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太田麻衣子が語る「トライアスリートに必要なリカバリーケア」

投稿日:2021年9月27日 更新日:


ルミナ編集部

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もっと強く・ずっと楽しむために
大切な「リカバリーケア」とは?

3種目のトレーニングを継続的に行うトライアスリートは、疲労が身体に蓄積しがち。疲れがたまると故障にもつながる。

人気コーチにして、自身もアイアンマンなどで活躍するベテラン・トライアスリートでもある太田麻衣子さんは、身体に疲労をためないために、日頃からこマメにリカバリーケアを行うことを提唱している。

そこでトライアスリートにオススメのひとりでできるリカバリーケアと、愛用する「オムロン 低周波治療器 HV-F080シリーズ」を使ったセルフケアのポイントを教えてもらった。

太田麻衣子 Maiko Ohta
トライアスロン・コーチ(日体協公認トライアスロン指導員)、スポーツマッサージセラピスト。高校までは競泳選手。大学からトライアスロンを始め、2007年日本トライアスロンスプリント選手権優勝、2005・2007年世界選手権U-23日本代表など、エリート選手として活躍。コーチ転身後も2020年IRONMAN 70.3 JAPAN35-39優勝、2021年横浜トライアスロン女子エイジ総合優勝など活躍を続け、KONA(IRONMAN世界選手権)出場権も獲得している。2015年にはトライアスロン・コミュニティLapulem(ラプレム)を設立。練習会・セミナーから合宿、パーソナルレッスンまで、楽しくケガなくトライアスロンを楽しむプログラムを提供している。

日頃からリカバリーケアで
ケガを予防する

太田 トライアスロンのコーチングをするようになって、色々なアスリートを見ていますが、一般的に「リカバリーケアは痛くなったらやる」という人が多いようです。

かく言う私自身も選手時代はまだセルフケアが普及していなくて、自分でケアするより、痛くなったところを治療院で治療してもらうことが多かったです。

今は日頃からマメにセルフケアを行い、疲労がたまったら休むことで、ケガまでいかないように気をつけています。

指導しているトライアスリートのみなさんにも、効果的なリカバリーケアを行ってほしいと考え、去年マッサージ師の資格を取得。トライアスロンの練習会でも、事前事後にボディケアを行う時間を増やしています。

毎日自分で行えるように、お風呂で身体を洗うときや、仕事の合間、自宅でくつろいでいるときなどに、自分で簡単にできるセルフケアのやり方を教えています。

3種目ごとに違う
疲労がたまりやすい部位

疲労しやすい部位は、スイム・バイク・ランでそれぞれ違います。

スイムはバイク・ランほどケガをしませんが、泳ぎ方によって肩の前部分に疲労がたまったり、前を見過ぎると僧帽筋や肩甲骨まわりが硬くなったりします。

特にトライアスリートは、海などでの実戦でヘッドアップをして前方確認しながら泳ぐぶん、普段のトレーニングでも、頭が立ち気味な状態で泳ぐ人が意外と多いので、普段の仕事(デスクワーク)での疲れとあいまって、首肩まわりが硬くなっている人も多いようです。

