ミドルで差がつくトレーニングTIPS
TIP4 RUN ミドル対策「長めのブリックラン」実践法
この秋~来季の大会でミドルを目指しているトライアスリートに贈るトレーニング講座Supported by SHIMANO。
ミドル〜ロングで現役活躍する現役トップ選手にして、SUWAチャレ(SUWAKO 8PEAKS MIDDLE TRIATHLON CHALLENGE)メインコーチでもある久保埜一輝さんが、ミドル攻略で特に重要なバイクとランの具体的なメニューを例に挙げながら、特に意識すべきポイントをアドバイスする。
4回シリーズのラスト(最終回)はミドルのラン強化に有効な「ブリックトレーニングの実践法」を教えてもらった。
▶前回コラム「TIP3 BIKE ミドル攻略に効くインドアトレーニング」を読む
写真=小野口健太
文=原 修二
ランの強化には
ブリックトレーニングが効果的
ミドルのレースはバイク90〜100㎞ライドの後に21㎞のランを走ります。
そこで実力が発揮できるかがレースを決めると言っても過言ではありません。
51.5を完走できる人は、ラン単体なら21㎞走れるかもしれませんが、90〜100㎞バイクに乗った後に走るのは、まったく別ものです。
したがって、ミドル対策としてのラントレーニングは、ただランの練習量を増やすより、ミドルライドの後に続けて走ることで、レースに近い状態を作り出すほうが効果的です。
距離は20㎞でなくてもOK。1時間〜90分くらい走るくらいがいいと思います。ミドルライド後の疲労した状態での1時間〜90分走は十分高い効果が期待できます。
一度に長くやるより、こまめに長期間継続していくほうが、大きくパフォーマンスを上げることができます。
無理に量を増やすと、疲労がたまって練習の質が落ちたり、ケガをしたり、長期的に見て良くないことが起きる危険があります。
久保埜 ミドルライドの後、なるべく時間をあけずにランのトレーニングをスタートするには、バイクに乗っているときから補給をしっかりしておくこと。
長めと短めのブリックランを
組み合わせると効果的
ミドルライドの後の長めのブリックランは、レースが近くなってからではなく、できれば年間、月1回くらいの頻度で続けること。
続けていれば、レース近くになって頻度を上げなくてもOKです。
通年この長いブリックトレーニングをやっていると、気温の変化で冬は心拍が低くなり、夏は高くなりますが、レースで暑くてもこの心拍ならつぶれないといったことがわかるようになります。
トライアスロンのランは心拍を基準にペースを管理しましょう。
特に暑いレースでは、ペースにこだわっていると、暑さでつぶれる危険性が高くなります。
普段からどのくらいの気温・湿度・心拍ならどのくらいのペースを維持できるか、注意しながら練習していると、レースでのペース管理が的確にできるようになります。
月1回長めのブリックランの他に、短めのブリックランを週1回か隔週1回行うとさらに効果的です。
バイクの後にダウンジョグするだけでもOK。ペースはなるべくビルドアップ。
後半上げるクセをつけると、レースでペースを維持できるようになり、終盤の落ち込みを少なくすることができます。
バイク後のランで
フォームをチェック&矯正
ブリックランで気をつけたいのはフォームです。
バイクでずっと脚の屈伸を続けた後のランでは、動きが上下に跳ねがちになります。
無駄に跳ねると脚の負担が増え、ランのパフォーマンスが低下します。ヒザや足首の無駄な動きが大きく出ていないか、チェックしながら走りましょう。
上りの多いコースを走った後も、ペダルを下へ踏みつける動きがインプットされているので、ランで跳ねる動きが出やすくなります。また、バイクの動きが悪い人ほど跳ねる傾向があります。
跳ねるのを防止するには、いいピッチを刻むことを意識すること。普段からピッチを意識して走る習慣をつけ、いつものピッチより遅くないかチェックしましょう。ピッチが遅いということは、それだけ上に跳んで無駄にエネルギーを使っている可能性が高いということです。
また、普段からピッチが遅い人は、そもそも走りが跳ねがちになっている可能性があります。
