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こんなの欲しかった! 女性のためのトライアスロンコミュニティー「トラ女子JAPAN」

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ルミナ編集部

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©Triathlon Lumina

「女性のためのSNSコミュニティーの勢いがすごい!」と、噂を聞いて平日の夜に行われたOFF会に潜入してみた。Text&Photographs=編集部ツノダ

女性トライアスリートたちが輝くためのコミュニティー

トライアスリートである福島芳美さんが2019年5月に女性トライアスリートを対象にした交流会を主催し、35人ほどが集まった。その際、「女性のためのトライアスロンコミュニティーを作りたい」という話をしたところ、日下部奈央子さん、佐々木恵子さん、愛波理恵子さん、西川直子さん、篠原知美さんが賛同し、その翌月6月にはFacebookで女性だけのグループ「トラ女子JAPAN」を立ち上げた。

この積極性と行動力、うん、間違いなくトライアスリート女子の集まりという感じがする。

グループに参加できるのは、トライアスリートやトライアスロンに興味がある女性のみ、男性の入会は厳禁! 女性1対男性9という競技人口を考えても、いつも男性の中に埋もれてトレーニングやレースの話はできるけれど、本当に話したいことがなかなか話せなかった女性たち。そんな彼女たちが本音を思いっきり、心置きなく話せる場所を作った。

立ち上げメンバーの6人。左から西川直子さん、福島芳美さん、佐々木恵子さん、篠原知美さん、日下部奈央子さん、愛波理恵子さん ©Triathlon Lumina

初めてのOFF会には約50人が参加

立ち上げから約半年で会員は約300人、1月21日(水)に初めてのOFF会を東京・新宿で行った。都心に住むメンバーを中心に約50人が参加した。会場となったSAKURAをテーマにしたレストランには、開始前から、うるさい……賑やかな声が響き渡る。

初対面の人も多かったようだが、そこはトライアスリート女子の社交性をフルに発揮し、出会って1秒で友だちになっている(すごいパワー、あふれ出るキラキラ感がまぶしい)。

©Triathlon Lumina

長く楽しく続けるために

立ち上げメンバーのひとり、日下部奈央子さんは「まだ立ち上げ半年ほどですが、これからもっと地方の方にも知ってもらいたいですね。私は、短い距離よりもロングをマイペースでレースするほうが好きです。80歳までレースしたいと思っています。女性の場合、ライフスタイルの変化というのが男性よりも多く訪れます。たとえば、出産を機にレースに出なくなってしまってそのまま復帰の機会がないという話はよく聞きますよね。

その他いろいろな理由でトライアスロンを離れた人が、また気軽に戻って来られる場所が作れたらな、と。『トラ女子JAPAN』がそういう場になればと思っています。トライアスロンは生涯スポーツですから、自分のライフスタイルに合った付き合い方というのを見つけていけるようにお手伝いができれば、とも思っています」

と話してくれた。

彼女たちがお手本にしたのが、「WOMEN FOR TRI」という5万8000人の女性メンバーがいるSNSコミュニティーだ。もちろん女性のみ参加OK。SNSでの交流の他、レース会場で専用のラウンジを用意したり、さまざまなイベントを行っているという。そこでは女性ならではの悩みや解決方法、トレーニング、レースに関する情報が飛び交ってる。

女性ならでは演出も!
ここでしか聞けない話、情報が満載

OFF会は、豪華プレゼントがもらえるクイズコーナーや加藤友里恵選手(最下段にプロフィール)のトークショーなどイベント内容も盛りだくさん。

加藤選手は現在のトレーニングのことや女性ならでは悩みについて「この場でしか話せない話」を時間いっぱい話してくれた。

トライアスロンの中で特に大事にしていることは? という質問には「何よりも、一番大事なのは自分の身体です。トレーニングもレースももちろん大事ですが、自分の身体がつらかったら楽しめないですよね。3種目あるのも良いところで、バランスをとりながら、楽しむことがとても大切です」と選手としての経験と女性という立場から真摯に応える姿に、参加した皆さんは「ブンブン」と音が聞こえそうなくらい、首を縦に振ってうなづいていた。