また、しっかり泳ぐ人は、胸や脇まわりに疲労がたまりがちです。

バイクで凝りやすいのは腰。

ランは身体をねじりますが、バイクは腰から上が固定されているので、腰が凝ります。

私もそうだったのですが、腰はダメージが蓄積していても、違和感や痛みを感じられない場合もあります。違和感がなくても、普段からマメにケアしておくのがオススメです。

痛みが出やすいのはヒザまわり。

ペダルを力まかせに踏んでしまうと前モモの横からヒザにかけて疲労がたまります。

ランは脚にかかる衝撃が大きいので、3種目の中でも、最も故障しやすい種目です。

足底からふくらはぎの内側、モモの横、腰など下半身に負担がかかり、疲労が蓄積すると故障につながります。

大切なのは疲労がたまって故障までいかないように、動いたらその分ケアすること。

毎日の入浴時やリラックスしているときに、身体の凝りやすい場所に触れて、張っていないかチェックしながら、ほぐしていく習慣をつくりましょう。

トライアスリート的
マメなセルフケアのイメージ

毎日自分で続けられる
おすすめセルフケア

頭頂部と足の裏マッサージで
全身の緊張をゆるめる

人間の身体は、頭頂部(頭のてっぺん)から足の裏まで神経系がつながっているので、頭頂部と足の裏をマッサージすると全体がゆるみます。

入浴時に、頭を洗いながら頭頂部とその前後をもみ、身体を洗うときなどに足の裏をマッサージしたり、足をねじるように動かしたりする習慣をつけるのがオススメです。

頭の中心をおでこ側から頭頂部、後頭部まで3~4カ所にわけて各5秒ほどもみほぐすだけで全身がゆるむ

足裏をマッサージしたり、足首をグルグルとねじるように回すのも、全身のリラックスにつながるので、日々習慣化したい

ランで疲れた
ふくらはぎをほぐす

両手でスネ側とふくらはぎを持ち、クルクル回すと筋膜リリースができます。

また、ふくらはぎを軽くつかみ、足首を軽く動かすことで、ふくらはぎの筋肉を動かすと、凝りがゆるんできます。

POINT
●痛いところをグリグリ押さない

ふくらはぎの痛いところをグリグリ押すのは筋肉を逆にいためてしまうのでNG。柔らかくしたいところを押さえて、筋肉を動かすとほぐれます。つまり、柔らかくしたいところを押さえて、つながっている部分(ふくらはぎの場合は足首から先)を動かし、ふくらはぎの筋肉を動かすとほぐれるということです。これはふくらはぎ以外の部位でも言える、ケアの基本です。

