特集「インドアトレーニングの達人」
堀 陽子さん編
時間のあるプロ選手もインドア練習を行う理由
インドアトレーニングと言うと、雨の日の練習や平日の時間がないときにスポーツジムなどで行うトレーニングと一般的にはとらえられます。
それに、風を感じ景色が移り変わる様子もなく、一定の場所で器具を使用しての長時間運動は飽きてしまいますよね。
しかし、一方そうしたことでトレーニングの効率性が上がるのもインドアトレーニング。
トレーニング時間が限られているエイジグループの選手たちに限らず、プロアスリートでさえも雨天時のみならず日頃から自身のレベル向上のために活用している選手は多いのです。
この場合、体力的要素を求めるだけでなく、技術的要素も併せて意識して練習することで大きな効果が現れるのです。
さらには、精神的部分も十分に鍛えられると言えるでしょう。インドアならではの「集中したトレーニング」で客観的に自分自身を見つめながら、目的意識をより明確にして実力アップを図りましょう。
トレッドミル&ローラー台で「インドア・ブリックトレーニング」
【ブリックトレーニング】バイク、ランと連続する実戦的なトレーニングを、バイクはローラー台もしくはエアロバイクやスピニング、ランはトレッドミルを使用して行う複合トレーニングのこと。
バイク 30分
▼ウォーミングアップ10分
(片足ペダリングドリル 左右各30秒×3 を含めて)
★片足でもペダルをスムーズに回せるように行う。ペダリングの途中でカクンと音がしないように回せるようにしましょう。できるようになったら時間をさらに延ばす。
▼ケイデンス練習
(90RPM2分+100RPM1分+110RPM30秒+120秒15秒)×2(リカバリー1分15秒)
※RPMは1分間における回転数
★回転数を徐々に速くしても対応できる動きづくりが狙い。ペダリング技術向上に伴い、速い動きでもフォームが崩れないようになってきます。
▼イージー2分15秒
▼重いギヤでこぐ練習
50RPM程度でこぐギヤで5分×2(リカバリー2分)
★パワーアップのトレーニングのみでなく、ペダルを踏み込むコツや引き足のタイミングを覚え、無理な力を使わずに重いギヤが踏めるようになるトレーニング。
▼イージー2分
▼ケイデンス練習
(90RPM2分+100RPM1分+110RPM30秒+120秒15秒)×1
★再度回転数の練習を復習として。
▼終了時間までイージーに
ラン 30分
▼1㎞×3 (リカバリー2分)
1本目を70% 2本目70% 3本目 75%
残り時間をダウンにあてる
★1㎞3本の中間スピード走。本数を追うごとにぺースが落ちていくことのないよう、ペース管理をしながら感覚を養成する。
インドアでは、周囲にある鏡や窓ガラスでフォームや各部位の動きを客観的に見て確認することが大切。
トレーニング時期に合わせ、あえて強度を抑えてでも動きに意識した技術練習に集中できる状況をつくりましょう。
堀 陽子(ほり・ようこ)
1993~96年にデュアスロンで活動後、アイアンマンに主戦場を移し、2007年までトッププロとして活躍。コナ(アイアンマン世界選手権)での最高位は18位。97年、NZに渡り、日本人アスリートの合宿も受け入れる旅行ガイド社「WILD EDGE LTD」を運営。オンラインでのプログラム提供などパーソナルレッスンも手がける。