BODY CONDITIONING COLUMN

そもそも「アミノ酸」を毎日摂るべき理由って、何だ?

投稿日:2021年1月25日 更新日:


ルミナ編集部

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©Kenta Onoguchi

トライアスリートが再認識したい「アミノ酸」のハナシ〈前編〉

トライアスロンをはじめとする持久系スポーツに限らず、運動の前・中・後にアミノ酸を摂ることで、期待できるパフォーマンスを発揮でき、疲労を抑え、回復を早められることは、もはや常識と言っても過言ではない。

しかし、「スポーツにはアミノ酸」が常識となったがゆえに、「そもそもアミノ酸として摂るメリットは?」「なぜアミノ酸なのか?」といった基礎・根本が曖昧になっていたり、

「とにかく何かしらのアミノ酸を運動後にとればいいんでしょ」といった、大づかみのいい加減な認識で、さまざまな役割・特徴がわかってきている20種類のアミノ酸の効果的な使い分けができていない向きが多いのも事実。

そこで今回は、味の素KKがこれまでの研究成果に基づくアミノ酸についての最新知識をまとめて、随時更新しているWEBサイト「アミノ酸スポーツ栄養科学ラボ」から、特にトライアスリートが知っておきたい基礎や、注目したい最新知識の一部を紹介しよう。

真剣にスポーツを楽しむ=「アミノ酸」が必要という図式

「スポーツにはアミノ酸が重要」という基本認識をもっているトライアスリートが多いと思うが、「そもそもアミノ酸って何ですか?」と聞かれて明確に答えられるだろうか?

カラダの20%はたんぱく質。筋肉、皮膚、髪の毛、爪、骨や内臓だけでなく、血液やホルモンなどもたんぱ質からできている。このたんぱく質は全て、たった20種類のアミノ酸が数千~数万個連なってできている。

この20種類のアミノ酸は、カラダの中で作ることができず食事から摂る必要がある必須アミノ酸とカラダの中で作ることができる非必須アミノ酸のふたつに分類できる。

必須アミノ酸には、「BCAA」として知られている3つの分岐鎖アミノ酸(イソロイシン、ロイシン、バリン)が含まれている。

では、食事で摂らなければならない必須アミノ酸は、どれくらいの頻度で摂ればいいか?

カラダのたんぱく質は、新しいものがどんどん作られ、古いものがどんどん壊され、毎日入れ替わっている。

毎日必要となるたんぱく質を摂ることで「壊される・作られる」のバランスが保たれているから、食事からしっかりと摂ることが大切なのだ。

また、日常的にトレーニングをこなしているトライアスリートをはじめ、スポーツを楽しむ人の場合、頻度だけではなく、摂取すべき量についても注意が必要。

スポーツ選手に奨められているたんぱく質の摂取量は、1日に体重1kgあたり1.2~2.0g。たとえば体重70kgの人の場合、1日あたり84~140gとなり、これは、一般的な成人のたんぱく質の推奨量と比べると、1.3~2.0倍にあたる。

スポーツする人は、筋肉を十分に保つため、毎日の食事からたんぱく質を多めに摂ることがとても大切なのだ。


なぜ食事からの「たんぱく質」だけじゃ不足しがちなのか?

ところが、食事だけで前述の十分なたんぱく質量を摂るのはなかなかハードルが高い。

なぜなら食事から摂取するたんぱく質は、そのままでは吸収できず、アミノ酸まで分解して吸収されるまで、一般的に3〜4時間かかるからだ。

そこでアミノ酸として摂取することのメリットが出てくる。

アミノ酸は消化される必要がないので、吸収する時間は約30分程度。アミノ酸はたんぱく質と比べ、必要なときに摂ることですぐに利用できるという特徴がある。

アミノ酸は必要なアミノ酸を、必要な分だけ、必要なタイミングで摂取できるというメリットがあるのだ。

アミノ酸を活用することで、必要な分を効率的に補給できる。例えばBCAA1gを摂りたい場合、ハンバーグなら約1/4個が必要で、摂取エネルギーは約90kcal。それがアミノ酸なら直接BCAA 1gのみを摂ることができ、摂取エネルギーは4kcalで済む。

©Kenta Onoguchi

トライアスリートに必要なアミノ酸にも「種類」がある

では、アミノ酸ならば何を摂ってもいいのか?