バイク・ランで疲れた
腰をゆるめる

腰は、手で左右の脇腹を押さえて上体を動かすと凝りがゆるみます。

痛いところをグリグリ押したりしがちですが、これはNG。ふくらはぎと同様、押さえて動かすことで筋肉がゆるんできます。

肩甲骨まわりをゆるめる

肩甲骨まわりは普段の生活や仕事のデスクワークなどでも固まりやすい部位ですが、手が届かないので、自分ではほぐしにくいものです。

まず両腕を背中にまわして、指がどのくらい届くかを確認しましょう。これによって、肩甲骨まわりがどれくらい硬いかわかります。

人によっては左右差もあるので、それも含めて、自分の身体の状態(柔軟性)をチェック

肩甲骨まわりのゆるめ方❶

肩の内側・下あたり、肩甲骨が前に出っ張っている「烏口突起(うこうとっき)」部分の下に、痛くない程度に指で圧をかけながら、肩を上げ下げ。

可能なら腕をブラン・ブラン前後左右に振る。時間は30秒くらい。

これで、緊張して肩が上がっている人は下がりますし、胸の可動域が広がります。

肩甲骨まわりのゆるめ方➋

手で肩甲骨の裏側の筋肉「菱形筋(りょうけいきん)」を肩から押さえます。

このとき、もう片ほうの手を後ろに回して腰に当てると、この筋肉が少し浮き上がるので、位置がわかりやすくなります。

菱形筋を押さえながら、肩を上げ下げ。

可能なら前後左右に腕をブラン・ブラン振る。

ここが胸・肩甲骨まわりの筋肉のクロスポイント(接合部)で、特に硬くなりやすいんですが、ここをほぐすと全部がゆるんできます。

もう一度、手を背中にまわしてみると、より肩甲骨あたりに手が届くようになっていると思います。

これは、胸まわりの筋肉と「菱形筋」がほぐれたということ。

ここをゆるめると、スイムで腕が前へ伸びますし、自転車で首まわりが楽になり、ランでは腕が振れるようになります。

ゆるめてから
ストレッチすると効果的

身体にはこういう硬くなるポイントが左右半身それぞれ14カ所あり、これをゆるめると筋肉が柔らかくなってきます。

そういうことを知っていると、「今日はここが硬くなってるから、ゆるめよう」といった対処が自然とできるようになります。

ストレッチも大事ですが、硬くなっているところをゆるめてから伸ばすと、より効果的に身体の柔軟性を高めることができます。

続けていくほど筋肉は柔らかくなっていくので、こういうほぐすケアをマメにやってほしいですね。

トライアスリートにおすすめ
低周波治療器を使ったケアと
「オムロン 低周波治療器 HV-F080シリーズ」

ふくらはぎの治療で活用した
オムロンの低周波治療器

次に、低周波治療器を使ったリカバリーケアについてお話します。

私は3年前、ふくらはぎをいためて走れなくなったとき、オムロンの低周波治療器を紹介されて使い始めました。

治療院に通いながら自宅で治療器を使ってマメにセルフケアしていくうちに、この故障を乗り越えることができました。

最近は、オムロン低周波治療器の最新モデルHV-F080シリーズを愛用しているので、これもふまえて、低周波治療器を使うメリットと、私の使い方をご紹介します。

太田さんが愛用している「オムロン低周波治療器 HV-F080シリーズ」は、コンパクトで携行しやすく、自宅から移動先、遠征先まで常に持ち歩ける

メリットは楽に・マメに
セルフケアできること

低周波治療器の良いところは、楽に効果的なリカバリーケアができることです。

自分の手を使ったケアは、それなりにノウハウが必要ですし、強度を一定に保ちながらほぐしていく必要があるので神経を使います。これが「面倒臭くなって、続かなくなってしまう」原因にもなってしまいがち。

その点、低周波治療器はパッドをほぐしたい場所に貼れば、あとは治療器におまかせで、一定の強度を維持してくれますので、リカバリーケアで重要な「マメに・続けられる」という面でも大きなメリットがあります。

家でくつろいでいるとき、テレビを観ながら、スマホをいじりながら、趣味の何かをしながら等々、何かをしながらでもケアができます。

お仕事の出張先や、在宅勤務をしている人なら仕事中でもケアできますよね。

また、コンパクトなので、私は合宿やレースの遠征先にも持っていき、現地でケアをしています。

トライアスリートはトレーニングや大会遠征だけでなく、お仕事でも忙しい人が多いので、この低周波治療器 HV-F080シリーズの携行しやすさはありがたいですよね。

モード選択や強度調節もわかりやすく扱いやすい

疲労回復から痛み緩和まで
選べる3つの治療モード

オムロンの低周波治療器 HV-F080シリーズには、低周波で筋肉の疲労回復を助ける「リカバリーモード」と、痛みをやわらげる「ペインケアモード」があります。

私は日々の疲れや凝りをほぐすボディケアには「リカバリーモード」を、疲労がたまって痛みがある場合には「ペインケアモード」を使っています。

さらに、この2種類の低周波治療モードのほかに、低周波よりもっと微弱な、刺激を感じることのない電流を使う「マイクロカレントモード」があります。

「ペインケアモード」が慢性的な痛みをやわらげるのに対して、「マイクロカレントモード」は痛みのある関節や治療したい筋肉部位を挟み込むように貼り付けてケアします。

私が3年前に大きな故障をしたときは、このマイクロカレントモードに随分助けられました。

プロスポーツ選手にも使われているとのことです。

アスリートの声をもとに、使いやすく進化したパッドは写真の関節用(小=写真)と、大きな筋肉などにフィットする大きめのパッドの2種類が付属

アスリートの声をもとに
使いやすく進化した「パッド」

身体に貼るパッドは大小2種類。脚の筋肉などにフィットする大きめな形状の「筋肉用パッド」(大)と、肩から足裏まで、さまざまな部位に使えるだけでなく、関節の痛み治療にも最適な「関節用パッド」(小)です。

このパッドはアスリートの声(フィードバック)をもとに、使いやすい大きさ・形状のものに進化したとのことで、これまで使ってきた低周波治療器と比べても、いろいろな箇所に対応して、使いやすくなりました。

ほぐしたいところに、大小貼りやすいほうのパッドを貼って、強度を調節すればOK。

肩と腰、両方のふくらはぎを同時にほぐすなど、2カ所同時にケアすることができるのも便利です。

大きめのパッドはモモなど大きな筋肉をケアする際に使いやすい

20段階の強さ調節が可能で、最適な強度は、身体の大きさや筋肉の大きさ、筋肉・関節の凝り方・痛みの程度などによって違いますが、少し使ってみると、ちょうどいい強度がわかってきます。

