オリンピック以降初のお台場で28回日本選手権開催
3連休の真ん中、10月9日(日)に第28回日本トライアスロン選手権が東京・台場で開催された。
注目は、体調不良から脱出し2017年以来の優勝を狙うベテラン佐藤優香に、海外レースに出場し実力を付けている福岡啓、先週の国体で優勝した江田佳子、競泳出身でスイムに定評のある18歳の安西琴美らがどう挑むか。
今年の出場者は19人と少し寂しい印象だったが、U23日本選手権も兼ねているため、大学生を中心に多くの若手選手がエントリーした。
薄曇りの中、8時25分に女子のレースがスタート。前評判どおりの実力で、1周目から安西が引っ張る。2周目も単独でスイムアップ。後続に大差をつけて、バイクをスタート。
1周5㎞を8周回するバイクコース。今年はコーナーが多いテクニカルなコースレイアウトでバイクの技術や戦略が試される。
序盤は、スイムの勢いのまま安西がひとり抜け出し、チェイスパックには、佐藤優香、福岡、江田、佐藤姫夏、池口いずみ、林愛望、杉原有紀、中嶋千紗都の8人。
バイク4周目まで単独で逃げていた安西が吸収され、9人の集団に。何度か福岡や安西が仕掛けるも、その集団のままバイクフィニッシュ。
最初にランコースに飛び出していったのは福岡、その後を杉原、佐藤優香、江田、林が追う。ランは2.5㎞を4周回する。
1㎞過ぎたあたりの上りで、17歳、高校3年生の林が前に出る。力強く安定した走りで、2番手争いの福岡、江田にジリジリと差をつけ始める。2周目に入っても勢いは止まらないどころか、調子が上がっていき完全に単独リードする。そのまま後ろを寄せ付けず、史上最年少で初優勝を飾った。
2位には福岡、3位に江田が入り、佐藤優香は4位でフィニッシュした。
【女子上位】
1. 林 愛望(岡崎城西高校・まるいち/愛知)2:01:22
2. 福岡 啓(オクタケグループ/福井)2:02:04
3. 江田 佳子(東京ヴェルディ(東京)2:02:25
4. 佐藤 優香(トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ(山梨) 2:03:10
5. 杉原 有紀(栃木県トライアスロン協会)2:03:36
女子リザルト>>https://www.jtu.or.jp/result/?event_id=165&program_id=165_1
《優勝した林愛望選手のコメント》
(優勝は)率直にうれしいです。理想のプランとしては、スイムをトップ集団で上がって、バイクはそのままトップ集団で、ランで勝つというプランでした。
51.5㎞のエリートレースが初レース(51.5㎞のレース自体は3戦目)となるので、ランの10㎞というのがあまりよく分からなかったのですが、最初は様子見でイーブンペースくらいで行ったんですけど、先頭に出れてそのまま流れと言うか……そのまま行けたかなと思います。
51.5㎞のレースは伊勢志摩や伊良湖のレースに出たときは単独でバイクをやっていたので、集団としては初めてだったので単独より後ろについたりして、風よけとかは良かったんですけどその分後ろにいたときの折り返しの後のダンシングとかが少しきつかったです。
ランは3種目の中で一番得意です。部活で陸上をやっています。スイムとランは小学1年生くらいから、トライアスロンは小5か小6くらいからやっています。
今回、先輩方とバイクをまわせたり一緒にレースができたことはすごくうれしくて、最年少で出場できて優勝できたことはうれしいです。
今後は、海外で戦っている選手の方々に追いつけるように頑張っていきたいと思います。
《4位に入った佐藤優香選手のコメント》
練習の成果は全部出し切れたと思うので、3週間後にワールドカップ宮崎大会がありますので、そこまでに間に合わせなきゃいけないなとあらためて思いました。
ランの練習自体が本調子には程遠かったので、最初の1㎞のラップタイムが3分41秒でそのペースを刻んでいくと思っていたんですけれど、思った以上に自分がたれてしまって先頭集団から遅れてしまいました。
レースは楽しかったです。楽しかったうえに、勝利があったら良かったんですけど今日は十分楽しめました。
林選手の優勝については、スイムから文句なしというか、無敵というか、今後とても楽しみな選手だなというのと、ベテランは負けてられないなと思いました。切磋琢磨する中で、自分も高みを目指していきたいなと思いました。
今日は、復活の手ごたえというよりもこれが今の実力だと思うので、今不足している部分を補いながら、3週間後にワールドカップが控えているので、調子を戻していきたいなと思っています。
3週間前のアジア選手権で1週間熱を出してしまって、体力面が衰えてしまって……でも3週間で戻してこられたので、この次の3週間はさらに積み上げていければ、今よりは間違いなく強化できると思うので練習を積み上げていきたいと思います。