COLUMN KONA Challenge

【KONAチャレ 今井達也さん】初めての世界戦、NICEに挑む。

投稿日:2023年10月6日 更新日:


ルミナ編集部

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アイアンマン世界選手権ニース 今井達也さんレポート

2023 Ironman world championship in Nice

KONAチャレ2期生 今井さんアイアンマン世界選手権NICEに出場

2カ年でアイアンマン世界選手権出場を目指す、チャレンジ企画の最高峰「KONAチャレンジ企画」第2期メンバーの今井達也さんは、KONAチャレが始まった当初、2018年からフレンドメンバーとして参加。トライアスロン歴30年以上の、ベテラントライアスリートで、今年のアイアンマン・フィリピンに参戦し、見事アイアンマン世界化選手権(NICE)の出場権を獲得した。

初めてのアイアンマン世界選手権の様子をリポートしてくれた。

>>スロットを獲得したIMフィリピンのリポートはコチラから。

アイアンマン世界選手権ニース 今井達也さんレポート

KONAチャレメンターの大西雅之さん(写真・左)とプロフェクトリーダーの竹谷賢二さん(写真・中央)、今井さん

初めての世界戦NICEを思いっきり楽しむ

フィリピンで世界戦の権利取得から3カ月弱、限られた時間でできることをと、通常以上にトライアスロン中心の生活を過ごしてきた。7月のLumina合宿で刺激を入れ、その後も毎週末、バイクの山岳コース対策で登り中心の練習をしてきた。

ランは猛暑で、長距離を走れる環境ではなく早朝ランが中心。痛めていたハムストリングスの痛みも徐々に緩和し、練習はまずまず積むことができた。

とはいえ、会社員なので、仕事も大事、レース期間に迷惑をかけないようにと、根回しと準備を徹底した。フィリピンでのバイクトラブル(Di2が作動しなかった)の反省から今回は万全にと、バイクショップでフルメンテを実施した。

アイアンマン世界選手権ニース 今井達也さんレポート

また、バイクは山岳コースに備え、TTではなくロードを選択した。また最近ケガが多いので、身体のメンテも怠りなく。最近はめっきり応援に来なくなった家族も、開催地ニースにつられて行くとのことで、宿泊地や飛行機のアレンジも、とマルチタスクで大変だったが、こういうプロセスもレースの一部。準備も着々と進め、日本を発った。

今年のアイアンマン世界選手権、男子の開催地はニース。随分前に旅行で訪れたことがあり、当時1歳だった次男も今や18歳。また一緒にこの地を踏めるのもうれしい。

アイアンマンの他にもラグビーワールドカップもあり、多くの人で賑わっている。真っ青な地中海と歴史を感じる街並みの中で、食事は土地柄、仏、伊、スペイン料理と何を食べても美味しい。

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松嶋シェフのレストランでランチを

宿泊地から5分の距離にあの松嶋 啓介Keisuke Matsushimaさんのレストランもあり、レース前日のランチを堪能。そしてなんとおにぎりも準備してくれるとのこと! 何とも贅沢なレース朝の食事となった。

水曜に現地に到着したので、ニース散策に加え、モナコに行ったりと観光も楽しみながら当日を迎えた。

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ご家族と

当初、ウエットスーツ着用OKと思っていたが、当日朝に何と「no wet」の告知。まあ、皆条件は同じ。直前にジタバタしない。

6時前、薄暗い中、会場に向かう。竹谷さん(竹谷賢二さん=KONAチャレのプロジェクトリーダー)とはゼッケン2つ違いで、バイク準備時に健闘を誓う。

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スイム会場に向かうと、牧野さん(牧野星さん=KONAチャレ1期メンバー)にも会い、長い1日を楽しみましょうと、ここでも気合を再注入、いよいよスタート。紺碧の海にダイブ!

