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【ミドルを攻略せよ】レースで差がつくモノ選び《Presented by SHIMANO》

投稿日:2021年3月25日 更新日:


ルミナ編集部

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《ミドルディスタンスを攻略せよ。》ミドルで差がつく「モノ選び」Presented by SHIMANO

 いまだ先行き不透明な2021年のレースシーズンだが、そんな中、注目の新規大会も続々で活況を呈しているのが「国内ミドル戦線」。

51.5kmからの初挑戦な人も、いつもはロングが目標な人も、今季はミドルに挑戦しよう!

ここでは距離・競技時間が長くなり、ハード(モノ)選びと、その使いこなし方でも大きな差がつくバイクまわりについて、自身強豪トライアスリートで、長年オリンピアンらのメカニックを手がけてきた相田博幸さんに語っていただこう。

写真=小野口健太、うさみたかみつ、Jero Honda 取材=今 雄飛

相田博幸 Hiroyuki Aida
千葉市稲毛区のフリート・バイク&トライアスロン店長。日本代表チームのメカニックを務め、上田藍、細田雄一、加藤友里恵らオリンピアンのメカニックも長年担当してきた。自身も51.5kmの日本選手権からアイアンマンまで数多くの大会に出場しているトライアスリート。

バイク&モノ選びの基準は今後ロングへ向かうか否か

距離は51.5㎞の倍。ミドルディスタンスを攻略するには、フィジカル面はもちろん、レース機材の面でもロング並みのレース対策が必要になる。スイム、バイク、ラン、3種目それぞれに対応するトライアスロンギアの選び方、使いこなし方について、上田藍、細田雄一など、オリンピアンのバイクメンテナンスも行っている、フリート・バイク&トライアスロンの相田博幸店長にお話をうかがった。

「ポイントは今後の目標をどこにおくのか? だと思います。国内のレースを中心に出場するのか、それともミドルやロングのアイアンマンレースを見据えているのか。また51.5㎞をメインに、たまにミドルやロングに挑戦するのか。そこでかなり変わってくると思います。機材選びという部分だけに注目するなら、種目としては、やはりスイムとバイクが中心になると思います」(相田さん、以下同)

特にスイムは、この先、アイアンマンなど海外のロングを目標とするかどうかで大きな違いが出てくるという。「国内レースを中心にするならウエットスーツは必須なので必ず準備しなければいけません。でもアイアンマンは水温によって要・不要が変わるので、必須ではありませんが、スイムスーツが必要になる人もいるでしょう」

電動変速もディスクブレーキもミドルでこそ恩恵が大きくなる

「51.5㎞からステップアップするとして・・・スイムは距離的にそれほど長くはならないですが、バイクは40㎞から90㎞と倍以上になります。もちろん競技時間も長くなるので、相応の準備が必要になります」

モノ選び(使用バイク&関連アイテム選び)の上で、ここで考えなければいけないのが、前述した『51.5㎞をメインにするのか、ロングを主戦場とするのか』という問題。「やはり将来的にロングを目指していくのであれば、トライアスロンバイクをはじめから選んだほうが快適にレースを楽しめると思います。51.5㎞がメイン、もしくはロードバイクのイベントに出場する機会が多い人にはロードバイクをオススメしています。ただ、どちらを選ぶにしても、DHバーのセッティング、サドル、コンポーネントにはこだわったほうがいいですね」やはりトライアスロンのバイクといえばDHバー。セッティングはもちろん重要だが、長さにも注意が必要だ。

「うちのショップは上田藍選手らITUのエリートアスリートに利用してもらっているせいもあってか、彼女らがレースに使っているような『短いDHバーを付けたい』という人もいるんですが、あれは集団走行のあるドラフティングレースのレギュレーションに対応した『アシストバー』に近いものなので、ミドルに出場するならロングにも使用できるDHバーで、快適性を高めてください。またロードバイクにDHバーを付けて使用する場合には、ポジションが大きく変わります。前傾が深くなる分、サドルも高くして、前に座る、いわゆる『前乗り』のような状態になります。シートポスト、サドルなどもこの前乗りに対応できるものに交換しておくといいでしょう。

いずれにせよDHバーに慣れるのには時間がかかります。ポジションを決めた後、練習してからレースに出られるように余裕をもってセッティングしたいですね。トライアスロンのバイクパートは空気抵抗を抑えるだけでなく、快適性が大切です。その後にランニングが待っていますので、身体に痛みが出てしまってはレースを続けるのが難しくなってしまいます」またコンポーネント選びも、後のランニングパートにかなりの影響を及ぼすという。

 

ロードバイクにDHバーを付ける場合、前傾が深くなる分、サドルの前に座る『前乗り』の状態に。サドルの高さなども、時間をかけて詰めていく必要がある

「Di2などの電動コンポーネントはすっかりトライアスロンに浸透していて、今さら言うまでもないですが、バイクパート中はもちろん快適ですし、ランニングにもかなり脚を残せると思います。この快適性やマメな変速のしやすさというメリットは、ミドル~ロングなど、乗る距離・時間が長くなればなるほど、大きくなります。

Di2はDHバーの先端にスイッチを簡単に取り付けることができるので、DHポジションのままシフトチェンジができます。緩い上りなど変速するかどうか迷うタイミングでも、迷うことなくシフトチェンジするので、脚へのダメージが少なくなると思いますよ」「ミドルでこそ選ぶメリットが大きい」という点は、ディスクブレーキについても同じことが言える。ディスクブレーキを採用したモデルは、フレーム設計の自由度が増したことで、空力性能やデザイン面などさまざまな面でミドル~ロングのトライアスロンでこそメリットを実感できる理想のバイクづくりが可能になっているからだ。

第4の種目「補給」をめぐるハードの準備も大事

ついついレース中の速さや快適さに目を奪われがちになるが、トライアスロン第4の種目とも言われる補給もミドル攻略においては、大切なポイントになってくる。「基本的にトライアスロンは夏に行われるレースなので、水分補給はミドル攻略の大切なポイントです。これも電動コンポに通じるところがあるのですが、いかに切らさず、億劫にならずスムーズに行えるかを考えたいですね。お客さんにオススメしているのはサドルの後ろに取り付けるボトルケージやDHバーの間に取り付けるボトルなどです。

また給水だけではなく、エネルギー補給も大切です。トップチューブ状のストレージを準備できればベストですが、もし難しいようなら少しバックポケットが大き目のウエアを準備すれば、ミドルなら十分対応できるとは思いますよ。51.5㎞はベースの体力があれば、力押しでなんとか完走できる人もいるでしょう。でもその倍の距離になるミドル、それよりも長いロングはそうはいきません。トレーニングで身体の準備をしておくことは当然ですが、快適にレースを進めていけるハード面の準備も忘れずにしておきましょう!」

DHバーの間やサドル後ろのボトルケージ、トップチューブバッグがあるとミドル攻略のキーとなる補給がしやすくなる

シマノDi2のDHバー先端変速スイッチ。DHポジションのままマメに変速できるメリットはミドルでこそ大きい

>>>ミドル対策 ヘルメット選び編
>>>ミドル対策 シューズ選び編

◎問い合わせ
シマノセールス自転車お客様相談窓口ナビダイアル
TEL0570-031961 https://bike.shimano.com

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