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PTWC優勝の土田和歌子ら日本勢9選手が奮闘《東京OQEパラトライアスロン》速報

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ルミナ編集部

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PTWCカテゴリーで優勝した土田和歌子 ©Kenta Onoguchi

水質の悪化でスイムが中止。デュアスロン開催に

2020東京オリンピック・パラリンピックのテストイベント(東京OQE)は大会3日目の8月17日(土)、パラ部門のレースを実施。パラリンピック・ワールドカップも兼ねて開催されたこのレースに8人の日本人選手が参戦した。

気温上昇や前日までの雨などによる影響か、毎日行われているスイムコースの水質検査で、大腸菌がITU(国際トライアスロン連合)の定める基準値を超え、スイムパートが中止。デュアスロン(ラン1.25㎞/バイク20㎞/ラン5㎞)での開催となり、各選手は、スタート時間の変更などへの対応に追われた。

しかし、そこは「自然の中で戦うスポーツ」であるトライアスロン。これもレースの延長と切り替え、イレギュラーなフォーマットでの開催であることを忘れさせるような熱戦が繰り広げられた。

以下、今回のレースに参加した日本勢のレース後のコメントを一部紹介しよう。

日本人選手レース後のコメント

 

©Kenta Onoguchi

PTWC女子優勝
土田和歌子(八千代工業)

「早朝にデュアスロンに変更というアナウンスが入って、そこからいつもと違うルーティンでのスタートになりましたけれど、トライアスロンというのはこういうことも含めての競技だと思っていますので、今日は本当に良い経験ができたと思います。

また2020年に向けてのテストイベントということで、(本番と同じ)このコースを体感できて本当に良かったと思います。スイムがあったらこの結果になったか(優勝できたか)どうか? という思いもありますが、また来年に向けて対策を考えていきたい。

パラリンピックには世界の最高の選手たちがこの東京に集まってくるので、多くの皆さんに観戦していただきたい。私自身、東京出身なので応援にきてくださる方が多くて本当に力をいただけます。もちろん(本戦でも)自分自身を応援してもらいたいですが(笑)選手を代表して、多くの選手を応援していただきたいと思います」

PTWC男子4位
木村潤平(社会福祉法人ひまわり福祉会)

「(スイム中止は)今日の朝3時に決まったことなので対応が難しかったですが、こういうことが起こるのもトライアスロン。自然を相手にするスポーツなので、そこに対応できなかった僕の実力不足だなと思います。僕自身、デュアスロンになったことは経験がなかったので、そこでうまく対応できなかった。

多くの方が沿道に応援しにきてくださり、やっていてうれしかったですし、やりがいも感じたんですが、そこで僕自身良いパフォーマンスを出せなかったというのはすごく悔しい。

テストイベント大会は重要視していたんですが、それ以上に2週間後にあるスイス・ローザンヌの世界選手権、グランドファイナル大会はすごく大事で、そこで結果を出せるように調整しているので、うまく結果が出なかった部分は、しっかり調整して、ローザンヌで結果を残せるようにしたいと思います」

PTS4男子4位
宇田秀生(NTT東日本・NTT西日本)

「予想どおり、すごい暑いレースで。でも最後まで走り切ることができたので、良かったです。結果は、ほとんどフルメンバーがそろった中での4番、良かったんじゃないでしょうか。

暑さ対策は、レース中もそうですがレース前から水分とったり、身体冷やして、十分に体温下げてから、レースに臨むことを意識した。第一ランから、足も軽くて最後まで垂れることなく、イイ感じでバイクに入れたので、対策は成功だったと思います。

デュアスロンになることは、他の国でもあることなので、僕はスイムは苦手なので、ラッキーだったかな、と(笑)。

応援はすごい力になりました。50人くらい関西から来てくれて、おそろいのTシャツで応援してもらえたので、すごく力になりましたね。家族も来てくれたので」

PTS5男子6位
佐藤圭一(エイベックス)

「ゴール後、暑くて、結構意識がないくらいで、ちょっと立っていられなくて、倒れちゃったんですけど、暑さと自分の身体が弱かったんで、また来年に向けて、暑さ対策とそれに向けたトレーニングをしていきたいです。

テストイベントでデュアスロンになりましたが、(ステファン・)ダニエル(カナダ)とサラ足でどこまで突っ込めるかということをチャレンジしたレースでした。はじめから、自分のもてる力を全力で出すという前提で挑戦しました。それも含めてちょっと身体に負担がかかったかな、という感想ですが、良いレースができたと思います。実力通りの力は出せたと思います」

PTS5 男子9位
梶 鉄輝(日本写真判定)

「いつも海外でレースすることが多いんですけど今回、日本で、声援が多い中でレースできたので、苦しい場面もありましたが、声援のおかげで最後まで走れました。

僕はスイムが得意なので、(スイムが)なくなって残念でしたが、来年に向けて水質は改善されていくと思っています。今回は、ただデュアスロンになったというだけなので、いつものようにレースを終えました」

