ミドルで差がつくトレーニングTIPS
TIP2 BIKE ミドルでPB更新!>>中・上級対策編
九十九里、琵琶湖、長良川など、秋のミドルを目指しているトライアスリートに贈るトレーニング講座Supported by SHIMANO。
ミドル〜ロングで現役活躍する現役トップ選手にして、SUWAチャレ(SUWAKO 8PEAKS MIDDLE TRIATHLON CHALLENGE)メインコーチでもある久保埜一輝さん(プロフィール記事末尾)が、ミドル攻略で特に重要なバイクとランの具体的なメニューを例に挙げながら、特に意識すべきポイントをアドバイスする。
全4回シリーズの第2回はミドルで記録更新、順位アップを目指す中・上級者向けに、パフォーマンス向上のための強化トレーニングのノウハウを紹介。
▶前回コラム「TIP1 BIKE 目指せ完走・初ミドル!>>基礎対策編」を読む
写真=小野口健太
文=原 修二
週末に土日続けて乗る
久保埜 ミドル経験者が自己ベスト更新したい、順位を上げたい場合、バイクトレーニングの軸になる毎週末のバイクライドを、土日続けて乗るのが効果的です。
1日目の疲労がある状態で2日目にも乗ることにより、レースの後半に落ちない走力を身につけることができます。
毎週末2回でなくても、土日で2回乗ったら次の週は土日どちらか1回などでもOKです。
週2回の場合の距離は、ショートライド40〜50㎞+ミドルライドの組み合わせか、またはショート+ショート。
週末1回ならミドルライド70〜90㎞。
2回乗る場合は、たとえば土曜に少しスピードを意識したショート、日曜は疲れがある状態で強度を落として乗るミドルまたはショートといった組み合わせにします。
1日目のショートはスピードを意識して、40〜50㎞をレースより速いペースで乗ること。レースペース以上で練習しておかないと、レースをそのレースペースで走りきり、ランに余力を残すのは難しいからです。
2日目がミドルの場合はゆっくりペースから入り、前日からの疲れ具合を見ながら後半上げていきます。
2日目がショートの場合はレースペースくらい。疲れた脚でレースペースを維持するだけで良い練習になります。
パワーを目安にする場合
最近、中・上級者にパワーメーターをつけている人が増えていますが、パワーと心拍を組み合わせると、より確実に効果的なトレーニングができます。
その場合、レースのバイク90㎞で3時間以内を目指すなら、FTP(Functional Threshold Power = 1時間持続できるパワーの限界値)の75〜80%くらいで走るのが目安です。
レースのバイク90㎞で3時間以上かかる人は、FTPの70〜75%くらいを目安にしましょう。
自分の過去のレースペースとパワーを見直してみると、どのくらいのパワーでどのくらいのタイムが出せるかがわかります。
さらにパワーを管理しながらトレーニングを続けていくと、自分のFTPがどのくらい上がっているか、レースでどのくらい出せそうかといったこともわかってきます。
平均パワーだけでなく
標準化パワー(NP)も参考に
ただし、同じ平均パワーでも、走り方でタイムは変わってきますから、平均パワーばかりに気をとられるのは要注意。
たとえばFTPの80%で走り続けられる人でも、上りのたびに頑張ると、負荷が高くなって疲労し、パワーが維持できなくなります。
そういう場合の判断基準として、NP(標準化パワー)を見てみるのもひとつのやり方です。
NPが平均パワーと離れ過ぎている場合、強度の上げ下げが大きく、エネルギー消費が大きくなっていることが考えられます。こういう走り方をしているとミドルやロングではもたないので、あまり離れないように走ること。
普段から、平均パワーとNPがどれくらい離れているかを意識しながらトレーニングしましょう。
インドアトレーニングの
回数を増やす
平日はインドアで週に2〜3回行うと効果的です。
内容は初心者編で紹介した基礎練習に、以下の強化トレーニング(インターバル)を加えます。