エイジごとのウエーブスタートで、50-54歳のエイジは300人超なので相応にパックができ、久々にバトルも体感したものの、挑発には乗らず冷静に。

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©KentaOnoguchi

ブイは小さく見えにくいが、真っ青に拡がる海は視界もよく、周囲が確認できるのでコース取りはまずまず。前のウエーブも落ちてくる中、順調に進む。最後は、身体が冷えた感じがあったものの、1時間2分(エイジ18位)でスイムフィニッシュ。no wetにしては上出来で、バイクに繋げることができた。

参加者2000人超で、トランジットもごった返しており、バイクスタート直後からTTバイクに抜かれまくる。想定通りとはいえ、実力差を感じる。

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10㎞近辺で早くも山岳地帯に。登りに入ると、抜かれなくなり、ロードにして正解かも。斜度は5-10%程度と物凄くきつい坂ではないが、これが60㎞近辺まで永遠と続く。先は長いので焦らない。20㎞を過ぎて、右ハンドルの異変に気付く。

下に力をいれると、ぐにゃっとなり折れかかっている……。事前メンテはあれだけやったのに、空輸時のトラブルか。下りの状況ではリタイアも頭をかすめるが、とりあえず登りはエアロバー近辺を持てばいけるので、いけるところまで行こう。

ダイナミックな九十九折りで、物凄く先の山頂近辺に小さくバイクが見える。あそこまで行くんだ。不思議と絶望感はなく、このコースを走れることに感謝しながら進む。写真やFulGazで事前にコースチェックしていたものの、目前にすると全く雄大さが違う。

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ようやくピークまで到着、ここからは地図上平坦だがそれなりにアップダウンのあるコースを60㎞ほど進む。下りはハンドルのこともあり、かなり神経を使い、慎重に進んだためどんどん抜かれる。

さすがに登りのダメージもあり、登りと下りの連続は補給のタイミングも難しく、あと120㎞かと少々弱気になる。中間エイドでトイレ休憩とモルテンを注入。リフレッシュして、もうひとつある登りに突入。

練習の成果かここでは何人かパスすることができ、これで登りは終了。長い下り坂に入る。ここからはヘアピンカーブも多く、下りでも心拍数があがる。ほんと、休むことができないコース設定。コースの最後にはラグビー会場も見え、長かったバイクも終了。結局、7時間2分(エイジ184位)もかかってしまったが、ハンドルトラブルの中、このコースを克服、後はフルマラソンを残すのみ!

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©KentaOnoguchi

フロデノコールで盛り上がる中、トランジット。プロはもうゴールしているのか……。ランコースは海岸通りを4往復する。沿道にはたくさんの応援があり、アドレナリンを放出しながら最初の10㎞は良いペースで進む。一方、日差しは強く、喉が渇くのだが、徐々に身体が水分を受け付けなくなる。

スイカとオレンジで凌ぎつつ、すれ違う日本人と励まし合う。やはりあのバイクコースのダメージか、徐々にペースが落ち、今回は声援に応えて笑顔で走ろうと思っていたが、徐々に視野が狭くなる。

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©KentaOnoguchi

エイドでの滞在時間は長くなるが、他では足を止めない。ここまで練習や準備をしてきた時間を考えればあと少し。色んな課題を克服して、また周囲の協力もあってこのレースに出場できていることは本当に幸せであることを噛みしめ、久々の家族の応援も後押しに、フィニッシュラインを目指す。

明るいうちには帰ってこられなかったが、無事ゴールできることに感謝しながら花道を堪能。ここは走り切った者しか味わえない最高の瞬間だ!

アイアンマン世界選手権ニース 今井達也さんレポート

今年、開催地がニースになり賛否両論あったものの、ロケーションは最高で、ハードなコースも世界戦に相応しいと実感。12時間58分(エイジ164位、一応、日本人では竹谷さんに次いで2位)と随分コースを楽しみ過ぎてしまった結果で、ハワイ(2024年の男子世界戦はKONAで開催予定)には、もう一段も二段もレベルアップする必要があるが、さらにその思いは強くなった。

来年は55歳のエイジカテゴリーに突入、達成感もそうだがその目標に向かっていくプロセスが面白い。やっぱりIronmanっていいですよね。

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