©Kenta Onoguchi

PTS4女子2位
谷 真海(サントリー)※写真左

「朝、起きてからデュアスロンに変更ということだったので、本番の段取りから考え直して、初めてのケースだったので、最初はどうしようかと思ったんですけど、落ち着いて涼しいホテルの中でウォーミングアップをローラーバイクでやって、現地にゆっくり入ってと対応できので、スタートそのものは落ち着いてできたかな、と思います。

レースの約1年前に同じコースを走れたというのは、コースの確認も雰囲気もそして、水質も確認できて、暑さも体験できてすごく有意義だったと思います。

結果は、自分の今の実力通りかなと思いますけれど、今年に入って、バイクがかなり不調で、今回バイクにフォーカスして強化してきたんですけど、なかなかうまくいかなくて、今回もバイクで後れをとってしまったので、ちょっと時間がかかるなという気がしています。

具体的には、まずラン義足でバイクに乗っていたのをやめて、バイク用の義足を使うようになりました。練習自体はすごく良い感じで、パワーもでるようになってきていたんですけど、スイムからバイクとか、ランからバイクというつなぎの時点でなかなかうまくいかないので、うーーん…難しいですね。バイクの義足をレースで使用したのはこの大会から。1カ月間くらいです。モントリオールから帰って来てからです。今シーズンは、この義足でやっていきます。

©Kenta Onoguchi

普段仕事場があったりとか、子どもを預けている保育園があったりとか、週に何回も通っている場所をコースで走れるという本当にホームのコースなので、1年前に走れて応援をしてもらって、あらためて、来年の8月29日、この場で走りたいな、というふうに思いました。

2020年への想いがやはり大きくて、この大会が東京大会でなければ目指してなかったと思いますし、やはり最後まで簡単には諦められないのは、ホームでの開催というところでその思いも強いところがあります。

(本来の自分のカテゴリーではない)PTS5の選手と戦うことになるので、不利なところもありますし、正直モチベーション管理が難しいところがありますけれど、やっぱり出たいな! というのが今の想いですね」

©Kenta Onoguchi

PTS3女子5位
秦 由加子(キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・稲毛インター)

「初めての経験でしたが、暑さで汗が義足に溜まってしまって、それが影響して、それでランでも最終的に追いつけずという展開でした。

バイクのトランジションで手間取ったのもそれが一因で、足とのフィッテイングがグラグラしている感じだったので、これはいつも困るところではあるんですけど、また相談して、新しい道具を作っていかなくてはいけないかな、と思っています。

今朝の時点でスイムが中止になったという連絡が来て、私は率直な意見としては、泳ぎたかった、と(笑)。昨日泳いでみて、自分自身は特に身体の異常とかはないので、来年泳げるように祈っています。万が一泳げなかったとしても今回のような結果にならないように、したいと思います。海外レースでも同じような状況下で泳ぐ機会はたくさんあるので、特別ここが悪いというような印象はなくて、いつもどおり、試泳ができたという感じです。

水温に関しても750m泳ぐ分には、プールを泳いでいるような感じです。ウエットスーツを着ないでトライスーツで泳ぐというのもパラにしては、珍しいことなので、すごく楽しみはあったので、泳げなくて残念です。

テストイベントとして参考になったのは、会場のセッティングなど本番と同じ状況でレースができたのは、来年のイメージづくりにはいい機会だったと思います。来年こそは良い成績を出せるようにしたいと思います」

***
4日間にわたって開催されてきた東京OQEは明日18日(日)に最終日を迎え、各国男女4選手で競われる2020東京オリンピックからの新種目「ミックスリレー」が行われる。

★選手コメントやレースの詳報は、Triathlon Lumina11月号(10月2日発売)に掲載予定。

PTVI女子5位の円尾敦子(日本オラクル・グンゼスポーツ)©Kenta Onoguchi

東京OQE/パラトライアスロン・ワールドカップ
日本人選手の結果一覧
(順位/名前/所属/総合タイム※)
※ラン1.25㎞/バイク20㎞/ラン5㎞のデュアスロンPTWC女子
1 土田和歌子(八千代工業) 00:59:44

PTWC男子
4 木村潤平(社会福祉法人ひまわり福祉会)01:01:16

PTVI女子
5 円尾敦子(日本オラクル・グンゼスポーツ)01:17:20

PTS5男子
6 佐藤圭一(エイベックス)00:57:37

PTS5 男子
9 梶 鉄輝(日本写真判定)01:02:13

PTS4女子
2 谷 真海(サントリー)01:15:14

PTS4男子
4 宇田秀生(NTT東日本・NTT西日本)00:59:22

PTS3女子
5 秦由加子(キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・稲毛インター)01:34:48

PTS2男子
2 中山賢史朗(東京ガスパイプライン)01:17:39

PTS2男子2位の中山賢史朗©Kenta Onoguchi

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