腰をほぐす

私は朝バイクに乗ることが多いので、その後にバイクで疲労がたまった腰をほぐします。

筋肉用パッドを腰に貼ってもいいのかもしれませんが、私の場合は凝ったところをピンポイントでほぐしたいので、関節用パッドを背骨横の脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)や、その横の腰方形筋(ようほうけいきん)に貼っています。

この写真は腰方形筋に貼っているところ。

前述のとおり、腰は意外とダメージの蓄積や違和感を感じにくい場合もあるのですが、このあたりの筋肉が硬くなるとギックリ腰になったり、急に痛みが出てしまう場合もあるので、日頃から、こまめにほぐすようにします。

肩甲骨まわりをほぐす

肩甲骨まわりをほぐすには、肩甲骨の内側にある菱形筋(りょうけいきん)をねらって、背骨の外側に関節用パッドを貼っています。

低周波治療器のいいところは、肩甲骨の内側の菱形筋や、菱形筋と胸の筋肉のクロスポイントのように、手でほぐしにくい中の部分を微弱電流がほぐしてくれること。

肩甲骨まわりや腰など、背中側は手が届きにくく、セルフケアがおろそかになりがちなので、低周波治療器を使うメリットが大きいと思います。

ふくらはぎをほぐす

ふくらはぎのケアには大パッドを使い、ランニングで疲労しがちなふくらはぎからアキレス腱にかけてほぐします。

デリケートな場所なので、手を使うと圧をかける力の加減が難しいですが、低周波治療器ならマッサージの技術がなくても、うまくほぐすことができます。

モモ(腿)をほぐす

モモも大きな筋肉なので、筋肉用パッドを使います。

私はモモの外側(腸脛靭帯)が張りやすいので、そのあたりをねらってケアしています。

張りやすい場所は人によって違うので、凝っている場所を確認しながらケアしましょう。

ヒザをほぐす

エイジグルーパーの皆さんからも、痛みや違和感が出ることが多いと聞くヒザまわりをほぐすには、関節用パッド2枚で関節を挟むようにします。

ヒザは筋肉からつながっている腱や、衝撃・摩擦から骨を守る軟骨がいくつも組み合わさっていて、手でケアするのは難しいですが、低周波治療器を使うとマッサージの技術がなくてもケアできます。

プロアスリート仕様の治療モード
「マイクロカレントモード」

「マイクロカレントモード」は、低周波よりはるかに微弱な電流を使うので、刺激を感じることはほとんどなく、ケアしているのを実感しにくいかもしれませんが、これまでもさまざまなスポーツのトップ選手やトレーナーの間では治療に使われてきたそうです。

私自身も3年前、まったく走れなくなるほどの故障をした時期があったのですが、このときは治療院に通うだけでなく、この「マイクロカレントモード」を毎日使って乗り越えることができました。

普段は低周波治療モードを使うことが多いですが、こうした痛みのあるときは「マイクロカレントモード」を手軽に、マメに使えるのがありがたかったですね。

オムロン低周波治療器
HV-F080シリーズ

■価格:22,800円
■本体重量:約290g/本体サイズ:約172(横)×97.5(縦)×27(厚さ)mm

■主な付属品:専用パッド(筋肉用:2枚・関節用:4枚)、導子コード(2本)、専用ACアダプタ、収納ケース、パッドホルダー(2枚)、取扱説明書

治療モード・機能

>>リカバリーモード
Recovery1(低周波)
筋肉をもみほぐすような感覚の刺激
Recovery2(低周波)
筋肉を押すような感覚の刺激
Recovery3(低周波)
筋肉をたたくような感覚の刺激

>>ペインケアモード
Pain Care1(低周波)
一定のリズムでさするような感覚の刺激
Pain Care2(低周波)
一定のリズムで指で押すような感覚の刺激

>>マイクロカレントモード
Microcurrent
ごく微弱な電流を使った治療モード(通常、刺激を感じることはない)

強さ調節 20段階
治療時間 30分

>>「オムロン低周波治療器 HV-F080シリーズ」についての詳細・ご購入はコチラ

■ 製品サイト URLhttps://www.healthcare.omron.co.jp/kinnikusokukaifuku/

 

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