アミノ酸をめぐる研究も進み、今では20種類あるうち、どのアミノ酸がどんな役割を果たすかが明確になってきている。

せっかく摂るなら、期待するメリットに応じてアミノ酸の種類を選ぶのがスマートなやり方だろう。

ここでは、トライアスリートが特に意識して摂りたいアミノ酸の種類を紹介しておこう。

BCAA(分岐鎖アミノ酸)

分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンはスポーツ時に重要な栄養素として知られている。

BCAAは筋肉に含まれる必須アミノ酸の約4割。エネルギー源としても利用されるし、筋肉に含まれるたんぱく質を作ることを促したりする。スポーツ活動後の筋肉のダメージを抑え、筋疲労や筋肉痛を軽減してくれるのだ。

ロイシン

BCAAの中でも、ロイシンは、他の必須アミノ酸と筋肉のたんぱく質を作る材料になるだけでなく、筋肉のたんぱく質を作るスイッチを入れる役割を持っている。

グルタミン

20種類のアミノ酸の中で、一番多いのがグルタミン。運動などカラダに負担がかかるときに、グルタミンが多く失われる。

グルタミンには免疫力を高めたり、胃や腸などの粘膜を守る働きもあることがわかっている。

シスチン

シスチンは20種類のアミノ酸のひとつであるシステインがふたつ結合したアミノ酸で、さまざまなストレスからカラダを守ってくれる働きがあることが知られている。

アラニン

カラダの中で糖に変わることができ、エネルギーとして利用されるアミノ酸のひとつ。

肝臓で糖質からグリコーゲンを作る働きを高めること、エネルギー源として利用されやすいことなどが知られている。

プロリン

アラニンと同じように、カラダの中で糖に変わることができ、エネルギーとして利用されるアミノ酸のひとつ。

「運動前」から摂りたい『ロイシン高配合必須アミノ酸ミックス』とは?

試合や練習時、筋肉が疲れてしまって、満足のいくパフォーマンスが発揮できない。運動した後、筋肉の疲れが翌日以降も残っていて、納得のいくトレーニングができない。――こうした普遍的な悩みに対し、運動前、運動中や運動後にも、ベストなコンディションのキープするために、

味の素KKでは、必須アミノ酸の中でも、特に筋肉のたんぱく質を作るスイッチを入れる「ロイシン」が重要な働きをすることに注目。ロイシンを多く含む9種類の必須アミノ酸ミックス『ロイシン高配合必須アミノ酸ミックス』を見出した。

アミノ酸補給というと、トライアスリートの間での何となくの常識としては、運動後に摂って筋肉のダメージを軽くし、回復を早める――というイメージが定着しているが、

運動前にこの『ロイシン高配合必須アミノ酸ミックス』を摂ると、筋たんぱく質を作る量が増えることもわかっている。

ロイシンを多く含む必須アミノ酸では、通常の必須アミノ酸と比べて、筋たんぱく質を作るスピードが上がることがわかっているが、

『ロイシン高配合必須アミノ酸ミックス』を運動前から摂取すると、さらに筋たんぱく質を作る働きを強くなることもわかってきているのだ。

「運動後」のダメージ軽減&回復スピードUPにも効果大

『ロイシン高配合必須アミノ酸ミックス』は、運動後の摂取でももちろん、筋肉のダメージを抑え、回復を促し、翌日に向けて疲れをできるだけ軽くする効果が高い。

『ロイシン高配合必須アミノ酸ミックス』を摂ると、運動後のダメージをどのくらい抑える効果があるかについて調べたのが下の図。

運動により筋肉がどれくらい壊れたかを調べた血液検査の結果で、この値が高くなると、筋肉がより大きなダメージを受けていることを示す。

『ロイシン高配合必須アミノ酸』を摂ると、検査結果の値が小さくなり、筋肉のダメージが抑えられていることがわかった。

>>トライアスリートが再認識したい「アミノ酸」のハナシ。後編へつづく

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