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キャメロン&鷲津奈緒美「苦闘と連覇」第34回宮古島大会《速報》

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ルミナ編集部

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ラン中盤でトップをとらえ、逆転勝利で「連覇」をなしとげたNZの英雄キャメロン

写真/小野口健太

想定外の展開でも、「勝ち抜く力」を見せたキャメロン・ブラウン

第34回全日本トライアスロン宮古島大会が4月22日、沖縄県宮古島市で開催され、男子(総合)優勝争いはキャメロン・ブラウン(NZ)、女子は鷲津奈緒美が、それぞれ連覇を達成した。

男女合わせて1572選手が出走した今年のレース、はじめて1500m✕2周回となったスイムコースは、波もなく穏やかな海のコンディションにも助けられ、大きな事故も大量リタイアも出すことなく進行(※スイムでのリタイアは昨年の約100人に対し、今回は10人)。

そんな中、男子トップ争いは、昨年総合2位のサイモン・ヤン(ドイツ)が36分49秒(※速報タイム、以下同)でスイムをフィニッシュし、そのまま単独で逃げを打つ展開からスタート。

キャメロン・ブラウンはこれを約2分差で追うが、バイクでさらに6分ほどその差を広げられ、2位のままランへ。

ランスタート時点で約8分差をつけられたことは、キャメロンにとっても想定外の展開だったようだが、3月のアイアンマンNZでは2時間41分台でアイアンマンのラン42.2kmを走っている45歳のディフェンディングチャンプは、もちろんあきらめなかった。

「追いつけるか心配なタイム差だったが、ランに入ってからは1㎞ごとに少しずつペースを上げられたので、これはいけるのじゃないかと。折り返し地点でもまだ差が30秒くらいあったが、23㎞あたりで(サイモンを追い越して)トップに立てた。そのあとは、戸原(開人)選手がすごいランナーだということも事前に知っていたので、追いつかれないように、気持ちをプッシュして頑張った」(キャメロン・ブラウン)

事前記事でも触れたような「圧勝」ではなく「苦闘」の末に、キャメロン・ブラウンは、今年も世界トップレベルの「勝ち抜く力」を見せ、2度目のストロングマン王座をその手中に収めた。

戸原は復帰戦2位入賞も「内容的にはまったくダメ」

2015・2016年と宮古島を連覇している戸原。フリーランスのプロとして初戦で健闘

そのキャメロンには及ばなかったものの、総合2位に入ったのは、日本のエース戸原開人。バイク終了時点でキャメロン・ブラウンと約12分差の4位。ここから苦しみながらもダミアン・コリンズ(4位)、サイモン・ヤン(3位)をとらえ、キャメロンに迫った。

戸原がロングの距離を最後まで通して走る実戦は、2016年アイアンマン・マレーシア以来。実質上の「ロング復帰戦」にして、フリーランスのプロとしての大事な国内初戦で健闘し、一定の結果は残したと言っていいだろう。

ただ、戸原自身は「スイムではキャメロンたちから3分も遅れたし、バイクのパワー(出力)で見ても良くなかった。2位という順位は悪くないように見えるかもしれないが、レースの内容はまったくダメ」と反省しきり。「今回のレースは(これから始まる新たな選手活動の)キックオフイベントで、すべては『これから』だと思っている。また拠点の茨城に帰って、イチからトレーニングに打ち込みたい」と決意を新たにしていた。

女子最多勝利記録を「4」に伸ばした鷲津奈緒美

過去最悪の闘いを、鷲津奈緒美が止めなかった理由

女子の優勝争いは、戦前の前評判どおり、ディフェンディングチャンピオン鷲津奈緒美の独壇場だった。

スイムをトップから約3分半遅れの4位で上がると、バイクの40㎞過ぎで一本松静香(前回3位)らをかわしてトップに。

それ以降は、後続の女子選手に影を踏ませない「独り旅」で圧勝。宮古島大会女子最多勝利(単独)記録を「4」に伸ばした。

しかし、当の鷲津自身は、戸原と同様、自らの目指したレースとはほど遠かったと話し、「順位や(女子史上最多の)4勝よりも、とにかく練習を積んできたランで良い走りをして、『良いレース』にしたかったので、まったく思うように走れず、納得のいかないダメなレースになってしまったのが、悔しい」と涙さえにじませた。

レースでの不調の原因としては「補給の失敗」を挙げる。バイク途中から補給していて違和感があり、ランでは、ほぼ何も摂れず、「ほぼ無補給」で42kmを走ることになったという。

「ランでは何にも食べられず、折り返し付近で、エナジージェルを一本なんとか摂っただけ。途中、(エネルギー切れで)眠くなってしまい、エイドでは水をかぶって、自分の頬っぺたを叩いて目を覚ましていたり・・・今までで一番辛いレースだった」(鷲津)

それでも、レースを止めず最後まで走り切った一因は、レース前々日の記者会見で「いつかは(宮古島大会では男子でもなしえていない)通算5勝に挑戦したい」とした、自らのコメントにあるとも。

「『いつか5勝したい』なんて言ってしまったので、恥ずかしくないように、あきらめずに走ったが、走っている最中は『もうレースを止めたい』『早く後ろの選手が抜かしてくれないかな・・・』とか、ネガティブなことばかり考えていた」(同)

思いがけず過去最悪の闘いを強いられた4勝目のストロングマン。その苦闘を切り抜けた結果、鷲津奈緒美は「35周年記念大会(2019年)での通算5勝」という前人未到の大記録へ、王手をかける恰好となった。

★そのほかの上位記録などは、大会公式・記録速報から https://systemway.jp/18miyako 

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