スペシャルゲストの加藤友里恵選手 ©Triathlon Lumina

加藤選手の誕生日が1月27日ということでバースデープレートも! さすが女性の心遣い ©Triathlon Lumina

発起人の福島芳美さんは「トライアスロンってやるのはもちろん、見るのも応援も、サポート側としてもさまざまな面で楽しめるスポーツ。こんなスポーツ他にはありません。いろいろな楽しみ方があるというのを伝えていきたいです。この会をきっかけに、チームや地域を超えたつながりを、ぜひ作ってください!」と参加者の前で話し、トライアスロンの楽しみ方や情報や経験をシェアすることを提案した。

あっという間に2時間半
参加者も大満足

トライアスロン歴2年の外山貴子さんは「もともとマラソンをやっていて、はじめは全く泳げませんでした。2カ月で25m、半年で1500m泳げるようになり、ホノルルでトライアスロンデビューしました。その後、村上国際、宮古島、そしてアイアンマン台湾と完走しました。とにかく『大会』が大好きで、もう楽しくて仕方ありません! 今日は加藤選手のリアルな声を聞くことができてとても良かったです」

かわいらしいスイカのウエアはハワイのショップオリジナル。「自転車買う前に、まずこのジャージがほしくてこれを買いました!」 ©Triathlon Lumina

ゆきえさんはトライアスロン歴8年、「ノリで始めました(笑)。海外の70.3をメインにレースに出ています。練習は博慈会でしていますが、今日はいろいろな方と交流できて楽しいです。ずっと同じペースでトレーニングやレースをしていると、疲れてしまうので、今年は休もうかな、と。でもオリンピックは楽しみますよ!」

ネックレス……じゃなくて、スイムゴーグルダブル付けなゆきえさん。これは……?「オシャレです!」©Triathlon Lumina

ガチ派もゆる派も トライアスロンが好き! が参加条件

さまざまなスタイルでトライアスロンを楽しむメンバーが立ち上げたというのもポイントで、佐々木恵子さんは「トライアスロンは好きなんだけど、周りのレベルが高過ぎてトライアスロンコミュニティーに居場所がないと感じる人も多いと思います。実は私もそんなひとり(笑)。細く長くトライアスロンを楽しく続けたいという人にもぜひ参加してほしいと思っています」

KONAを目指すようなトップレベルの人もいれば、思いっきりエンジョイ派もいるし、一旦休憩しようかなという人もいる。その中でも共通しているのは、トライアスロンが大好き! というところ。

「トラ女子JAPAN」というと、ちょっと手強そうな、強そうな女性のイメージがあったが、このコミュニティーは多様性をとても大事にしている。それぞれがそれぞれのペースでトライアスロンを楽しめばいいと認めてくれて、いつでも戻ってこられる心地良い居場所を提供してくれる。

「大丈夫、一緒に頑張ろう!」「大丈夫、また戻っておいで~」「大丈夫、ちょっと休もっか」と言われているようで、このゆるやかなつながりは多くの女性トライアスリートの支えになっていきそうだ。

©Triathlon Lumina

他には載っていない、トラ女子のための情報満載」
トラ女子JAPAN Facebookページはこちら
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Yurie Kato
3歳から水泳を始め、小学5年生の時に背泳ぎでジュニアオリンピック出場。高校から陸上の長距離に専念し、大学では女子駅伝部に所属。各大会で活躍をみせる。卒業後は実業団のスターツ陸上競技部に入り、全日本実業団駅伝、千葉国際駅伝に出場。足の故障をきっかけにトライアスロンへ転向。
2010年11月、稲毛インターナショナルトライアスロンクラブに「一般クラス」で入会。その後、オリンピックを目指し山根英紀ヘッドコーチの指導を受け、2014~2015年国内外で好成績を収める。2016年4月のITU世界トライアスロンシリーズケープタウン大会で8位入賞を果たし、リオデジャネイロオリンピックの日本代表の切符をつかんだ(結果46位)。2014、2015年日本デュアスロン選手権チャンピオン、プーケットアジアビーチゲームズデュアスロンチャンピオン、過去5回トライアスロンアジアカップ優勝実績あり(以上JTUHPより)。現在、流通経済大学の田山豪寛監督(オリンピック4回出場)のもと、トレーニングを積んでいる。

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