適正なピッチはその人の身長・脚の長さや、筋力、ストライド走法かピッチ走法かといったことで違ってきますが、遅くても170/分、理想は180前後、小柄な人・女性でも上限190くらいが目安です。
ピッチが170~190の中におさまっているか、普段からチェックしながら走りましょう。
それ以上速いと心肺機能に負担がかかりますし、それより遅いと心肺は楽ですが脚に負担がかかることになります。
そのあたりを意識して、ちょうどいいところを目指しましょう。
平日にもチャンスがあれば
ブリックランを
平日にも時間があるならブリックランを入れるとさらに効果的です。
例えば、バイクの高強度トレーニングの後、10〜15分ダウンジョグするだけでもOK。長期的に継続していると、小さいブリックトレーニングの積み重ねが、大きな効果を生みます。
私は平日のバイク練習の後に必ずブリックランをやっていますし、むしろラントレーニングはバイクの後にしかやらないようにしています。
続けていると、バイクで脚が疲れている状態でどう走るかが、知識や理論ではなく感覚で身についてきます。レースでのランとラン単体で走るときのタイム差が小さくなっていきます。
佐渡AB両タイプ(ロング&ミドル)優勝経験をもち、2019年のアイアンマン世界選手権では日本人1位。指導者としても人気があり、今季はミドル挑戦企画「マセラティ スワコエイトピークス・トライアスロンチャレンジ」メインコーチも務めた。1990年、北海道生まれ。
それぞれのミドル挑戦!
「SUWAチャレ」メンバー
With SHIMANOシューズ&LAZERヘルメット
① 諏訪湖大会延期後、2021年の次なる目標は?
② 使用ヘルメットとその使用感
③ 使用バイクシューズとその使用感
#016 谷川真由子さん
(トライアスロン歴7年)
① 9月のオリンピックディスタンス、潮来大会でポイントを獲得して、もし開催されれば、日本選手権に出場すること。
② LAZER/BLADE AF「フィット感が良かったです」
③ SHIMANO/RC3「底が硬くて力が直に伝わる感じで、ものすごく気に入りました。女性限定の色もとても可愛いくて良かったです。もう他のものは使えないです!」
#017 新田克也さん
(トライアスロン歴6年)
① 伊良湖トライアスロン年代別入賞!(※後に本年度の開催中止に)
② LAZER/Sphere「コンパクトで使いやすい」
③ SHIMANO/RC3
#018 加瀬正尭さん
(トライアスロン歴4年)
① 九十九里トライアスロン(99T)のミドル、5時間40分以内で完走!
② LAZER/BLADE AF「とても良かったです!」
③ SHIMANO/TR5「非常に良かったです。変に当たるところもなく、ベルクロストラップはバイクに乗りながらでも脱ぎはきが楽でした」
#019 小林千世さん
(トライアスロン歴2年)
① 2022年以降でミドル&宮古島(ロング)の初完走。バイクとランのタイム短縮!
② LAZER/Blade AF「Mサイズ・ホワイトを使用。デザインと色がシンプルで好みでした」
③ SHIMANO/TR5「はきやすかったです!」
#020 三浦孝之さん
(トライアスロン歴6年)
① 99T(オリンピックディスタンス)2時間40分で完走!
② LAZER/Sphere「落車時にも、しっかり頭を保護してくれて基本性能(安全性能)の高さを実感」
③ SHIMANO/RC3「カカトのホールド感が良い。踏み込み時のソールの歪みが少なく感じました」
#021 花澤 彩さん
(トライアスロン歴6年)
① 10月の99T(オリンピックディスタンス)で3時間をきること! ランは1時間以内で! T1・T2も素早くを意識してこなす。
② LAZER/Sphere「まずカラーが可愛いかったので、選びました。サイズは少し大きかったかもしれないのですが(かぶったとき)安定する形状で、痛くなることもなく快適です!」
③ SHIMANO/RC3「普段から使用しているモデルで、とても使いやすくて好き。絶妙なカラーリングも好きです」