【インターバルトレーニング】
▼6分 ウォームアップ
▼5分FTP70%+5分FTP90% 4セット
▼8分FTP80%
▼クーリングダウン
POINT
久保埜 有酸素領域の上限値を行ったり来たりするトレーニングです。
FTP90%の部分は、ハンドルを握るロードポジションで、その他はTTポジションをとりましょう。アップダウンの連続するコースを、上りと下りで態勢を変えながら走るイメージです。
一定ペースで巡航する練習よりも強度的には辛いですが、短時間で負荷がかけられるので、時間がない方にお勧めです。
▼10分 ウォームアップ
▼5分FTP100% +5分イージー+3分 FTP100%+3分イージー+2分 FTP105%+3分イージー
▼1分FTP105~120%+2分イージー>>8セット
▼クーリングダウン
POINT
久保埜 高強度でFTP向上を目指すトレーニングです。
強度が高い練習になるので、アップ時に高回転区間を2~3本設けて、軽く心拍を上げて全身に血液を巡らせておくこと。
計20分間100%以上の出力を出しますが、1本ずつしっかり集中してこなしていきましょう。
イージー区間は、できるだけ心拍数が落ちるようにしましょう。
実走のワンポイントアドバイス
楽に速く走るために
「ダンシング」のスキルアップを
久保埜 なるべく疲労せずに走るためにお勧めしたいのがダンシングです。
上りをサドルに座ったまま頑張り続けると、脚の筋力を使って疲れますが、ダンシングだと体重を使うので、筋疲労を減らすことができます。
上りだけでなく平地でも、筋力に頼らず、体勢を変えながら、足を止めずに出力を維持することができますし、腰も伸ばせるので同じ体勢をとり続けるより楽に走れます。
ただし、慣れていないと力んでしまうので、普段からバイクライドでダンシングに慣れておきましょう。
佐渡AB両タイプ(ロング&ミドル)優勝経験をもち、2019年のアイアンマン世界選手権では日本人1位(=写真)。指導者としても人気があり、今季はミドル挑戦企画「マセラティ スワコエイトピークス・トライアスロンチャレンジ」メインコーチも務めた。1990年、北海道生まれ。
それぞれのミドル挑戦!
「SUWAチャレ」メンバー
With SHIMANOシューズ&LAZERヘルメット
① 諏訪湖大会延期後、2021年の次なる目標は?
② 使用ヘルメットとその使用感
③ 使用バイクシューズとその使用感
#006 斉藤 親さん
(トライアスロン歴5年)
① 9月の潮来トライアスロン(51.5km)でトータル2時間30分切り。
② LAZER/Sphere「頭にピッタリフィットして使いやすかったです」
③ SHIMANO/RC3「しっかり足を固定できて、ペダリングしやすい」
#007 眞邉勝仁さん
(トライアスロン歴3年)
① 来年(2022年)宮古島のロングを完走したい。
② LAZER/Sphere「しっかりフィットしている」
③ SHIMANO/TR5「フィット感があり、はきやすい。そして軽い」
#008 波多野幸子さん
(トライアスロン歴4年)
① SUWAチャレで出会った仲間に刺激されて、オリンピックディスタンスの年代別ランキングにチャレンジすることにしました!
② LAZER/Sphere「使い勝手だけでなく、色も気に入っています」
③ SHIMANO/RC3「(足の幅が広めなので)ワイドサイズがあって、よかったです」
#009 大江 歩さん
(トライアスロン歴5年)
① 10月の九十九里トライアスロン(ミドル)をトータル7時間以内で完走!
② LAZER/Sphere「ベルクロ付きパッドがはがれにくく扱いやすい」
③ SHIMANO/RC3「フィット調整が極めて容易」
#010 野口康代さん
(トライアスロン歴4年)
① 2022年のアイアンマン・ケアンズで13時間以内完走目標。
② LAZER/BLADE AF「しっかり守られている感があり、安心して走れます」
③ SHIMANO/RC3「はきやすく、気に入っています」