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ランにも足を残せる武器として「VENTUM」を選ぶ。

投稿日:2017年5月29日 更新日:


山村 勇騎

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UCI規定外の「異形バイク」として初めてITUのノンドラフトレースでの使用が認められた「VENTUM One」を駆るケスラー

VENTUMサポートライダー:メレディス・ケスラー(アメリカ)
Special Interview #02/03


チームVENTUMの一員として。

VENTUM創設者のディアー・ノーアからサポート・ライダーとして迎え入れられた直後にお気に入りのアイアンマン(以下IM)・ニュージーランドで優勝を果たしたメレディス・ケスラー。

その後IMアリゾナ、70.3タウポと3勝を重ねることになるのだが、VENTUMチームに入った最初のシーズンでは彼女はどのように変化していったのか?

“メカ音痴の私でさえ明確に体感した、空気抵抗の少なさ。”

Q 以前にもいくつかの有名バイクメーカーにサポートされてましたよね。VENTUMはUCI規定外でありながらITUレースでも使用できる数少ないスーパーバイク※1ですが、何か違いは感じられますか?

最初に白状するけど、私は機材に対してずっと無頓着だったの。剛性だとかハンドリング性能とか、メーカー側が謳っているような特徴なんて正直あまり感じることができなかった。

ハッキリ言ってどれも同じようなもの。とりあえず、与えられたバイクならどんなものでも乗って、一所懸命にこぐだけ――

それだけがプロ選手として重要だと考えていたのです。

でも近年、女子のプロ選手たちの高速化が著しくなってきて、選手の体力だけではついていけないと感じていたの。それでハード面でも何か対策を講じなければと、やっと気づくようになったのよ。

その答えがVENTUMのバイクだった。

先ほども言いましたが、メカ音痴の私でさえも感じられるほどの空気抵抗の少なさ。VENTUMのクルーたちと一緒に行った風洞実験室では、あらためて数値的なものも確認できたのよ。

この時点で初めてフルのアイアンマンでこのバイクに乗った場合、驚くほどの優位性があるということが解った。この高いエアロ効率はバイクレグのタイムを縮めるだけではなく、ランにも足を残せる武器になるということです。

VENTUMに乗っている他のライダーたちも、このメリットを感じているはずね。

Q.トライアスロンレースでVENTUMに乗る利点は、何だと思いますか?

VENTUMに乗る前の年までは、私のトレーニングパートナーのケイトはクイーンK(※IM世界選手権ハワイ・バイクコースの多くを占めるハイウェイ)で、いつも私を風よけにしてピッタリついて走っていました。

ところが、VENTUMに乗り始めてからは後ろについても以前ほどドラフティング効果が感じられないと言っていたの。前を走っている私を、風がそのまま後ろにすり抜けて、まるでひとりで走っているようだってね。

空気抵抗値の低さもそうだけどドラッグ値(後ろへ引っ張る抵抗)が低いことでドラフティングゾーンが小さくなり、後ろのライダーからの攻撃のチャンスも減らすことができるのも有利な点ですね。

レース本番では多くの人が陥ることですが、バイクで筋力を使い過ぎた場合、そのツケがランに出ることは避けられません。

同じスピードでも他のバイクと比べて低ワット数で走り続けられるのはVENTUMの最大利点です。

それに35km過ぎのラン終盤にでも、以前よりまだ「足が残っている」ことを感じられるのは、このバイクのおかげだと思いますよ。

これまで支えてくれた支援者たちのイニシャルがあしらわれたカスタムペイントのヴェンタムバイク

 

Q.2016年のコナで、カスタムペイントのヴェンタムバイクを見ました。フレームには、多くのアルファベットがペイントされてましたよね。そのデザインのコンセプトは?

去年のコナでデビューしたカスタムペイントのヴェンタムバイクは、私にとってとても特別なものなの。

ディアーとジミー・シーアー(元ITUプロ選手、VENTUM共同創立者)は、私のアイデアを完璧に実現したペイントに仕上げてくれました。最高の出来だと思います。

たくさんのアルファベット2文字は、これまでお世話になってきた人たちのイニシャルを表しています。レース中に下を向くと彼らを乗せて一緒に戦っている気分になりました。

辛くなる時間帯にも下を向いてフレームに目をやると力が湧いてきたし、心の平穏や幸福感も常に感じていられました。

このバイクには、個人的にとても思い入れのあるものになっているんです。それに、何より、こんなにたくさんの人を乗せられるバイクは、世界のどこにもないでしょう!(笑)
Interview #03/03 「ただのトレーニング本ではない著書『LIFE OF A TRIATHLETE』に続く>>)

(注釈)
※1 2016年のオクラホマシティで行われたITUロング世界選手権では、VENTUM OneはUCI規定外ながら異形バイクとして初めてITUのノンドラフトレースでの使用が認められていた。

取材協力/VENTUM ASIA

 

■プロフィール
Meredith Kessler(メレディス・ケスラー)
アメリカ・オハイオ州出身のアイアンマンのトップコンテンダー。高校時代より陸上やグランドホッケーで活躍し、大学では名門シラキュース大学の特待生となる。大学卒業後にトライアスロンを始め、アイアンマン・アリゾナを連覇(2014・2015年)しているほか、2016年にはVENTUMでの初戦となったニュージーランドでも優勝、5連覇を果たしている。meredithkessler.com

©Kenta Onoguchi

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