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【久保埜一輝×太田麻衣子】心とカラダのコンディショニング対談

投稿日:2022年6月7日 更新日:


ルミナ編集部

text by:

Our Reboot Style
久保埜一輝×太田麻衣子

トライアスロンを長く・真剣に楽しむために。ふたりの闘う人気指導者が考えてきた、心とカラダのコンディショニング

写真=小野口健太


KazukiKubono
元プロ選手の父親のもと6歳でトライアスロンを始める。高校卒業後、一時、競技を離れるも、2013年IRONMANJAPAN北海道でレース復帰。2018年には地元・北海道での消防の職を辞して上京。指導者として活動しながら佐渡AB両タイプ優勝、2019年KONA(IRONMAN世界選手権)日本人1位などの戦績を残している。


Maiko Ota
高校まで競泳選手、大学からトライアスロンを始め日本トライアスロンスプリント選手権優勝などエリート選手として活躍。コーチ転身後はミドル~ロングにも出場し、今年10月のKONAにも出場予定。主宰するトライアスロン・コミュニティLapulem(ラプレム)ではケガなくトライアスロンを楽しむプログラムを提供している。

楽しめない頑張りは、きっと続かない。

――幅広い層のトライアスリートを指導しつつ、自らもレースに出場し続けているおふたりですが、一時、トライアスロンから離れた時期を経て、レース復帰している点も共通していますね。

太田麻衣子(以下、太田 私が一時、競技をやめていたのは、脚を痛めて思うように走れないことが続いた時期です。2012年から4年くらいレースに全く出ていなかったのですが、トレーニングを本格的にしないので太ってくるし、応援に行っていると自分もやってみたくなって、2016年にハワイのローカルレースで復帰しました。

今にして思えばレースに出ていない4年間でコンディションも整い、脚もさすがに痛くなくなりました。まさに良いリブート期間になっていました。

久保埜一輝(以下、久保埜  僕の場合は、高校3年でもう(トライアスロンに関しては)燃え尽きました。十代なのに常に疲れていて、それでも成績は出さなければいけないというプレッシャーを感じてしまい、トライアスロンが全然楽しくなくなっていたんです。

で、3年間くらいトライアスロンどころか運動もあまりしなくなって、タバコ吸って、遊んで。自信をもって「遊びつくした」と言えるような(笑)そんな生活でした。それまで見てこなかった世界も見ることができて無茶苦茶楽しかったんですけれど、何か物足りないな……と。

やっぱりトライアスロンの充実感っていうのは、普通のスポーツでさえ味わえない格別なもの。「もう一度やりたいなぁ」と思っていた頃、ちょうど地元・北海道でアイアンマンが開催されることになったんです。アイアンマンには昔、憧れていたので、せっかくだから挑戦しようと思って、1年間、必死に練習して出場したら、思っていた以上に良い成績が出たんです(※9時間38分で日本人1位)。

よく練習して、よく休む。充実したアスリート生活

―――—おふたりとも自身の経験も踏まえ、一般のトライアスリートには「長く楽しんでもらえるような指導」を心がけているそうですが、体調管理、疲労管理の面でアドバイスすることは?

太田 トライアスロンて、ハードじゃないですか? なので、皆さん疲れているのが当たり前だと思っているところがあって、どこかが少々痛くても治療に行かない。脚が痛くても走るのは当たり前といった雰囲気もあるので、せめてうち(ラプレム)に練習に来たときは、セルフでも簡単にできる、ほぐしなどは入れるようにしています。

トレーニングに関しては、やり過ぎないよう気を付けてもらっています。私自身もそうですが絶対にオールアウトはしない。やっぱりケガしちゃったら、続けられなくなっちゃうので。

あとは、練習が終わったらアミノ酸系のサプリメントやプロテインをとったり、とにかくしっかり補給するようアドバイスしています。新たにそういう習慣をプラスするのがなかなかできない人にも、せめて毎日飲む水だけは良いものを選ぶようにアドバイスしたりとか。

――コロナ明けに向けて、レースも徐々に増えてきましたが、久しぶりのレースを迎える人が注意すべき点は?

太田 レース本番って、いつもよりできる気がしてしまいがちですが、久しぶりのレースとなると、より興奮しちゃうので、「練習よりも少しゆっくりなペースで走る」くらいの気持ちでいったらいいかなと思います。

久保埜 トレーニング的な部分では、レース前って、調子を確かめるためにタイムをとりたくなるんですけれど、あまり細かく気にしないほうがいい。疲労管理の面では(大会に向けて)練習量を2~3週間くらいかけて徐々に落として、疲労を抜いていくイメージが大事。最後の1週間で一気に落として、疲労はとれたとしても、精神的にだるくなってしまうこともあるので。

――トライアスリートとして、指導者として、今後の目標は?

太田 自分も楽しく、ゆるく競技をやりつつ、いろいろな人と関わっていければと思っていますが、選手としては、今やりたいことが明確にあります。

今年のメインはKONAで、その前に佐渡のロング日本選手権にもエントリーしています。年代別ではない「日本選手権」で頑張れるのはあと数年なのかなとも思うので、佐渡で優勝したいですし、KONAでもエイジ優勝を目指します。来年、宮古島が開催されたら、そこでも優勝を狙いたい。

久保埜 僕はイチ選手として、そんなに明確な目標はないんですけれど、昔から憧れていたアイアンマンで頑張りたい。その中の第1目標としては、KONAで父のタイムをまだ超えられていないので、まずはそれを超えたい。

太田 お父さんのタイムは?

久保埜 9時間20分で、父がそのタイムを出したのは、今の僕と同じくらいの年齢のとき。僕は前回(2019年)9時間24分で、あとちょっとだったんですけれど、(父親がKONAに出ていた)20年前と比べると路面も良くなり、機材も大分進化しているので、それを大幅に超えていきたいですね。

太田 すごく良い目標ですね。

久保埜 あとは太田さんと一緒で、ケガせず、長くトライアスロンをやっていきたいと思いますし、指導する皆さんにも、以前、自分が経験したようにタイムや順位だけに縛られて、トライアスロンが楽しくなくなってしまうといった状況に陥らないよう、長く楽しめるスタイルを伝えていければと。

太田 もちろん高いレベルで頑張ることが楽しい人もいると思いますし、何をもって「楽しい」とするかは人それぞれですが、まずは、そのときの自分にとって「楽しい」と思えるスタイルでやることが一番大事ですよね。

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