenta Onoguchi

女子優勝は鷲津(旧姓・今泉)。8年ぶり3回目の勝利

女子のレースは、13年間にわたるプロトライアスリートとしてのキャリアを通じて、多くのトライアスリートを魅了してきた酒井絵美が、今大会限りでのプロ現役引退を表明し、「引退記念レース」の様相を呈したが、キャメロン同様、スイム、バイク、ランと先行しての勝利を飾ったのは、8年ぶりの宮古島参戦を果たした鷲津(旧姓・今泉)奈緒美。

しかし、こちらは男子のような「圧勝」ではなく、「接戦」に近い好勝負となった。

スイムから先行して、バイクでは最大6分差まで酒井を引き離した鷲津だが、アイアンマンNZのバイクコース記録を保持していたこともある酒井が、バイクパートで、これをジワジワと追い詰める。結局、バイク終了時点で両者の差は、わずか1分弱。

8年ぶりのロング復帰戦でもある鷲津が、バイク157㎞の後のランで、どこまで勝負できるか? 酒井はもちろん、当の鷲津自身にも未知数だったようで、沿道観衆も息を詰めて、そのラン勝負を見守った。

1分~1分半の差で前を行く鷲津に、ひたひたと迫り、プレッシャーをかける酒井。フィジカル面はさておき、メンタル面においては、追う側に分がありそうな展開だったが、折り返し後の後半にさしかかって、勝負を決めたのは鷲津。

プロ選手として活躍したかつてと違い、「緊張することなく冷静に自分を見ながら走ることができるようになった」と、自ら精神面の成長を挙げるように、酒井の追走に乱されることなく、最後は約9分の差をつけて勝利をつかんだ。

宮古島大会での通算3勝は、山倉紀子、酒井に並ぶ最多優勝(タイ)記録となる。

「大好きな宮古島大会にまた帰ってこられて本当にうれしい。最後に参加した2008年から、しばらくの間は『もう二度とレースはしたくない』という気持ちと『もう1回挑戦しないと後悔する』という思いが両方あったが、今は良い練習仲間に恵まれてトライアスロンが楽しい。(酒井)絵美さんも、また一緒にレースに出ることを楽しみにしてくれていたので、プロとしての最後のレースに間に合ってうれしい」(鷲津奈緒美)

ともにトレーニングを積み、切磋琢磨してきた酒井絵美(左)と鷲津奈緒美(右) ©Kenta Onoguchi

「自分のレースができたから、悔いはない」

一方、引退レースを2位で終えた酒井絵美は、「本当にこれで引退なのか?」という声があることに対し、「今回は結果がどうこうではなく、自分のレースができて、力を出しきれたので悔いはない。それに、負けた相手が彼女(鷲津)なので納得」と語り、あらためてプロとしての現役引退を表明。「今年もこのあとに徳之島など出場予定大会があり、トライアスロン自体をやめるわけではない」と語った。

ひとつの時代が終わり、また新たな時代へと何かがつながれたのか。

新たなステージへと活躍の場を移す酒井絵美と、鷲津奈緒美、そして、現在オーストラリアで立て直しを図っている田中敬子。日本ロング界の歴史を今まさに刻んでいる彼女たちの動向に引き続き注目したい。

今大会限りでプロとしての一線を退く酒井絵美 ©Kenta Onoguchi

 

■全日本トライアスロン宮古島大会
4月23日(日曜日)午前7時~午後8時30分
沖縄県宮古島市

★男子上位リザルト
1 Cameron Brown (ニュージーランド) 7:49:10
2 Simon Yung(ドイツ) 7:56:26
3 Shawn Wilyman(カナダ) 8:02:03
4 Viktor Aloshyn(ウクライナ) 8:17:12
5 Damien Collins(オーストラリア) 8:18:14
6 park byunghoon(韓国) 8:19:29
7 菅沼 伸哉(沖縄県) 8:21:33
8 Oh YoungHwan(韓国) 8:22:23
9 森田 翼(千葉県) 8:26:30
10 Muehlbauer Hans(ドイツ) 8:28:49

★女子上位リザルト
1 鷲津 奈緒美(神奈川県) 9:04:08
2 酒井 絵美(群馬県) 9:13:35
3 一本松 静香(東京都) 9:34:51
4 西岡 真紀(和歌山県) 9:48:37
5 竹中 久美子(東京都) 9:52:24

■全日本トライアスロン宮古島大会・記録詳細は下記サイトでチェックを
http://systemway.jp/17miyako

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