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直前! 東京2020トライアスロン観戦ガイド【男子編】

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ルミナ編集部

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7/26男子のレースを皮切りに東京・お台場で開幕する東京2020オリンピック・トライアスロン競技。写真は2019年東京OQE(テストイベント)のスタートシーン ©Kenta Onoguchi

4×オリンピアン田山寛豪さんに聞いた
トライアスリート向け観戦ガイド

いよいよ開幕した東京オリンピック。7月26日(月)には、午前6時30分から、トライアスロン競技・男子のレースが開催される。

コロナ禍の影響で、残念ながら無観客開催となってしまったが、トライアスリートには日本選手権の会場としてもおなじみの東京・お台場の風景の中で繰り広げられる世界最高峰の51.5kmを、TV観戦で楽しむために、

4度のオリンピック出場経験をもつ田山寛豪さん(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学 准教授)に訊いた、オリンピック・トライアスロンの見どころを紹介しよう。

取材=須賀啓太(※Triathlon Lumina7月号掲載記事の一部を改変・転載)

主役はバンサン・ルイか
強国チームノルウェーか

男子の主役はフランスのバンサン・ルイ。2年連続でWTCS(World Triathlon Championship Series)チャンピオンとなっている世界王者が満を持して金メダルを獲りに来る。

最近の男子選手の中では3種目すべてにおいて高いレベルでバランスが取れているので、どんな展開になったとしても対応できるのがルイのストロングポイント。

ただ、他の有力選手と違って2019年に行われた東京OQE(オリンピック・テストイベント)に出場しておらず、本番コースを経験していないのが唯一の不安要素だ。

東京2020のメダル有力候補のひとりバンサン・ルイ。5月のWTCS横浜では見せ場をつくれず6位に終わったが、東京の大舞台では本領発揮なるか ©World Triathlon Media /Janos Schmidt

その不安要素を抜きにしても主役のひとりがルイであることは間違いないのだが、レース展開を左右するのはクリスティアン・ブルンメンフェルトカスペル・ストールネスグスタフ・イデンのノルウェー代表3人になると田山氏は話す。

彼らチームノルウェーはバイクスキルが総じて高く、テクニカルで減速、加速を繰り返す東京オリンピックのバイクコースではかなり怖い存在になるという。

他の選手よりも減速を抑えてコーナリングでき、コーナーからの立ち上がりも速いので、他の選手はそれについていくことで精一杯となり脚を削られ、ランで走れなくなるのを彼らは狙ってくる。

東京OQEではエースのブルンメンフェルトはDNFだったが、ストールネスが2位に入っていてコースとの相性の良さがうかがえる。

写真は猛暑の中、開催された2019年東京OQEを走るイデン(左)とジョナサン・ブラウンリー(右)。東京の暑さがメダル争いにどう影響するかも、ひとつの見どころ ©Kenta Onoguchi

ニュージーランドの新鋭
へイデン・ワイルドにも注目

またロンドン銅メダル、リオ銀メダルで3大会連続のメダル獲得を目指すイギリスのジョナサン・ブラウンリーも有力選手のひとり。だが田山氏いわく当時と比べると男子全体のランニングのレベルが上がってきており、最近の彼のパフォーマンスを見ると表彰台でさえ難しいという。

そんな中、ぜひ注目してほしいと名前を出したのが東京OQEで3位に入ったニュージーランドのヘイデン・ワイルド

もともと3種目のバランスが良い上に今ランに磨きがかかっており、レースを重ねるごとに進化が見られるという今年24歳の若手だ。今の彼の成長スピードから考えると一気に頂点に上り詰めてもおかしくない。

田山さんが注目選手として挙げるへイデン・ワイルド。直近のWTCSリーズでも上位に入っており調子は上向いている ©Kenta Onoguchi

男子はその他にもスペインの強豪マリオ・モーラもいるが、そもそも出場選手数がWTCSよりも少ないオリンピックではモーラのようなランで追い上げるタイプの選手は数が少なく、バイクでうまく集団が構成できず厳しいのだという。

しかしはっきり言って男子はレース展開を予想するのが難しく、スイムからハイペースのサバイバルレースになる可能性もあれば、ランで最後のスプリント勝負になるまでレースが動かないこともありえる。

そのため東京OQEでカナダのテイラー・ミスローチャックが勝ったように、本番でも思わぬ伏兵がきてもおかしくない。

それだけにどこが勝敗を分けるポイントになるか、TV中継から目が離せない一戦となりそうだ。

いわゆるプレ五輪を制した選手は本番でもメダルを獲ることが多いが、東京OQE優勝のミスローチャックは本選でも結果を残せるか ©Kenta Onoguchi

>>男子スタートリスト

>>東京2020エントリー選手一覧(World Triathlon公式サイト)

ポンツーンのスタート位置抽選の結果。日本代表ふたりは真ん中に陣取っている(World Triathlon公式サイトより)

チームJAPANを応援しよう!

代表入りを決めたWTCS横浜ではロンドン&リオのメダリスト、ジョナサン・ブラウンリーらとランでわたり合い沿道を沸かせた小田倉。五輪本番でも開催国の意地を見せられるか ©Kenta Onoguchi

ブレイクスルーした小田倉
ニナー賢治の気迫が
驚きの結果をもたらすか!?

男子は5月15日に行われたWTCS横浜で小田倉真が選考評価基準の16位に入り代表に。横浜では大集団になったバイクトップグループの中から抜け出し、結果を出した。

今まで潜在能力はあったものの今ひとつ殻を抜け出せずにいた小田倉だが、この結果を得たことが自信となってオリンピックでも同じようにバイクをトップグループで終えることができればオリンピックでも周囲を驚かせてくれるかもしれない。

もうひとりの代表ニナー賢治は、今年4月にオーストラリアからの帰化申請が許可された新鋭。代表を争っていた国内男子有力候補の中で一番3種目のバランスがいいのが彼だ。

元々(東京2020戦線では)ミックスリレーが行われる短い距離のレースへの適性が買われての有力候補でもあったが、

彼の一番の強みは国籍を変えてまでオリンピックに出たいという情熱や思いの強さ。それが競技にも表れていて並大抵のメンタルではないという。

東京2020の代表選考で、力をつけてきた急成長中の2選手が、世界最高峰の51.5kmでどんな戦いを見せてくれるか、要注目!


*参考記事・関連サイト

>>チームJAPAN4選手の代表入り記者会見コメント
「日本代表4選手、初めてのオリンピックへの意気込み語る」

>>日本トライアスロン連合公式
「チームJAPAN」応援サイト

Tokyo2020 オリンピック
トライアスロン 競技はNHKでライブ中継!

放送計画は変更・休止の場合もあるので、NHK東京オリンピック特設サイトで要チェック。
https://sports.nhk.or.jp/tokyo2020/nhkinfo/210628.html

>>放送時間(予定)

▼7月26日(月)男子個人競技
【NHK BS1:生中継】6:20~8:50
【NHK BS1:追V】13:35~14:00
★解説:田山寛豪

▼7月27日(火)女子個人競技
【NHK BS1:生中継】6:20~7:45
【NHK Eテレ:追V】9:00~9:50
【NHKBS1: 追V】7月28日(水)朝
※他競技放送時間により変動あり
★解説:関根明子

▼7月31日(土)ミックスリレー競技
【NHK総合:生中継】7:25~8:00/8:15~(9:10)
(サブチャンネルに移動 8:00~8:15)
★解説:田山寛豪

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